ALX-03 renewal アレキサンダー型電流帰還アンプ
2016年頒布開始以来、なぜかずっと売れ続けているパワーアンプ基板がALX-03 アレキサンダー型電流帰還アンプです。 差動2段のVFA-01、上下対称差動のSMR-01と比べてダントツで売れています。
先日、在庫が無くなったのでリピート生産の見積もり(国内業者さん)をしたところ、思っていたよりも価格が高くなっていたためKiCADにて再設計することにしました。
ざっくり部品配置が終わったところです。
基板サイズはいつも通りで、幅80mm(79mm)、長さ96mmです。
Rev 1 から Rev 2では 1回路オペアンプをソケット変換なしで使えるように変更しました。
Rev 3 リニューアルに際し
・ドライバ段をTO-220からTTA004B/TTC004BのTO-126へ
・電源端子をターミナルブロックからVHコネクタへ
の変更を予定しています。
三毛にゃんジェロさんから、スルーホールの穴径を1.0mmへ変更できないかとのお話がありましたのでCAD上で見てみると、
上の4つは標準の 穴φ0.8-パッドφ1.6
中央の4つは 穴φ0.9-パッドφ1.6
下の4つは 穴φ1.0-パッドφ1.6
パッド間の配線は0.5mmで引きました。
穴径1.0mmでも製造は可能と思いますが、パッド部の銅箔は基板の製造バラつきや周囲の銅箔パターンによって仕上がりサイズが小さくなることもあります。そうなると半田付けがしにくくなってしまうというリスクもあります。(初期のHPA-12基板がロットにより小さめのことがありました)
パッドサイズはこれ以上大きくすると、2.54mmピッチで並べたときに0.5mm配線が通らなくなります。(0.3mm、0.25mmなど細くすると通せる)
この辺を考えると0.9mmあたりが良いのではないでしょうか?
その他
ご要望がありましたら対応できる限り入れようと思います
いかがでしょうか?
基板サイズは従来互換の観点から変更はしないつもりです。
タカチ HY88-XX-XX ケースのヒートシンク幅にあわせているというのもあります。
HY88-23-23SS に収まりました。
これらはSMR-01の試作機です。
なんだかんだ言って、差動アンプの基本動作を見つめなおして設計したSMR-01は個人的に気に入っているのですが、反転アンプは入力インピーダンスを高くしにくい、S/Nを高くしにくい、信号が反転してしまう等のデメリットと引き換えの上に成り立つため、スペック表で比較すると見劣りします。
一方、ALX-03はオペアンプを交換すると音の変化を感じることができたり、DCサーボの有無を簡単に体感できたり、「電流帰還」というマジックワードに胸を躍らされたりします。実際、スルレートはそれなりに高くスペック映えします。
その辺が人気の秘訣なのかもしれませんね。
という訳で、よろしくお願いいたします。
※以前使っていたCAD(国内製)はガーバー出力機能が制限され、データ出しできる製造業者が限られていました。
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もしかしてC4、C5はECHUとかのチップコンデンサが実装できるように改良しているのでしょうか?
投稿: たけぞう | 2024年4月 2日 (火) 11時37分
しようもない話ですが、半固定抵抗を多回転にすると使いやすくならないですかね?
投稿: かわて | 2024年4月 2日 (火) 12時36分
アレキサンダー基板を使うことはないでしょうが、スルーホール径0.9mmは本当にありがたい変更です。
投稿: 三毛にゃんジェロ | 2024年4月 2日 (火) 15時44分
たかじんさん
本基板とは直接関係ないかもしれませんが、
・抵抗のリードピッチの最小値はREY50など1/2W通常サイズに準拠
・電解コンデンサの3.5mmリードピッチには5.0mmピッチ用ホールも設置
・電解コンデンサの5.0mmリードピッチには7.5mmピッチ用ホールも設置
にして頂けると大いに助かるかと。
もちろん、取捨選択権はたかじんさにあります。
投稿: 三毛にゃんジェロ | 2024年4月 2日 (火) 20時42分
RTF-01も更新されてました。
なんか穴開いてますが…電解コンデンサの場所にある小穴は…?
投稿: 天 婦羅夫 | 2024年4月 3日 (水) 09時18分
たけぞうさん
よく見えましたね。おっしゃる通り、ECHUなどチップコンデンサも付けられます。
かわてさん
アイドリング電流調整のところですね。 可変抵抗の方向が見えた方が安心感があるためあえて1回転型を使っています。 固定抵抗と半固定の比率を変えると、もう少し調整しやすくなるかもしれません。
三毛にゃんジェロさん
今回は0.9mm穴で行ってみます。 NF抵抗は1/2W、1W品サイズにしました。 まあ、Rev 1の時からですけども。
電解コンのリードピッチ、挑戦してみますね。
天 婦羅夫さん
秋月に大きな容量のコンデンサが売っていたので、PRT-02 Rev2あたりから電解コンデンサのリードピッチを多重化しています。
RTF-01もちょっとだけリニューアルしていますが、スイッチサイエンス在庫がなくならないので切替はもう少し先になりそうです。
投稿: たかじん | 2024年4月 3日 (水) 23時24分
たかじんさん
>電解コンデンサのリードピッチを多重化しています。
天 婦羅夫さんが訊ねたのはランドじゃないまんなかへんの1〜2mmの穴じゃないかな?
