普通のテスターでhfe直読! トランジスタをhfe選別してみました
個人的に「hfe測定機能」が付いたテスターを2機種持っています。ですが、この丸形ソケットの接触がどうにも悪くて、まともにhfeが測定できません。皆さんはそんな経験ありませんか?
以前紹介した「TC1という半導体テスター」では、分解能が悪いので細かくhfeを測定するには難がありました。
717 の次が 861 まで飛ぶという酷い分解能・・・
ということで、
今日は普通のテスター(mAクラスの直流電流測定できるもの)でhfeを測定してみます。
使うのは抵抗1本と小型のブレッドボードです。
< 青いテスタの電流値を100倍するとhfe。 写真では390.7 >
黄色いテスタは電源電圧を監視しているだけですので電源電圧の調整後はなくても構いません。
トランジスタの動作原理でベース電流を基準としてコレクタ電流がどれだけ流れるか? という数値=直流電流増幅率がhfeです。 正確にはFEは下付きの大文字です。
hFE
htlmを駆使すると書けますが面倒なのでhfeとします。
回路は以下のようにしました。 とても簡単です。
ブレッドボードは接触不良が起きにくいので安心して測定できます。
470kΩの抵抗に4.7V印加して10uAのベース電流。
電源電圧はその4.7VとVbeの0.6Vを足した5.3Vにしておきます。 そのときのコレクタ電流(≒エミッタ電流)の電流を測定。
小信号トランジスタでは2~6mA程度になります。 ベース電流の10uAとの比率なので読み取った電流値を100倍するとhfeになります。
電流値が2.55mAなら hfe=255 という具合で直読できます。
コレクタ電流=数mA、Vce=5V程度(※)での測定になります。
細かく書くとテスターの電流測定部の内部抵抗が10~20Ωくらいあるので測定誤差になりますが、正確なhfeを測定するのが目的ではなく確実に選別することが目的ですので、相対的な数値が見えればOKです。
分解能は使うテスターに依存します。
一昔前の4000カウントの物でも40mAレンジがあれば問題なく測定できます。
1A、10Aなど大きな電流しか測定できないテスターは数ミリアンペアの測定には向きません。
実はこの方法、針メーターのテスターでhfeアダプタを付けて測定する方法と同じです。
私が見たのは30~40年昔だったと思うのですが、sanwaでは現行モデルでもhfeアダプタを使って測定できます。
印加する電圧やベース抵抗が異なるとは思いますが測定原理は同じです。
おそらくhfe測定機能付きデジタルマルチメータでも同じ方法で測定していると思われます。
ということで、2SC2240GRをhfe選別してみました。
hfe = 310あたりの数が多かったので、そこから2ペア取ることにしました。
ちなみにHPA-7はエミッタ抵抗=1kΩと大きいためトランジスタ選別の必要はありません。完全に趣味の領域です。
※実際にトランジスタを動作させる領域に近いところで測定しているのがミソです。 例えばベース抵抗を100kΩとして電源電圧(Vce)を1V+0.6V=1.6Vでも原理的には測定できますが、実使用と異なる条件下での測定になります。
電源電圧は5Vでも6VでもOKです。 (電源電圧-0.6V)x 100kΩのベース抵抗を使えば直読可能になります。
5V-0.6V=4.4V、つまり440kΩ。220kΩを2直列すれば440kΩの抵抗が得られますね。
追記 ==============================
ミリアンペアの直流電流測定ができないテスターの場合は100Ω抵抗を1本追加することでhfe測定ができます。
mVの電圧値そのままです。 321mVならhfe=321 です。
この回路は全体の電流ループが見やすい(ブレッドボードで間違えにくい)のがメリットです。
挿入した100Ω抵抗の電圧降下による誤差を低減するなら、
・抵抗を10ΩにしてmV値を10倍で読む。(45.6mVならhfe=456)
もしくは、
・トランジスタのコレクタ端子に100Ωを挿入してその両端電圧を測定。
このあたりはご自身の所有するテスターの分解能にあわせてみてください。
JFETの選別方法はこちらをご覧ください。
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昔、秋月で買った980円くらいの安物テスターのhfe測定では
上手く測れなくてイライラしっぱなしだったので、
ぺるけさんのページにあったhfe測定アダプタを作りました。
さらに自分なりに改造(改悪?)を加えて現在に至ってますが、
最近はオーディオ用アンプがご無沙汰なので放置状態になってます。
今設計検討されているヘッドフォンアンプは
初段トランジスタの場合はある程度hfeを揃えた方が良いのでしょうか?
