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2024年8月31日 (土)

チップ測定ツール基板(続)

先日の続きで、追加テストをしてみました。

まずは、DMMで安定して測定するためにhfe端子の接触具合を改善する必要があります。

Chip_meas_10

少し太いリード線の抵抗を挿してみたところ安定して測定できるようになりました。

 

Chip_meas_12
    < RQ-770D DMMをバラしたところ >

こんなソケットなんですよ。 バネっぽい接点はなく穴の底までリード線が到達すると接点に接触するようです。一体何用のソケットなのでしょうか。。。

 

 

ともあれ、10個ほどトランジスタPMP4201Y のhfeを測定して先日のTC1とも比較してみます。

Chip_meas_npn

こちらがTC1です。 ピンアサインを考えなくてもよいのでとても手軽。

 

Chip_meas_11

同じ個体をTC1とDMM(RQ-770D)で比較してみました。

DMMではトランジスタ1側とトランジスタ2側とで接続を替える必要があります。

Pair_transistor

 

番号 TC1-1側 TC1-2側 DMM-1側 DMM-2側
304 328 261 262
284 304 270 271
304 328 271 274
304 328 263 264
303 304 273 274
328 305 258 259
284 284 269 271
304 356 278 277
304 328 259 257
10 283 283 275 274

 

PMP4201Yはペアの特性が揃っていることを謳い文句にしているペアトランジスタです。

Chip_meas_14

hFE1/hFE2 が Minで0.98 Typで1.0 という具合。Vbeの差もMax 2mVなので、基本的には トランジスタ1とトランジスタ2の両方を測る必要はなさそうなデバイスです。

 

DMMで測定した値を見るとペア特性がかなり一致しているように見えます。RQ-770Dは4万カウントという分解能が高く低価格なテスタです。(hfe測定時も4万カウントなのかは不明) フルークやHIOKIなど一流メーカーの40000~60000カウントDMMは5万円はします。

 

一方、TC1での測定結果は「284(283)グループ」「304(303、305)グループ」「328グループ」「356グループ」の4つに分けられます。

これは以前動画にUPしたときと似たような気配を感じますね。

 284グループ
 |(差 20)
 304グループ
 |(差 24)
 328グループ
 |(差 28)
 356グループ

TC1ATMEGA324PA というマイコンを使っているらしく、搭載されているADCの分解能は10bitです。いろいろ制約がありそうです。

 

 

 

トランジスタの特性バラつきは、ウエハーの全領域に完全に均一に処理することができないプロセス上で発生すると言われています。

Chip_meas_13

これはネット上から拾ってきた4インチウエハー画像です。ダイに「黒点」が付いているのは検査でNGになったものと思われます。

かなり酷い歩留まりですが、注目するところはその分布です。 中央が良品で周囲がNGという訳ではないようです。何となくC の字型で良品が多いような感じですね。

 

あくまでも推測ですが、hfeのバラつきをヒストグラムで表すとこのようになるのではないでしょうか。

Hfe_hist

hfe選別後で見ると、中央のランク(この例ではY)は一様分布っぽく、上下のランクは偏りがある感じ。

 

ここまで書いておいて何ですけども、hfeに大きく影響される回路は未熟な回路だと思います。ですが、差動回路やカレントミラーなど特定の箇所ではトランジスタのhfeを揃える(熱結合もする)ことで動作特性が向上するのも確かです。

 

 

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半導体」カテゴリの記事

コメント

>一体何用のソケットなのでしょうか。。。

昔秋月から購入したMETEX M-3850のソケットは1番印のポッチ(でっぱり)があり差し込みでの咥えもあり、明らかに8pinキャンタイプIC用ソケットの流用のようでした。その名残か金型の流用?
METEX M-3850は現役で使ってます。

onajinnさん

ありがとうございます。私もそのテスター持っています。
マニュアルレンジは意外と使いやすくてアンプの初回電源投入なんかで活躍しています。

CANタイプICソケットとして、この接触具合で大丈夫か心配になりますね。

たかじん さん

どうもです。

>CANタイプICソケットとして、この接触具合で大丈夫か心配になりますね。

これも又昔秋葉で購入したICソケット現物があるので確認しました。
ピン受け部分は金メッキで構造もしっかりしたもので別物ですね。
テスターに使われているのはそれ用の模倣品だったんでしょう。

onajinn さん

なんと。 そうですよね。 このソケットでICを挿して実用に耐える気がしません。

前に測定結果を上げさせて頂いたHN3A51Fに対し、AnalogDiscoveryによりhFEを測定してみました。「トランジスター・ダイオードテスター」を使いました(無くてもできそうです)。
Ib-Ic特性を取り、Ic=5mA, Vce=5Vに近いデータを取りました。(順番は先と異なります。)
No 1-2-6 3-4-5
1 373.78 378.44
2 498.11 501.78
3 380.67 379.67
4 500.89 502.62
5 500.68 500.58
6 377.47 377.80
2グループ存在しているのは、DCA75によるものでなく、実際にそうなっているようです。
最近のバイポーラ・トランジスタは、hFEが高いものはhFEのばらつきが大きいですが、それほど高くない場合は、あまりバラつかないようです。

フルデジタルさん

Analogディスカバリのカーブトレーサ機能ですか。 便利ですね。
東芝のトランジスタは、2000年代以降、バラつきが少ないってのは本当かもしれませんね。

2SC1815の最終LOTあたりローノイズ品は、hfeがぴたりと揃っていたと噂になっていました。

今回、DMMで測定したPMP4201Yも、270前後に集まっていてバラつきは少なく感じます。 そしてTC1の測定結果は微妙です・・・

お世話になります。
Low-V-Amp基板を購入し、部品を揃えているところなのですが、オフセットを低減するためにトランジスタのhFEを揃えるのはどの部分が効果的なのでしょうか(眼が悪いので、チップ部品を付けたり外したりは最小限にしたい)。
例えばQ1とQ2、Q5とQ6、Q9とQ10とか。出力段はパラになっているのでばらつきの影響は小さい?
なお、ぺるけさん設計のhFEチェッカーを製作済みで、この基板と組み合わせる予定です。よろしくお願いします。

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