アレキサンダー電流帰還アンプ基板 ALX-03
アレキサンダー電流帰還パワーアンプ基板 ALX-03
2017年12月以降 Rev2になりました
2024年5月以降 Rev3になりました(販売店様webサイトにRev2と書いてあっても)
アナログ・デバイセズ社、マーク・アレキサンダー氏考案の電流帰還アンプを応用し、現在入手可能な部品で構成して簡単に製作できるようにしたハイ・スルーレート・パワーアンプ基板です。
Rev2基板以降は1回路入りOPAMPを変換ソケットなしで使用できるようになりました。
基板1枚で1チャンネル分のパワーアンプが組めます。
2枚セットです
■特徴
+低ノイズ、低歪、ハイスルーレートな高速アンプ
+DCオフセットを抑えるDCサーボ搭載
+OPAMP交換による音質変化を楽しめる
+3段ダーリントン出力段による高ドライブ能力(2Ω負荷対応)
+最適化された基板パターン
+幅広い電圧に対応(標準±15V~±20V / 定数変更すれば±50V程度まで)
+PRT-01/PRT-02電源基板と組み合わせて使うとポップノイズ・レス、かつ、少配線
■ALX-03のスペック (±20V電源のとき)
+ノンクリップ出力 : 10W(8Ω)、20W(4Ω)、40W(2Ω)
+歪率 : 0.0025 % (8Ω 1W 1kHz)
+残留ノイズ : 14uV (A-Wait 入力ショート)
+ダンピングファクタ : 140
+スルーレート : 160V/us
+周波数帯域 : 0.5Hz~500kHz(+0dB、-3dB)
+S/N比 : 116dB
+ゲイン : 27dB
歪率カーブ 8Ω負荷 20Hz/1kHz/20kHz ±18V電源
※ VP-7722A にて計測
歪率カーブ 8Ω、4Ω、2Ω負荷 1kHz ±18V電源
※ VP-7722A にて計測
ゲイン・位相 周波数特性 8Ω負荷 2.83V出力時
※ Analog Discovery にて計測
■Rev3 MOSFETバージョン(2024年5月)
・ドライバ段のTTC004B/TTA004Bを裏返さなくてもよくなりました。
・PRT-01、PRT-02との接続は5極VHコネクタに変更しました。
IRFP240PBF/IRFP9240PB を終段に使ったバージョンです。基板シルクの抵抗値もこのバージョンに合わせています。
バイポーラトランジスタの TTC5200/TTA1943 を使う時はR14~R19、R28の抵抗値を Rev2基板 LAPT バージョンを参考にしてください。
■Rev2基板 訂正バージョン(2019年6月)
入手しにくくなった部品を変更しました。小信号トランジスタKSC1845とKSA992を使うと少し繊細な音に変わります。回路図は上のままです。
※LAPT(2SC2837/A1186)も2SK3163/2SJ555 も入手困難になりました。
LAPTの代わりに TTC5200/TTA1943
2SK3163/2SJ555の代わりに IRFP240PBF/IRFP9240PB を推奨しています。
■Rev2基板 MUSES 03バージョン(2017年12月)
以下の関連記事をご覧ください。 記事中の回路図、部品表を参照ください。
アレキサンダー電流帰還アンプALX-03 Rev2 基板(記事)
ALX-03 x MUSES03 x MOS-FET(記事)
■進化バージョン(2017年9月)
※関連記事 はこちらです。
※MUSES01/02を使わなくても、こちらの定数の方が初期バージョンよりも進化していて音がよくなっています。
■回路図・部品表(初期バージョン)
■外形寸法
以下はRev2まで
■配線方法
プロテクタ基板 PRT-01と合わせるとシンプルな配線でアンプが完成します。
PRT-01基板のJ1とJ2は対称的な信号アサインにしてあるので、アンプ基板への配線を間違えないように気をつけて下さい。(基板のシルク文字をよく見てください)