投稿: onajinn | 2024年4月 3日 (水) 23時35分
onajinnさん、すみません。
実はそうなんです。 何もない処の小穴のことです。
ありがとうございます。
投稿: 天 婦羅夫 | 2024年4月 4日 (木) 01時32分
天 婦羅夫さん
何もないところの小穴は基板の下に設置するブリッジダイオード用の放熱穴かと思います。
投稿: 774 | 2024年4月 4日 (木) 14時08分
こんにちは。
昔作った基板の時に、結構悩んだ覚えがあります。既成の部品パターンで穴径を広げると、パッドも釣られて広くなり、間隔が、狭まってエラーになったりと、苦労させられました。禁断位なら、何とでもなるんですが(笑)当時、整然と並ぶ抵抗に憧れてたんで、長丸のデカいパッドで広めの間隔で作りましたが、今、思えば、配線は長くなるしで、パターンとしてはあまり良くなかったのではと反省しています。ただ、確実に付けると言う点と、作りやすさでは満足してます。デカい分、丈夫だろうし(笑)バランスが難しいですね。
投稿: scraphearts | 2024年4月 4日 (木) 16時47分
onajinn さん
天 婦羅夫さん
774さん
scraphearts さん
いろいろ謎を呼んでしまってすみません。 電解コンデンサの真下の穴は圧力弁のガス逃がしです。 最近は見かけなくなりましたがスナップイン電解コンデンサの防爆弁(圧力弁)が下側にある物がありました。
自作基板では、どの電解コンデンサを使用されるか分らないので、念のため穴を付けています。
PRT-01、02あたりでも穴を開けていたと思います。
投稿: たかじん | 2024年4月 4日 (木) 20時29分
>電解コンデンサの真下の穴は圧力弁のガス逃がしです。
成程!ガスだけでなくお漏らしが横に広がって側の部品に迷惑かけるのも防ぐんですね。
>PRT-01、02あたりでも穴を開けていたと思います。
PRT-01の最初のには無かったのですが、先日購入したRevⅡにあるのに気が付きませんでした。
投稿: onajinn | 2024年4月 4日 (木) 21時06分
天 婦羅夫さん
誤情報すみませんでした。。。
上のレスをよく読んでなかった上に、そもそもコンデンサの下の穴に気が付かずに早とちりしてました。申し訳ございません。。。
たかじんさん
穴の説明ありがとうございます。
穴といい保護回路といい、ユーザー側としては安全設計がされているのは大変助かります。
投稿: 774 | 2024年4月 4日 (木) 23時02分
ま。です。
たかじんさんのこの記事で「KiCAD」を知って勉強してみる事にしました!
実は先月で退職し、周りに「今までやれていなかった事をやった方がいい」などと言われ、考えてみたところ、学生の頃、好きで手貼りとエッチングで基板を作っていた事を思い出しました。
その後業務で上位の設計して基板発注などもやってはいたのですが、その頃から自分でCADを使って基板設計をしてみたいと思っていました。(実際に基板を発注してみるか?は分かりません)
少し前まで、只で使えるCADはあまりなかった印象でしたが、良い時代になったものだとつくづく思います。
投稿: ま。 | 2024年4月 5日 (金) 10時15分
774さん
いえいえ、どうぞお気になさらず。
たかじんさん
なるほど、基板下に圧を逃がすんですね。
投稿: 天婦羅夫 | 2024年4月 5日 (金) 18時30分
onajinn さん
確かに、初期のPRT-01には穴はありませんでした。 スナップインタイプのコンデンサでもなかったと思います。
電解コンデンサは液漏れも起きますね。。。
774 さん
その昔、先輩から言われて穴を開けておいたことを思い出したのです。
ま。さん
完全フリーのKiCADは衝撃的でした。 しかも完成度が高い(バージョンによるけど)のでお勧めです。
曲線や日本語を書く必要がなければVer 5系がおススメです。 Ver6系は配線ハイライトが回路図とPCBとで連動しないんですよね。
天婦羅夫さん
普通に使っていれば爆発することはあまり無いとは思いますが、一度も説明していなかったかもしれません。
投稿: たかじん | 2024年4月 5日 (金) 22時57分
初めてのPRT-01で、負電源は逆に繋ぐと思い込んだため、電解コンがプスとか言ったことはあります(汗
KiCADですが、いつのまにかバージョンが8になってました。
投稿: 天 婦羅夫 | 2024年4月 7日 (日) 11時32分
天 婦羅夫さん
負電源の接続。。。すみません。 もう少し詳しく書いておけば良かったかもしれません。
そうそう、KiCADのバージョンは、年いちで上げていく方針にしたそうですよ。 その方がバージョンアップしている感があるんでしょうね。 Linuxカーネルもそんな話をしていたような気がします。
Ver6ばバグとの闘いでいまいちでしたが、7は多少は改善したとかなんとか。 そして、年を越したので今は8ですね。 私は6で懲りたので安定の5を使い続けています。
8が安定しているのなら8に移行しても良いとは思うのですが、まだ情報が上がってきませんね。
投稿: たかじん | 2024年4月 9日 (火) 21時04分