入出力バランスアンプ NNBA-1
入出力バランスアンプ基板 NNBA-1
完全バランスアンプ、完全差動アンプと呼ぶこともある入力・出力ともに差動なフルディスクリートアンプ基板です。
基板1枚で1チャンネル分、2枚セットです。
オーバーオールNFBのない回路、かつ、トランスリニアバイアスのエミッタ抵抗レスバッファ採用
No-Feedback、No-Emitter Resistance、Balanced Amplifier
< 製作例 >
トランジスタの放熱にはM.2 SSD用ヒートシンクを加工して使用します。電源電圧は±12Vから±15V、100mA以上が必要です。
特徴
+フルディスクリート構成
+バランス入力
+バランス出力
+エミッタ抵抗レスの出力バッファ
+トランスリニアバイアス回路
+低ひずみ
+高スルーレート
+高CMRR
+低ノイズ
+低ポップノイズ
用途
+差動ドライバ(アンバランス to バランス変換)
+差動レシーバ(バランス to アンバランス変換)
+バランス型プリアンプ
+バランス型ヘッドホンアンプ
スペック(±12Vのとき)
+ゲイン シングルエンド10.5dB 差動16.5dB
+歪率 0.004 % (差動 2Vrms 1kHz)
+CMRR 80dB以上(10~20kHz)
+残留ノイズ シングルエンド 4.4uV 差動 6.1uV(入力ショート A-Wait)
+スルーレート シングルエンド 100V/us以上 差動 200V/us以上
+周波数帯域 1~900kHz(+0dB、-3dB)
+S/N比 差動 115dB(4Vrms A-wait)
+最大出力電流 出力バッファのトランジスタに依存
KSC1845/KSA992 : 50mA
2SC2240/2SA970 :100mA
2SC1815/2SA1015 :150mA
2SA950/2SC2120 :800mA
2SC2655L/2SA1020L :1500mA
< この4個が出力バッファトランジスタ >
感度高めな近年のヘッドホンでは2~5mAで爆音再生できます。余裕をみても100mAで十分。それ以上は趣味の領域ということで試されてもよいでしょう。
黄色:入力波形 3.92Vpp
水色:HOT出力 6.48Vpp
紫色:COLD出力 6.48Vpp
CMRR = Adiff / Acom = Adiff[dB]- Acom[dB] 式に基づく数値
※ VP-7722A 帯域80kHz にて計測
※ Analog Discovery にて計測
回路図・部品表
回路図 NNBA1_schematic
部品表 NNBA1_partslist
M.2 SSD用ヒートシンクはこちらをどうぞ
Tuloka 4個ヒートシンク 黒 70mm×22mm×6mm
Tuloka 4個ヒートシンク 銀 70mm×22mm×6mm
外形寸法
DCオフセット調整
< GND-HOT、GND-COLDの電圧がゼロになるように調整 >
電圧をテスタで計測しならが 半固定抵抗VR1(HOT出力)、VR2(COLD出力)を回してオフセット電圧が±10mV以内になるように調整します。
10分後に再度調整して完了です。
基板配置について
基板2枚を使用したデュアル・モノ構成です。GND配線ループの面積をできるだけ小さくなるよう配置してください。不用意なGNDループはハムノイズ発生の原因になります。 2枚のNNBA-1基板を近くに置いて、信号入力のGNDも離さず接近させて配線するとよいです。
BlueWind DC-Arrow +/-電源を使用したときの電源供給とシングルエンド入力接続例です。ボリュームは2連10~50kΩAカーブを使うと良いでしょう。
バランス入力では4連ボリュームが必要になります。2連ボリュームを左右で1個づつ(合計2個)でもOK。
4連ボリュームの入手先は限られています。
東京高音電波 4CP601 A10K(共立電子)
アルプス電気 RK27114A0A50K (三栄電波)
アルプス電気 RK27 4連A50K (Amazon)
電源が必要ですがMUSES72323バランスボリュームを使うのも良いでしょう。
極めつけは2連ボリュームをバラして4連ボリュームを作るという裏技もあるようです。(ジャイアンさん)
バランス出力 4.4mm5極端子基板「JCACK-44-5」
PENTACONN 「NBA1-24-001」とその互換コネクタが使用できます。
フロントパネルへの固定にはCB3-8(秋月電子)を使うと便利です。
==== 互換コネクタ入手先 ====
NBA1-24-001互換コネクタ(Yahooショッピング)
秋葉原ラジオセンター山本無線E-BOX店(レンタルショーケース)でも格安で売っていることがあります。
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