電源やスピーカー端子への内部配線は、耐熱ビニル電線 UL1015 AWG20 あたりがお薦めです。
オーディオ入力信号の配線は、AWG 24~26の太さが配線しやすいと思います。 シールド線ではなくても構いません。 ボリュームからパワーアンプの入力までの間は、短く配線する方が良いです。(外来ノイズの影響を受けやすいため)
■製作例
<< プロテクタ基板 PRT-01と組み合わせた製作例 >>
■アイドリング電流調整
アンプを組み立てた時、最初にパワー段のアイドリング電流を適切に調整する必要があります。 また、OPAMPを交換したときも微調整してください。
バイアス電圧を調整して最終段のアイドリング電流を調整します。 上の写真の緑の矢印をテスター(電圧計)で計測し、半固定抵抗VR1で調整します。 この電圧がエミッタ抵抗(0.22Ω)の両端です。 下式でアイドリング電流が求まります。
アイドリング電流 = V ÷ 0.22Ω
例えば、V = 50mV なら 50mV ÷ 0.22Ω = 227mA となります。
アイドリング電流は、 ある程度多い方が歪率が減ります。 しかし、発熱も増えるため電源電圧とヒートシンクの放熱容量しだいで上限がきまります。
ひとつの目標としては、タカチの放熱ケース HIT23-7-18SS で、電源電圧が±15Vなら300mA程度とすると良いと思います。
ジュール熱(発熱量) =±15V x 0.3A = 9 [W]
±20Vなら、225mA で 同じ9W の発熱量です。
また、背面に金属部が出ているパワートランジスタは、直接ヒートシンクには取り付けず、絶縁シートを挟みます。 上の写真は、熱伝導シリコンラバーシート TO-3P用 を使用しました。 フルモールド(背面全てプラスチックで囲われている物)のパワートランジスタの場合は、直接 放熱シリコングリスをつけて放熱します。
Q9(上の写真、2つのパワートランジスタの間にあるトランジスタ)は、最終段の熱を感知するためヒートシンクへ取り付けます。 放熱シリコングリスをつけて熱を伝えやすくします。
■初期の動作確認用の電源のおすすめ
パワーアンプは、ハンダ不良や定数間違えなどあった場合、大きな電流がながれてしまう可能性があり、危険が伴います。
万が一を考慮し、初期の動作確認用として、15V1.6A程度のDCアダプター x 2個をお薦めします。 DCアダプタには過電流保護回路が内蔵されていて、大電流が流れるようなことがおきたとき、速やかに電流をカットしてくれます。
上記の15V1.6AのDCアダプタでも十分に音楽を堪能できる音がでます。
■OPAMP交換時の注意点
下記のOPAMPは動作確認済みです。
2回路入りOPAMP全てで正しく動作するとは限りません。 下記以外のOPAMPを使う場合は、いきなりスピーカーには接続せず、オシロスコープ等で発振していないか確認してからご使用下さい。
・LME49720NA 推奨品(トータルバランスが良い)
・NJM2114DD NJM5532の高速版
・MUSES8920D JFET入力
・OPA2604AP JFET入力
・OPA2134PA JFET入力
JFET入力タイプのOPAMPでは、入力のDCブロッキングコンデンサ(C0)をバイパスすることができます。
※ OPAMPの電源電圧は±12Vほど印加されます。
下記のOPAMPは使用できません。
・CMOS-OPAMPなど低電流タイプ、低電圧タイプ
・電流帰還タイプ
■関連ブログ記事
アレキサンダー電流帰還アンプ ALX-03の回路定数FIXしました
=== 以下 2024年 Rev3 情報 ===========
ALX-03 renewal アレキサンダー型電流帰還アンプ
ALX-03 renewal アレキサンダー型電流帰還アンプ(完了)
ALX-03 renewal アレキサンダー型電流帰還アンプ(データ出し)
最近のコメント