久しぶりにぺるけ式hfe測定アダプタが活躍できるかな?(笑)
投稿: sawanoriichi | 2026年9月19日 (土) 22時54分
sawanoriichi さん
私も格安テスタのコネクタ接触が悪くて難儀していました。 ぺるけさんのhfe測定治具はよく出来ています。活躍できますね。
HPA-7は初段の選別を行う必要はありません。 ですが、選別してhfeを合わせることでポップノイズとDCドリフトが僅かに向上します。 つまり趣味の問題です。
もしかすると終段のパラっているトランジスタのhfeを合わせる方が熱的バランスをとる効果が期待できるかもしれません。 私は合わせていませんけども。
投稿: たかじん | 2026年9月19日 (土) 23時51分
たかじんさん、 sawanoriichi さん
私もぺるけさんのページを見て、hFE測定アダプタ(簡易版)を作りました。 私の普段使いのDMM(sanwa PM33a)は、電流測定は、0.1A 単位でしかできません。 そういう方は、http://www.op316.com/tubes/mi-audio/hfe-tester.htm のように、100Ωを加えるだけで測定できます。
さきほど、2SK2881 を秋月で手配しました。 JFET のコンプリはもう手に入らなくなるかと思い、そちらも手配しました。 2SK117 はぺるけさんの配布品がまだありますが、先ほど部品箱の断捨離をしていたら 50個ほどの在庫が出てきました。 買ったのを忘れていました。
トランジスタ技術などの雑誌も、たかじんさんの記事を切り取り、残りを資源回収に出しました。 このシルバーウィークは断捨離のために時間を使おうと思っているのですが、ヤフオクに TRS-1000 が出ていて、確保してしまいました。 何をやっているのやら・・・。
投稿: n'Guin | 2026年9月20日 (日) 18時04分
n'Guin さん
sanwa PM33aを調べてみました。 クランプしないクランプメーターという、けっこう奇抜なテスターを使っているのですね。
一般的にクランプメータは分電盤(ブレーカーBOX)のような大きな電力を測定する機材ですので、mAクラスの電流測定機能がないのは仕方ない仕様と思います。
その他にも薄型、ポケット型テスターのように電流測定機能がないものも存在します。
記事中の 「普通のテスター」 という書き方は語弊があったかもしれませんね。
おっしゃる通り、抵抗1本(100Ω)を追加してその両端電圧を測ることで電流値とする方法でも全然OKです。 ぺるけさんのようにコレクタに抵抗を挿入しても、上の例のテスターを入れている部分に抵抗を挿入してもどちらでも構いません。
私も早いうちに秋月に部品を発注しようと思います。 今回のマザーボートで30mmの六角支柱を使うことにしました。 20mmの方が薄くできると思ったのですが、基板間の空間が少なく熱がこもってしまうのでしょっと広めに空間を確保するようにしました。
TRS-1000 > いま発注したら2万円近くになるかもしれません。 銅の価格が2倍とか3倍とかに跳ね上がったのですよね。
会社で使っているトランス類もコロナ前からすると3倍になっています。 購買部が数量をまとめて購入するから・・・と交渉したようですが材料価格上昇には太刀打ちできなかったようです。
断捨離 > 難しい問題ですよね。 金輪際、自作をやめるというくらいじゃないと無理かもしれません。
投稿: たかじん | 2026年9月21日 (月) 11時33分