HPA-1000 ディスクリートヘッドホンアンプ基板
無帰還A級ディスクリートヘッドホンアンプ基板
HPA-1000
MDR-M1STの完全ドライブを目指した終段無帰還ディスクリートヘッドホンアンプです。2段目からの帰還をゼロにしたno-NFBアンプに切換可能です。
1枚で1チャンネル分のアンプ回路です。2枚セットです。
全体の接続図
PRT-03電源基板と合わせて使うと、出力インピーダンス切換、NFB量切換が可能なヘッドホンアンプが完成します。配線はとてもシンプルです。
基板2枚を使用したデュアル・モノ構成です。不用意なGNDループはハムノイズ発生の原因になりますので、上図のように2枚のHPA-1000基板を隣に置いてその中央にGND線を配線してください。
特徴
◇ 差動1段+上下ダーリントン・カスコード構成による低NFB回路
◇ 終段回路は4パラSEPPによる無帰還A級動作
◇ NFB量切換え機能(no-NFB設定も可)
◇ 低DCドリフト回路(±10mV以下)
◇ PRT-03と組み合わせてポップノイズレス
◇ 省配線
スペック
◇ ノンクリップ出力
8Ω: 4500mW(500mWまでA級)
30Ω: 1200mW 全域A級
100Ω: 380mW 全域A級
300Ω: 120mW 全域A級
※)殆どのヘッドホンは5~10mW入力すると爆音になります。
◇ 残留ノイズ:6.6uV(A-wait 、R11=470Ω時)
◇ スルーレート:UP165V/us、DOWN139V/us
◇ 出力インピーダンス:0.16 Ω
◇ NFB量:9dB(0dB 設定可)
◇ チャンネルセパレーション:86dB以上(10~20kHz 33Ω)
◇ THD+N:0.002%(33Ω 50mW時 / LPF80kHz)
◇ 周波数特性:1Hz~400kHz
回路図・部品表・外形図
※ PGA2311電子ボリューム基板と組み合わせるときは入力フィルタの定数を変更してください。詳しくはこちら。
NFB量切換え機能について
R11の抵抗値を変えることでNFB量を調整できます。NFB量を変えるとアンプのゲインも変わります。ゲインが高くなると残留ノイズが大きくなりますので使用環境に合わせてください。切換スイッチを付けることもできます。
抵抗値とゲイン、NFB量の関係。よく分からない人は R11=470Ω にしておきます。
抵抗値 - ゲイン - NFB量
R11:470Ω - 12.1dB - 9.2dB 高感度イヤホン 推奨値
R11:220Ω - 15.4dB - 5.9dB
R11:100Ω - 18.0dB - 3.3dB オーバーヘッドタイプのヘッドホン 推奨値
R11: 0Ω - 21.3dB - 0dB 豪快かつ開放的な音を目指す人向け
中点付きのスイッチを「NFB1ピンヘッダ」に接続すると3段切換え出来ます。よく分からない人は付けなくてもOKです。
赤い線がHPA-1000とスイッチを繋ぐ配線です。配線長は10cm以内にしてください。
上:0Ω
中:470Ω
下:150//470 = 約114Ω
配線を引き出さずに、ジャンパーピンの抜き差しでもOKですし、ON-OFFスイッチの2段切換えにしてもよいです。
原理的には可変抵抗でも機能するとは思うのですが、音質を考えると不利になりそうな気がしています。
基板の組立について
基板の組立手順は、こちらをご覧ください。
トランジスタの熱を底板へ放熱するため、手順を守ってシャシーへの組みつけが必要です。
放熱できないと正しく動作しません。
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