手ごろなSiC MOSFET、GaN FETを調査
デジキーなどで入手しやすいMOSFETをいくつか購入してみました。 SiC MOSFETのVgsは高めに作っている傾向があるのですが、その中でもVgsが低めなものを集めてみました。理由はアンプの電源電圧を高くしないで動作するものを探すためです。
電源電圧を変える=電源トランスを変更する という事になりますからね。
左から順に、
Si MOSFET IRFP240PBF(Vishay)・・気に入っているMOSFET
SiC MOSFET SCT2450KE(ROHM)・・製造中止品
SiC MOSFET C3R350MT12D(GeneSiC)
GaNFET GAN111-650WSB(Nexperia)
です。
それぞれ半導体テスタで見てみましょう。
■IRFP240PBF(Vishay Siliconix)
Vt=3.58V
Cg=2872pF
Rds=0.3Ω
と表示されています。 とりあえず、これが通常のMOSFETということにして比較していきましょう。
■SCT2450KE(ROHM)
Vt=4.19V
Cg=703pF
なぜかIGBTとして認識されています。 何度繰り返しても一緒でした。このSiC MOSFETは秋月で安く売っていましたが今は製造中止で販売されていません。
■C3R350MT12D(GeneSiC)
Vt=3.22V
Cg=421pF
Rds=10.3Ω
このSiC MOSFETはデジキーで探して最もVgs(Vt)が低そうなものでした。 今回標準にしたIRFP240よりも低く、期待大です。
スイッチング動作で使う訳ではありませんから、Rds(ON抵抗)の高さは気にしなくても良いと考えています。
■GAN111-650WSB(Nexperia)
Vt=4.58V
Cg=373pF
Rds=2.2Ω
今回の中で唯一のGaNFETです。 GaNと言ってもSi MOSFETとカスケード接続されていて、純粋なGaNではありません。 どうも純粋なGaNはノーマリーON特性(デプレッション型)となっていて使いにくいのでカスケード接続にしてあるようです。
昔のV-FETみたいに逆バイアス回路でアンプを作るという手もあるとは思いますが、実験中、事故りそうな気配を感じるのでパワーデバイスのデプレッション型は手を出したくないですよね。その点、カスケード型のGaNFETは使いやすいと思います。
足の配置が他のMOSFETと違うため注意が必要です。とはいえ、D-Sを入れ変えればよいので割と簡単に接続できると思います。
という感じで、本日はここまでです。
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コメント
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たかじんさん
SCT2450KEですが、PEEKの機械ではどうやっても対象デバイスがない、あるいはLEDだとしか出てきません。
不思議です。
投稿: 天 婦羅夫 | 2025年2月 8日 (土) 10時10分
天 婦羅夫さん
お使いの機械がDCA55の場合だと起こりえる現象だと思います。
DCA55はVgsを5V印可してもIdが2.5mA流れなかった場合は測定対象をMOSFETとして識別しません。
SCT2450KEのVgs(th)はMax.4V(Id=0.9mA)なので5V印可しても2.5mAを下回ってしまう可能性があります。
MOSFETではない場合、今度はダイオード(LED)として分析しますが、VFが1.5V~4.0Vの範囲内(IFはMax.5.5mA)であった場合にLEDとして識別します。
SCT2450KEのボディダイオードのVFはTyp.4.3V(IS=3A)なのでISを数mA流すのに必要なVFはギリギリ4V以下におさまる可能性があります。そのためVFが4Vを下回った場合にはLED、上回った場合は対象デバイスがないと出てしまうのだと思います。
投稿: Ising | 2025年2月 8日 (土) 15時09分
Isingさん、ありがとうございます。
DCA75ですが55と回路は似てるのでしょう。
メーカーとしては想定外のようです。
それと社名はPEAKでした。
