ジャンさんレポート 【907バージョン】
ジャンさんから、詳細なレポートを頂きました。 ありがとうございます。 2013-06-29
基板頒布から5か月もかかりましたが、完成しましたので報告させいただきます。
頒布基板について
特にパターンについてですが、電源ラインやアースラインのスリットによる共通インピーダンスの排除、スター結線風のアースライン、小信号部分のベタパターンなど、見れば見るほど素晴らしいですね。
製作について
たかじんさんの使用されている部品にできるだけ忠実に907バージョンで製作しました。
完成まで時間がかかった理由は、
・選別回路を製作し、アンプ部のTR、FETは全部測定・選別した。
・VRはギャングエラーの少ないものを選別した。
・部品はネット購入だが在庫無しがあったため入手に時間がかかった。
・DC offsetの変動(暴れ)が気になり途中やる気が無くなった。
・ケース加工は音や金属クズが出るので、女房のいないときにこっそりやっているが、そのタイミングがなかなか取れなかった。こういう時に限って出かけてくれないのよね(^^;)
手を入れた点について
・トランスのショートリング:自機への影響というよりも、トランスZ軸方向の凶悪な漏れ磁束
が上下に設置の他機器へ悪影響を与えないようにするため、銅箔ショートリングを巻いてみました。効果の程は不明ですが、気休めにはなります。
・Low-Boost回路:低音評価が低目のヘッドフォンを使用しているので、たかじんさんのブログに従って付けてみました。
・Standby&DC表示:DC検出表示をしたかったので、TRを1個追加してStandbyと兼用したLED表示をしてみた。
・保護回路に22Ω追加:保護回路のQ85のコレクタに22Ω追加。電源OFF時にQ85がC85の電荷をショートするのだが、そのショート電流がQ85の最大定格を超える可能性があるので、抵抗を入れてショート電流を抑制してみた。
・SBDパラ:整流用にSBDを購入したが、電源ON時のラッシュ電流に余裕が少なかったのでパラ接続にしてみた。
音について
AKG Q701で聞いていますが、満足です。
粒立ちが非常に良い。VRを上げてもうるさくない。窮屈でなくのびのびした音。SPに比べ聞こえない音が良く聞こえる。音が厚いというかエネルギー感がある。特にジャズがご機嫌です。
Low-Boostはポピュラー音楽などに入れるといい感じです。
耳には全く自信が無いので、話1/10でお願いします。
特性について
残留雑音電圧:約35μV(Unweighted 帯域500kHz 入力1kΩ 負荷68Ω)ローノイズです。
増幅度:1.67倍 4.4dB(VR MAX 負荷68Ω) Low-Boost回路のおかげで少しゲインが低めに。
左右増幅度差:0.1dB以内(VR CENTER&MAX 負荷68Ω)選別したVRのおかげかと。
アイドリング電流:12mA×3
Low-Boost無の周波数特性:広帯域です。
Low-Boost有の周波数特性:Boost加減がいい感じです。

チャンネルセパレーション特性:HPAとして十分かと。

歪率特性:低歪率です。(M-5GL+M-4D+VT-106)

矩形波特性:安定ですね。
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矩形波10kHz 負荷68Ω//0.1μF 負荷0.1μFも 同波形 純容量負荷100pF、1000pF、0.01μF でリンギング、寄生発振は見えない。 上段入力 0.5V/div 下段出力 1V/div |
クリップ波形:こんな波形になるんですね。
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正弦波クリップ波形 負荷68Ω 1kHz信 号 上側からがクリップし始めるが、その クリップ開 始波形。 そのまま入力を上げてい くと、上側 のクリップがさらに大きくなり、下側 のクリップが始まる前にDC検出が 動作する。 2V/div |
DC offsetドリフト:ウォーミングアップドリフトが少し大きめですが、全く問題ないです。

出力スペクトル(WAVESPECTRA):60Hzとその整数倍成分が見えますが、十分低い値です。


出力スペクトルの上データ 「電源OFF」
出力スペクトルの下データ 「電源ON 1KHz出力0.14V (0dB=0.46V)」
以上、素晴らしい基板を頒布していただきましたおかげで、音も特性も素晴らしいアンプが簡単に完成してしまいました。ありがとうございました。
以上
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