VFA-02 差動2段 準コンプリメンタリアンプ 回路について
準コンプリメンタリアンプについて以前、色々なアンプの実例をあげていました。
本日は、基板設計を進めているVFA-02 の回路について見ていきましょう。
準コンプリメンタリ回路は、上下デバイスを同じモノにする(非対称性な回路)のことを指します。
Nch/Pch、NPN/PNPのような対称的デバイスを上下に配置する回路とは違って、回路構成的に完全な上下対称性は望めないため色んな回路が考案されていますが、
その中でもシンプルで理解しやすい回路をVFA-02で採用しています。
上の図の緑の枠の部分は上下で定数含めて同一構成にしました。
動作の考え方としては、ドライバ段に流れる電流を470Ωの抵抗でI/V変換して終段デバイスのVgsゲート電圧を生成して終段に流す電流を制御する。という形です。
ただし上段は、ドライバ段=エミッタフォロア回路、終段=ソースフォロア回路であり、電圧増幅を行わなず低インピーダンス出力な回路動作。
下段はドライバ段=エミッタ接地回路、終段ソース接地回路であり、電圧増幅アンプかつ高インピーダンス出力な回路動作という違いがあります。
ドライバ段はエミッタ抵抗とコレクタ抵抗の比率で電圧増幅率を指定することが出来ますが終段の増幅率はデバイス依存ということになります。
ぶっちゃけて言うと「回路図上の形だけでも上下で同一」にしたというのが今回の設計趣旨(?)です。
次に重要な部分として、下側ドライバの信号反転です。
ここはシミュレーションした結果をこちらの書いていました。
エミッタ抵抗とコレクタ抵抗を同じ値にすると理想的な終段のクロスオーバー電流を実現できそうだけど、クリップする電圧が低くなって電源電圧に対して出力電圧が上げにくいので、適当な塩梅でバランスを崩していくのが現実的という、なんとも説明しにくい状態になっています。
上に書いたように、そもそも上下回路の動作モードが異なるためバランスを崩してもいいじゃないか。 というのが設計趣旨というか妥協方針です(笑)
ここまで説明して、もはやヤケクソ状態ですね。
さらに続きます。
下段のドライバのベース抵抗部分の謎。
下側ドライバ段はエミッタ接地回路であると先ほど説明しました。 じつは上側エミッタフォロア回路では起きない現象が下側エミッタ接地回路では起きます。 トランジスタを勉強すると一度は聞いたことある「キャリアーの蓄積効果」です。
これ以上振幅できない(クリップ)ところまで到達したあと、全体のフィードバックループが利いているため、ドライバ段のベース電流をもっと流そうと励振段がドカンと振幅します。
そのため、ドライバ段のベース電流が過剰にながれて信号が復帰するときに動作の遅れが生じてしまいます。
シミュレーションした下側ドライバ段のエミッタとコレクタの波形は以下のようになります。
ベース抵抗100Ωの場合。クリップしたあと過剰にベース電流を流してしまうため、コレクタ電圧が段付きになり復帰時の遅れも大きい。
赤線は-V電圧で、青線と赤線の差が終段のゲートに印加される電圧になります。段付き波形は良くないって、ざっくりしたイメージでも解りますよね。
これはベース電流を制限すれば解消できます。
ベース抵抗を3.3kΩまで高くした場合。 ベース電流が過剰にならなくなってコレクタ電圧も段付きが消え、比較的速やかに復帰していくように改善されました。
ベース抵抗を高くするとドライバ段が発振しやすくなるため、高周波領域では100Ω+Cのバイパスルートで駆動するようにします。 Cの2200pFは実物で波形を見ながら調整する予定です。
つづきはまた後日。
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