PRT-03 ヘッドホンアンプ用電源+プロテクタ基板
ヘッドホンアンプ用プロテクタ基板
PRT-03
HPA-1000 ディスクリートヘッドホンアンプに合わせて設計した電源+プロテクタ基板
NFBループを一切持たない回路により、開放的で躍動感のある音質に貢献します。出力リレーは電源ON/OFF時のポップノイズを防ぎ、万一のアンプ故障時にも大切なヘッドホンを守ります。Hi/Mid/Low 3段階の出力インピーダンス切換を搭載。
1枚で2チャンネル分の電源と保護機能を有しています。 47kΩチップ抵抗付録。予備として1個多く入れてあります。=> 付録やめました。
一部にチップ抵抗を使い基板サイズをコンパクトにまとめました。チップ部は手ハンダ用にランドサイズを大きめにしてあります。
特徴
◇ HPA-1000ヘッドホンアンプ基板用に設計
◇ 整流回路を搭載(SiC-SBD 使用可)
◇ パッシブ型電源リップル低減回路
◇ DCオフセット検出してヘッドホンを保護する機能
◇ 電源電圧検出機能を搭載してポップノイズレスを実現
◇ 左右個別のデカップリングコンデンサで聴感上のセパレーション向上
◇ グラウンド・セパレーション出力によりセパレーション向上
◇ リレー式出力インピーダンス切換機能(High/Mid/Low)
◇ Auクロスバーツイン接点のリレーで、低歪・高寿命
◇ 省配線
回路図・部品表・外形図
基板ミス修正情報
初期ロットは問題ありませんが、2ndロットでミスがありました。シルクで Rev1.1 と書いてある基板です。
以下の写真のようにリレーL1、L2、L3の6pin、11pinを根元からカットしてください。基板の6pin/11pinホールへ接触しないようテープを貼ると更に効果的です。ご迷惑をお掛けします。
リレーの足をカットしないと、出力インピーダンス切換でMID、HIGHを選択したとき音が非常に小さくなる問題が発生します。
まだ基板を組立ていない場合は修正版のRev1.2基板への無償交換を案内しておりますのでご利用ください。
< 2022-11-3 追記 >
全体の接続図
HPA-1000ヘッドホンアンプ基板との接続図です。 配線はとてもシンプルです。
シャシーアースポイント
「HPA-1000のSGND」
「電源部のGND」
「出力のリターンGND」
を1点でシャシーに接続する1点アース方式です。六角支柱とM3ビスで強固に落とします。
GNDセパレートタイプ(バランス接続端子)の場合はGND線を2本接続します。3極タイプの場合は、GND線は1本でOKです。
配線コネクタについて
HPA-1000も含めて、ターミナルブロックとVHコネクタ(一部XHコネクタ)を排他的に使うことが出来ます。
検討などで頻繁に抜き差しするようなときはVH・XHコネクタ化すると便利です。ただし圧着工具が別途必要です。
裏のジャンパー配線
GND強化のため、裏面にAWG 20の配線を付けます。 配線は無くても動作しますが、付けた方が音が良くなります。
推奨トランス
60VA~100VAクラスの2次側2回路のトランス。磁束漏れの少ないトランスの方がハムノイズが出にくい。
プライマリ:100V セカンダリ:15V x 2回路(2A~3A)
プライマリ:115V セカンダリ:18V x 2回路(2A~3A)
あたりが目安です。整流後の電圧が22Vを超えると色々と部品を変えなけれいけないのでお気を付けください。
共立電子 トロイダル HDB-80(15V) 15V-3A 2回路
トヨズミ EIコア HTR-162 16V-2A 2回路 (15Vタップ使用)
トヨズミ EIコア HTR-163 16V-3A 2回路 (15Vタップ使用)
東栄変成器 EIコア J-162W 16V-2A 2回路 (15Vタップ使用)
安全のため必ず1次側にヒューズを入れてください。 EIコアなら定格の2~3倍、トロイダルコアなら3~5倍のインラッシュ電流が流れます。ヒューズはインラッシュ電流に耐える容量が必要になります。
磁束漏れについて
トロイダルトランスと言えども品質は様々です。特定方向に大きな磁束漏れが出る場合がありました。トランスの向きや配置を少しづつ動かしてハムノイズが最も小さくなるところへ固定してください。共立電子のHDB-80では、固定金具を緩めて回転させることでハムが小さくなる方向にセットして対処できました。
PRT-03基板を中心にアンプ基板とトランスとを逆サイドに置いて「距離を離す」のも良い手です。
EIコアのトランスは磁束がコア材方向に大きく漏れます。回転させて最も影響の少ない方向に固定します。EIコアを北/南に向けた場合、北/南に大きく漏れます。東/西もその半分くらいは漏れます。斜め方向の北西、南西、北東、南東が比較的漏れ磁束が少なくなります。
電源電圧アジャスト機能
電源OFFを検出して瞬時にリレーをカットしてポップノイズを低減します。ご使用の電源電圧に応じて調整します。
1.アンプを接続している時はDCオフセットを調整してください。
DCオフセットが0.7V以上あると保護のためリレーをONしません。
初めて電源を投入するときは、アンプ基板との接続を外しておくことをお勧めします。
2.VR1を時計方向へ回していくとLEDが点灯します。
LEDが点灯しているときはリレーがONしています。
3.ゆっくりと反時計回りに回すとLEDが消灯します。ここがスレッショルド電圧です。
4.スレッショルド電圧が見つかったら、10~15度くらい時計方向へ戻して完了です。
※1)コンセントの電圧変動でリレーがON/OFF繰り返すようでしたら、もう少しだけ時計方向へ回してください。
※2)VR1を時計方向に回すときはリレーONまでタイムラグあり。反時計方向に回すときはリレーOFFまでタイムラグなし。という動作なので2.3.4.という手順で調整します。
インピーダンス切換機能
インピーダンス切換スイッチの配線は上図のように中点付きスイッチを使ってコントロールします。端子がオープンの時はMIDのリレーが選択されています。
LOW :ダイレクト出力
MID :10Ω(RX3、RX4)
HIGH:100Ω(RX1、RX2)
※ 初期LOT基板は「Mid」「High」シルクが逆になっています。ご注意ください。
抵抗値はお好みで変更できます。300Ω/600Ωなど高インピーダンスなヘッドホンを所有していない場合は、100Ωの抵抗値は大きすぎるようです。その場合は33Ωや47Ωの方が適度な効果を体感できると思います。
また、MIDとHIGHとを同じ抵抗値にして「抵抗の品種を切り替える」という使い方もできます。自由にご活用ください。
インピーダンス切換を使わない場合はLowとMidをショートしてください。リレーはL2のみでOKです。L1,L3は使いません。
ヘッドホンジャックについて
GNDは、上記のように1点アース方式を採用しています。
一部のヘッドホンジャックでは、TRSホーンジャックのS(スリーブ)がパネルに接続されてしまうものがありますのでご注意ください。
絶縁タイプのご使用をおススメします。
などです。
フロントパネルにスリープが繋がってしまうと1点アースではなくなってしまいます。
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