DUAL DC-ARROW
non-NFB ディスクリート電源基板
DUAL DC-ARROW
トロイダルトランスからのAC電源を整流してRaspberry PiやDAC基板へ5V電源を供給する基板です。
負荷の変動に一切左右されないnon-NFB回路を採用しています。フィードバックに頼らず真の低インピーダンス出力で、条件が厳しいとされるRaspberry Pi 4も駆動可能です。スイッチング電源を搭載していないため音質へ影響のある高周波ノイズを出しません。
タカチHEN110520B用の前後パネルが付属し、ケースに入れることでしっかりした電源に組み上げることができます。
※この基板は部品が実装も付属もされておりません。基板単体です。秋月電子、千石電商、RSコンポーネンツなどで部品を購入して、ユーザー自身が半田付けして組み立てる基板です。
特徴
+DC-Arrowの回路を2回路搭載
+トロイダルトランスを基板上に実装して省配線化
+タカチ製アルミケース用の前後パネルを付録
+完全ディスクリート構成
+non-NFB回路を採用
+負荷に左右されない定電圧回路(出力インピーダンス約200mΩ)
+大出力パワートランジスタ(定格出力電流1.2A、瞬間的ピーク8A)
+電圧微調整機能を搭載
+出力ポートは、ターミナルブロックとUSB-Aタイプの2種類
概要
従来のDC-Arrow基板2枚分を1枚に載せてトランスも搭載した基板です。
機能も回路も変わりませんが、
よりシンプルに、より組みやすく なりました。
< DUAL DC-Arrowをケースに入れたところ >
部品表・回路図
部品表d_dcarrow_parts_20210718.pdf
回路図d_dcarrow_schematic_20210718.pdf
推奨トランス
1次側電圧:AC115V 2次側電圧:AC7V
以下にこれらトランスの入手先をまとめました。
https://nw-electric.way-nifty.com/blog/2022/02/post-9f2c04.html
外形図
基板の組立とケースへの組込み方法
最初に、タカチHEN110520Bに未実装の基板を置いて、基板とパワートランジスタ固定用の穴を空けます。
ドリルはΦ3.2~3.5あたりが良いでしょう。
このように基板を置いて穴の位置に印をつけます。(USB-Aがある基板端はツライチ、もしくは0.5mmへこむくらいにするとよい)
7mmの六角支柱を4本立てたところ。パワートランジスタも7mm支柱と12mmビスを使って固定します。忘れずに放熱シリコーンを塗っておきます。
念のため基板を載せて、パワートランジスタの足がちゃんと出るか確認しておきます。
その後、パワートランジスタ以外の部品を実装します。背の低い部品から付けると作業しやすいです。LEDは足の短い方が「K」です。コネクタの隙間から光が漏れ出るように曲げて実装すると良いです。
< パワトラ以外の部品を実装したところ >
この基板をケースに搭載してビス止め。最後にパワートランジスタの足を半田付けをします。
ACインレット、ACスイッチの配線
コンセントからのAC電源を扱うため間違って配線すると危険が伴います。安全のためヒューズを入れていますが間違えずに配線してください。また、感電には十分注意してください。組立て作業中はACインレットにコンセントを挿してはいけません。
リアパネル<ーーー>フロントパネル 間に配線をつなぐイメージで、その中間の「J1」から電源を基板へ供給します。
リアパネルにACインレットを挿入します。 かなりかたいので、バネ部を押しながらゆっくり入れます。
配線はUL1015 AWG22~24あたりが望ましいです。 被服を10mmほど剥いて穴にくるっと通してからハンダ付けします。ハンダ後に収縮チューブを被せると完璧です。
フロント基板に波動スイッチを挿入します。こちらもかたいです。ACインレットと同様に10mmほど被服を剥いて穴に通してからハンダ付けします。収縮チューブを被せると完璧です。
フロントとリアの中間部に「J1」があります。“中央” ではなく少しリアパネル寄りです。
VHコネクタを使用するときは圧着をしっかりします。引っぱって抜けるようでは危険です。
コネクタのハウジングを付けるとこうなります。
ターミナルブロックを使用するときは配線を剥いて挿してからビス固定します。このとき簡単には抜けないようにしっかり固定してください。
配線のムキシロ部分にハンダ付けしてはいけません。ハンダは経年変化で痩せてくるため緩むからです。(定期的に増し締めするなら大丈夫か)
電圧の調整方法
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Pi 3/4は入力電圧が瞬間的にでも4.5Vを下 回ると起動に失敗することがあります。 RaspberryPi の GPIO端子 2pin-6pin間で 入力されている電圧を測ることができます。 実際に測ってみると意外とUSBケーブルで 電圧がロスっていることがわかって驚かさ れますね。 オームの法則はご存知だと思いますが、 基本的な電圧と電流の関係を以下に示 します。 |
V = I x R
電圧 = 電流 x 抵抗
配線にも抵抗があるため、電流が流れると配線の末端では電圧降下します。
例えば、一般的なUSBケーブルの抵抗=200mΩ、流れる電流=1Aの場合、
V = 1A x 0.2Ω = 0.2 V の電圧降下が発生します。
DC-Arrowはケーブルの抵抗以外にフィードバックをかけていない回路のため出力抵抗が少しあります。そのため5.2V~5.3V程度に調整して使うようにします。(USB規格では5V±10%まで許容)
起動している状態のRaspberryPiのGPIO端子部の電圧を測って、そこが4.8~5.0VになるようにDC-Arrowの出力電圧を調整するのも良いでしょう。
出力電圧の微調整はVR1/VR2で行ないます。基板上で電圧を測るときはJ7/J8を使うと良いでしょう。
ディスクリートの半導体で電源回路を組んでいるので、温度によって少し変動します。2時間くらい使って温度が上がりきるとコールドスタート時から0.08~0.12Vくらい上昇します。
推奨のオンボードトランス以外を使うとき
別のトランスから入力したい場合は、裏面にある目安の線で切ることで基板の無駄な部分を取り除くことができます。
ここから切っても基板を固定するビス穴が残るようになっています。
基板を切るにはPカッターを使うと良いです。裏表ともに深さ0.5mmほど切り込みを入れて、グイっとしならせるようにすると割と簡単に切りとれます。
関連ブログ記事
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※ 基板レジストに色ムラや小キズがある場合もございますがご了承ください。あまりに酷いキズがある時はnew_western_electric@yahoo.co.jp までご連絡ください。予告なく基板の色を変更する場合があります。
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