特注 Rコアトランス
頒布中のHPA-12 フルディスクリートヘッドホンアンプ用に 薄型トランスを特注しました。
薄いケースに入れたいが、ちょうどよい電源トランスがないというのを解消できます。
高さは、実測で37mm程度と、1Uケースにも収まりそうなサイズです。
通常、トランスはコストとのバランスで、どのくらいの電源容量が必要な時にどのコアサイズを使うかというのが決まってきます。今回のトランスのコアは25~33VAで使用するモノなのですが、巻いてもらったのは、6.3V 1.6A 2回路ですから合計で 20.16VAしか使っていません。
視覚的に見るとこんな感じです。
標準仕様の青い部分が通常の使用範囲。 巻いてもらったトランスは、かなり余裕があることがわかります。
もしオーディオ用途として特注してトランスを製作することがありましたら、定格容量いっぱいに使わず、1割から2割程度余裕をもって巻いてもらう事をおススメします。 これは、音質に関わることだからです。 TRS-12は4割ちかい余裕があります。
市販のトランスは、小さなコアサイズでも数値を大きく見せるため、コアの定格容量いっぱいに巻いていることが殆んどです。 なぜなら、数値上、安価なのに大容量トランスとなり、商品価値を高く見せられるからです。 ところが、重さとVA(使用容量)の比率を比較するとおおよその違いが分かります。
TRS-12: 610g / 20.16VA(6.3Vx1.6A x 2回路)
1VAあたり30g
RS 91947-P2S2: 650g / 50VA(9Vx2.778A x 2回路)
1VAあたり13g
トランスの形状(EI、Rコア、トロイダル、カットコアなど)が違うと単純に比較はできません。 あくまでもおおよその雰囲気です。 本来のコアの定格容量は鉄損・銅損など発熱量で決まってきます。
■なぜ、定格容量いっぱいがダメなのかというネタばらし
2次側から沢山の電流を取り出すためには、1次側でも沢山巻き線を巻いてコアへ沢山の磁力を伝えておく必要があります。 そのためコアは飽和寸前まで磁束密度を高めている状態になってしまいます。 コア材の種類に関係なく飽和は必ず訪れます。
磁束密度を高く設定すると「磁束洩れ」「振動」「うなり」「発熱」などが多くなります。 特に飽和寸前まで磁束を上げると、リニアではなく急峻に磁束洩れなどが多くなる傾向があります。
オーディオでは嫌われる原因となるもののオンパレードですね。 2割くらい余裕を持たせると随分と減ります。
サイズは、ご覧のとおりです。
送料が全国で一定にできないため、下記とします。
https://www.takuhai.jp/html/titai_09.html (2kgの欄を御覧ください)
神奈川県 494円
東北・関東・信越・中部・北陸 597円
関西 701円
四国 803円
北海道 906円
九州 1008円
沖縄 1112円
送料は、トランス1個でも2個でも一緒です。
■仕様
1次 : AC100V
2次 : AC6.3V 1.6A
AC6.3V 1.6A
無負荷電圧 : AC7.02V
レギュレーション : 約10%
温度ヒューズ 115℃
重さ : 約0.6kg
用途 : 低電圧オーディオアンプ、6.3V真空管ヒーター、5V系DC電源などにご使用になれます。
ヒューズは、500mA、もしくはスローブロー250mAをご使用ください。
ケーブルは約400mmと長めに作ってもらいました。 余った部分は切ってご使用ください。
特に1次側の配線は、余らせた配線がシャーシのシャープエッジなどでショートすると危険です。 安全性重視でお願いします。
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