差動回路の出力合成(4)バランス負荷2段と差動2段
2段目の入力までは全く同一で、2段目の出力部にカレントミラー回路を配置して差動合成しています。
前回、前々回と回路説明してきているので、今回の回路は改めて説明する必要はないと思います。 差動成分の合成を2段目のSEPPにて行っているのは前回の回路と同様です。
ちなみに、2段目(Q4、Q6)のエミッタ同士を接続すると差動2段回路になります。 パワーアンプVFA-01で採用した回路になります。
< VFA-01にも採用した差動2段回路 >
DC動作的には殆ど変わらないのですが、交流成分の高域で少し違いがでてきて発振しやすさに差がでてきます。 差動2段の方が発振しやすいため適切な位相補償が必要になります。ちゃんと解析はしていないけどCMRRの帯域(高域側)にも差が出てくるのだと思います。
個人的には、ヘッドホンアンプとして差動2段回路は「音が端正すぎて面白みに欠ける」ように感じていて、あえて差動1段の回路を使うようにしています。 本回路はあくまでも差動1段の延長線上と考えています。
さて、
差動2段回路はさておき、
今回のバランス負荷2段の回路をベースにしたヘッドホンアンプ基板を製作しました。 まだ最終形ではないのですが、こんな回路にしていて、なかなか面白い音がでるようになってきました。
上の説明で使用した回路からの違いは、2段目の負荷を固定抵抗にしてゲインを決めた無帰還型アンプという部分です。
エミッタ接地自己帰還型のオーバーオール無帰還アンプというこでHPA-1000の弟的な存在になりますが、終段はエミッタ抵抗レスバッファ、最大7パラプッシュプルまで増設できる基板にしていますから超えている所もあります。 結構気に入っているLow-V-amp2.0の出力段の強化版って感じです。
狙ったのはHPA-1000ヘッドホンアンプに匹敵する音を「手軽に製作できること。」です。
電源の余裕度などもあって簡単には超えられない壁もありますが、解放感などそれなりに良さは発揮できていると思います。
OSC2026 Tokyo (2/27、2/28 駒澤大学)にて展示予定です。
興味のある方は聴きにきて頂けたら嬉しいです。
トラ技、超低ひずみヘッドホンアンプ基板(ひずみ0.0001%級ヘッドフォン・アンプ TRHPA−0001A)も持っていきますので、切換えての試聴ができると思います。
超高NFBアンプと、無NFBアンプ。 同一電源で音の違いを楽しめると嬉しいですね。
参考まで
この差動合成回路が使われていた回路例は殆どないと思うのですが偶然見つけました。 マランツ PM-94というモデルのパワーアンプ部です。
Q707とQ705が2段目で、Q708とD704がカレントミラー回路です。 上下それぞれダーリントン接続にしてあり初段から電流を漏れにくくしています。 2段目はさらに2パラのカスコード回路がぶら下がっているので解読しにくいですね。 マランツのサービスマニュアルの回路図は配置が独特で解読しにくものが多いような気がします。
これまで見てきたように初段の電流を2段目に漏らさず正確な差動動作を目指しているアンプが多いです。 HPA-1000も2段目をダーリントンにした理由がまさにそれでした。
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コメント
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たかじんさん
いろいろと回路の説明をありがとうございます。
少しずつ理解できてきました。
自分で設計できるようになるとは思えないのですが、夢だけはあります。
それは、入出力バランスパワーアンプ です。
真空管式のほうは、入出力バランスパワアンプを、設計製作できているのですが・・・・。
投稿: n'Guin | 2026年2月14日 (土) 16時59分
n'Guinさん
入出力バランスアンプですか。 夢がありますね。
元サンスイの方のweb記事に大変興味深いことが多数書かれていましたが、閉鎖されてしまったようです。
HOTとCOLD2つのアンプでバランスアンプと謳っているものと、1つの差動アンプで入出力バランスアンプを実現しているものがありますが、サンスイは後者で成功した例と思っています。
サービスマニュアルを眺めているだけでも楽しいですよね。
投稿: たかじん | 2026年2月25日 (水) 22時27分