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2025年3月 6日 (木)

VFA-02 the next

ここ1カ月ほどVFA-02 差動2段 準コンプリメンタリアンプの動作検証をおこなって試聴したりもしてきたのですが、やはり気になるポイントがあります。

それは、電源電圧に対して出力電圧があまりに小さいことです。±18V電源で8Ω負荷時 ±7.5Vほどしか振幅できません。
ノンクリップパワーを計算すると、(7.5V ÷ 1.41)^2 / 8Ω = 3.54 Wです。

Osc25t_04

      < OSC Tokyoで展示したVFA-02 >

という訳で、そこを解消する新回路の発表です。

Vfa34

NEWバージョンの差動2段 準コンプリメンタリアンプです。

どこかで見たことがある回路だな。 っと思ったあなたは鋭いです。

 

 

そう、NE5532/5534の回路です。

 

 

初段はJFETですし、定電流回路や2段目の構成が若干違いますが出力段に近いところはかなり参考にしました。 位相補償もとりあえずパク・・・ オマージュしていますがシミュレーション上では発振ぎみなので実機にて検証して行こうと思います。

 

Ne5534_sch

     < NE5534(TI)の等価回路 >

こちらがNE5534の回路です。信号増幅に直接的に関与していない部分をグレーアウトしました。ピンクはグレーアウトした部分を簡略化した部分。Q1~Q13は説明用に勝手に番号を振りました。

 

 

 

シミュレーションではSiC-MOSFETのデバイスモデルを使っていないので、Vgsが5Vや6Vというデバイスでどこまで振幅できるかが勝負です。

Vfa34_vout

18V電源、8Ω負荷で±10Vくらいは振幅して欲しいところですね。 +側のクリップ(頭打ち)が早いのはVgsが高いため。-側のクリップはもっと頑張れるのですが、+側にあわせて早めにクリップするようにしています。

 

 

それと、

 

実は差動2段だけでなく、ドライバ段も増幅する(能動負荷)のでオープンループゲインはVFA-01よりもぐっと高くなります。

Vfa34_open

   < オープンループゲインは100dB超え >

3段増幅回路のうち2段目と3段目が能動負荷なためゲインが高く、仕上がりゲインを27dBとした場合に発振安定性を確保するのが厄介な可能性あり。

 

 

 

更に、

 

回路数が増えるので基板に入るか心配でした。

・・・・・・・

つい先ほど、基板に全回路が入ることを確認できたのでほっとしています。

Vfa34_3d

また、NE5543のようなトランジスタによるバイアス生成回路ではなく抵抗I/FにてVgsを作っているところはMJ誌に寄稿されていらっしゃる某先生の回路にも似ているため、稚拙なアイデアで実装した温度補償がどうなるかなど、実験してみないと分らない領域もあります。

 

 

楽しみですね。

 

ちなみに、これまでのVFA-02の音は、わりと気に入っていてSiC-MOSFETの魅力に憑りつかれつつあります。

 

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パワーアンプ」カテゴリの記事

コメント

NE5532の等価回路は複雑で読み取れないため、全く参考に出来ませんでした

さすがのたかじんさん

期待しています

たかじんさん


回路を拝見しました。

降参です。 さっぱりわかりません。 時間があったら、解説記事をお願いします。

以前の回路は、過去に見たことがあるものに定電流回路が付いた感じなので、なんとなk動作がわかりますが、今回のはどうしてこれで動作するのかわかりません。

しらかわさん

ありがとうございます。 NE5534の等価回路を記事内に追加しました。 電流リミッタなど保護回路もあるので見やすく加工しています。
参考にどうぞ。


n'Guin さん

NE5534の等価回路も一緒にみることで理解が早まるかと思いますが、ここで解説して実機が発振しまくって諦めたときに格好がつかないので、しばらくお待ちください(笑)

ざっくり書くと、差動2段+エミッタ接地回路1段 って感じの回路です。 NE5534の2段目を差動と言って良いのかは良くわかりませんが・・・

たかじんさん

ありがとうございます
加工された等価回路図はとても見やすいです
保護回路も含まれていて理解しにくくなっていたんですね
勉強になります

NE5534をディスクリートで組んでいるひとは見たことありません

とても興味深いです

しらかわさん

シグネティックス社からNE5534が発売されたのが1987年だったようで、今から38年も前。

ディスクリートでパワーアンプを組むには少し複雑な回路のためそのままの形では使いにくいのかもしれませんね。 シミュレーション上では差動2段よりにひずみ率が下がるみたいですので私も楽しみです。

既に上に出した回路からいくつか変更を加えていて、もう少しまともに温度補償ができそうな形で基板発注するつもりです。

完全対称に似たドライブなんですね。
回路図ではNCのC6が出力点までまたがっていますが
間のゲインが大きいのと加算点のインピーダンスが低いのでうまくフォワードパスとして働かないのではないかと思います。

ところでNE5534の販売開始は1975年ごろのようです。先にTDA1034という名前で発売されてからすぐにNE5534となったそうで開発がsigneticsかphilipsなのかは諸説あるようです。

ダンベルカールさん

おっしゃる通りで、終段のソース抵抗とゲート電圧生成抵抗(IV抵抗)の入れ方は完全対称と同じです。

5534は下側のトランジスタはエミッタ抵抗ではなくコレクタ抵抗としてありますが、熱暴走防止の観点からエミッタ側に抵抗を入れておいた方が効果的と思っています。

C6の接続先・・・ 確かに。TIの回路図のQ14と15Ωのエミッタ抵抗(下側)に相当するものがない状態です。


TDA1034ですか。 全く知りませんでした。 データシートを検索してみましたが等価回路が見当たらなく、よく分からないですね。

signeticsがphilipsに買収されたのは80年代だったと思うので、その前の製品とは思いますが、TDA***という型式はphilipsがよく使うものなので、philipsが設計していてもおかしくないですね。

philipsの回路図入りデータシートもありました。1976年です。
https://datasheet4u.com/datasheet/Philips/TDA1034NB-1251590
wikipediaによればphilipsによるsigneticsの買収は1975年のようです。

金田アンプ風と書きましたが、真空管SEPPでよくある形式だと後で思い出しました。
PK分割位相反転回路とブートストラップ型SEPP打ち消しドライブ回路そのままです。

私はVFA02は5534とはそれほど似ていないと思ったのですが、それはパワー段などよりもC5 C6の接続が5534とは異なっているところです。位相補償はだいぶ違うなと思いました。

ダンベルカールさん

なんとsignetics買収は75年だったのですね。 情報ありがとうございます。
回路図入りのTDA1034もありがとうございます。 確かにNE5534と同じですね。

PK分割位相反転に似ていると言えば似ていますね。

位相補正は、よくある差動2段で使われる方法のままで冒険はしておりません。(NE5534も参考にはしたけど真似しておりません) C6、C7をncにしてあるのもそのためです。

そういえば、NE5534ってフィードフォワードしているとの話だったと思いますが、フィードフォワードはその間のデバイス特性に依存するため綿密な設定が必要になりそうな気がしますね。

まあ、この回路、一発で動くとは考えておらず、パターンを切った貼ったしやすいように配線をつくりました。 ですが、想定以上に難局を迎えております(笑)

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