投稿: 天 婦羅夫 | 2025年2月 9日 (日) 00時01分
Analog Discoveryのトランジスタ・ダイオード・テスター基板でも無理なのかな。
対象はBJTトランジスタとFET(Nch, Pch)となってるけど。
投稿: 三毛にゃんジェロ | 2025年2月 9日 (日) 13時40分
天 婦羅夫 さん
Ising さん
この手のテスターは、全自動判定しかないので誤判定は仕方ないのかもしれません。
私の持っているTC1もIGBTって判定されているし。。。
三毛にゃんジェロさん
そう言えばAnalogdiscoveryってカーブトレーサー機能がありますね。
どうやって使うのか前に調べたような気がするのですが、少し外付け回路が必要だったような気がします。
MOSFETのカーブトレースができるのでしたら見れるかもしれませんね。
投稿: たかじん | 2025年2月 9日 (日) 16時42分
天 婦羅夫さん
>DCA75ですが55と回路は似てるのでしょう。
DCA75のユーザーガイドには測定回路が測定回路の記載がありますがDCA55のそれには記載がないので何とも言えませんね・・・。
DCA75はVgsを10Vまで印加できるのでSCT2450KEでも問題なくMOSFETだと判定できそうな気もするのですが・・・。
>メーカーとしては想定外のようです。
メーカーとしてはSiC MOSFETの測定は想定していないのかもしれませんね・・・。
あとすみません。私の「SCT2450KEのボディダイオードのVFはTyp.4.3V(IS=3A)なのでISを数mA流すのに必要なVFはギリギリ4V以下におさまる可能性があります。」は間違いでVFは2V程度あれば10mA程度は流れるみたいです。
たかじんさん
>この手のテスターは、全自動判定しかないので誤判定は仕方ないのかもしれません。
>私の持っているTC1もIGBTって判定されているし。。。
そうですよね・・・。ボディダイオードのVFがSi MOSFETとして想定される範囲内に入ればMOSFETで、そこから外れるとテスター側ではD-S間のPN接合が見えないのでIGBTとして誤認してしまうとかあるのかもしれないですね・・・。
投稿: Ising | 2025年2月 9日 (日) 18時45分
Ising さん
なんだかんだ言って、便利に使っています。
マイコンひとつでこれだけのことをやっているのは驚異的とも言えますね。
よくよく見ると、MOSFETと認識していてもボディダイオードが表示される場合と表示されない場合があるみたいです。
投稿: たかじん | 2025年2月12日 (水) 21時14分
たかじんさん
Digilent社から発売されている純正のトランジスタ・テスター基板の説明にはNPNおよびPNPトランジスタとNおよびPchのFETに対応とは書いてありますが、MOS FETの記載はありませんね。
そのままで使えるのか、あるいはさらにオプション回路を自作する必要があるのか、これは公開されているトランジスタ・テスター基板の回路図を読み取れる人でないとわからないことかも。
たかじんさんのような名人には朝飯前なんでしょうけど。
投稿: 三毛にゃんジェロ | 2025年2月13日 (木) 14時21分
三毛にゃんジェロさん
ベース電圧のレンジが5Vくらいまで上げられるのでしたら一般的なMOSFETにも対応できそうな気がしますね。
ちゃんと解析していないので何とも言えませんけども。
カーブデータが無くてもさほど問題にならないのが半導体アンプで、特性カーブが欲しくなるのは、むしろ真空管の方じゃないでしょうか。
投稿: たかじん | 2025年2月14日 (金) 22時50分
こんにちは。
SIC-FETとGaN-FETの音に大変興味があります。その後、音質評価をされたのなら是非レポートをお願いします。
投稿: マイペース | 2025年4月28日 (月) 16時41分
マイペースさん
ご期待いただいてありがとうございます。 SiC-MOSFETはキレ味と繊細さを兼ね備えていて良いです。
ただ、振幅電圧を改善する新基板にて苦戦中です。
GaN-FETの方ももう少々お待ちください。
投稿: たかじん | 2025年4月29日 (火) 07時22分