Select Your Language

免責事項

  • 本サイトの情報の利用、内容、サービスによって、利用者にいかなる損害、被害が生じても、著者は一切の責任を負いません。ユーザーご自身の責任においてご利用いただきますようお願いいたします。

    本サイトで頒布している基板およびキットは、技術者、またはそれに準ずる電気的知識をお持ちの電子工作ファンの方のためのものです。一般のオーディオファンの方のためのものではありません。
    また、頒布基板およびキットは、いかなる条件でも動作を保証するものではございませんので、あらかじめご了承ください。

    電子工作では、火傷、感電、火災などの可能性があります。十分に注意をして作業して下さい。

    営利目的のご使用は認めておりません。 記事の転載や、基板・キットの商用利用の方は、ご連絡ください。学生やサークルの学習目的でまとめてご購入する場合は特別価格でご提供させていただきます。
無料ブログはココログ

スポンサー

« バランス入出力アンプの検証(8) | トップページ | ギターアンプを入手しました。 »

2023年12月18日 (月)

バランス入出力アンプの検証(9)

新旧基板のパターンも比較してみましょう。第1試作は「BBA-1」、第2試作は「NNBA-1」です。

まあ、名称はどうでも良いとは思いますが比較のためお付き合いください。

Bba_nnba_pcb
  < 左が第1試作BBA-1、右が第2試作のNNBA-1 >

 

まず第1試作BBA-1から。

中央にGNDを配線して対称になるように部品を配置していました。トランジスタの向きも信号の流れにそった方向にして無理のないパターンだと自負していたのですけども・・・

Nnba1_pcb
       < BBA-1の増幅部 >

HOT/COLDでCMRRが全然ちがうということで色々調査した結果、初段差動回路のコレクタから出力した配線が対称的になっていないことが原因だったことを突きとめました。 それと、DCドリフトするのもトランジスタを熱結合すれば解消することも分かりました。

 

 

ということで、初段差動周辺信号を対称になるように、なおかつ熱結合しやすくなるよう対面配置へ変更。

Bba1_pcb
      < NNBA-1の増幅部 >

中央にGNDパターンを通せなくなったので、左右(画面では上下)のGNDパターンを強化しました。トランジスタの熱結合対面配置はベースとエミッタの端子がチグハグになるのでデメリットも出てしまいます。結局どちらが良いのか・・・

BBA-1を改造してCMRRを改善したものより高域側で悪化したのはこのへんの影響かもしれません。可聴帯域で十分なCMRRが稼げたので及第点といったところでしょう。

 

周囲をGNDベタで埋めると、中央にGNDを引けなかったことよりもS/N面で良い結果がでました。でも、電源系GNDも信号系GNDも一緒にしてしまうのは音質的に良くないので、節度のあるGNDベタ貼りです。

 

実際の音を聴いての感想は、演奏の熱量というか躍動感に大きな違いはありませんが、ノイズレベルが下がったためか感度の高いヘッドホンを使ったときはNNBA-1の方がホールの響きが隅々まで届くような雰囲気があるようです。(ボリュームを下げた影響が出にくくなったのかも)

余談ですが、ヘッドホンをバランス接続すると、とにかく音量がでるので感度の高いヘッドホンでは、相当ボリュームを下げなければいけません。ここが意見の分かれるところだと思います。

 

 

 

ということで、NNBA-1を微修正したバージョンがこちら。

Nnba_pcb11

抵抗をSMD(MELF)も使えるようにして、電解コンデンサがヒートシンクに接触していたのを逃しました。パターンを大きく変化させるとまた特性が変わってしまう可能性があるので「微修正」に徹しています。

 

« バランス入出力アンプの検証(8) | トップページ | ギターアンプを入手しました。 »

バランスアンプ」カテゴリの記事

コメント

たかじんさん

GNDラインの引き回しの重要性を教えていただき、ありがとうございます。
このようにデータで示されると、わたしのようにユニバーサル基板で作っているうちは、同じように作成することが難しいことが良くわかります。 ぺるけ師匠の偉大さもわかるような気がしています。

たかじんさんに、おんぶにだっこですが、この基盤のリリースを楽しみにしています。

追伸
2SC1845, 2SA992 の確保をしないと・・・ 2SC2240, 2SA970 なら潤沢にありますが、状況が変わっちゃいますよね。 初段だけは、2SK170で決定なので、オリジナルとあまり変わらないようにしないと。

たかじんさんでさえ試行錯誤の連続なのだから、我々一般人がユニバーサル基板で組む回路なんて、その回路の本領を発揮できていないんだろうといつも思ってます。

n'Guin さん


GNDによるノイズレベルの影響、差動バランス信号引き回しの相違によるCMRRの影響と、トランジスタの熱結合によるDCドリフトの影響。これらのバランスをとりながら電源供給ラインもきれいに。
と、これ以上ないと思うパターンを引いているつもりなのですが、うまくいかないこともあります。 

C2240/A970でも問題ないと思いますよ。 
といいますか、ディスコンになっていなければ私もC2240/A970を使っていたと思います。 2SK170は良いですね。 ノイズも小さいですし増幅率もトランジスタ並みに高いので、自己帰還も多くかかります。


三毛にゃんジェロ さん

ユニバーサル基板の良いところは、空中も含めて多重に信号を通せるところです。
両面基板だと2層までですから。
Low-V-ampでは両面基板で信号を通せずジャンプワイヤーで飛ばしましたけどね(笑)

たかじんさん

> C2240 / A970 でも問題ないと思いますよ。
それはありがたいです。 チャレンジしてみようと思います。
GRランクと BLランクの使い分けはありますか? どちらも手元にあります。

> ユニバーサル基板の良いところは、空中も含めて多重に信号を通せるところです。
たかじんさんに、このようにコメントされると、ユニバーサル基板でもチャレンジしてみようかという気になります。 知人のところに嫁入りした ClassAA ミニワッター はユニバーサル基板ですが、メイン装置として活躍中です。 この ClassAA ミニワッターは、スピーカーが4Ωでも出力が増えないので、まだ改良の余地があると思っています。 いずれチャレンジしたいと思ってます。

ボリュームは「MUSES72323 Balance Vol.」使用前提ですか?
私、MUSES72323の2chの方の基盤を購入させて頂いて、
老眼&技量不足のせいで制作するのに失敗したので、
できればミニデテント4連ボリュームにしたいんですが・・・

n'Guin さん

C2240/A970のランクはどちらでも良いと思いますが、ペアにするトランジスタのhfe選別を行った方がCMRRが向上することはわかっています。

今回のようなパターン引き回しで特性が変わるような場合はユニバーサル基板の方が修正できるので有利かもしれませんね。 また抵抗のリード線ぐらいの配線であれば、銅箔パターン2mm以上の断面積があり、大きな電流を流せるというメリットもあります。


DSK さん

あらら。 半田付け難しいですからね。 もちろん4連ボリュームであれば何でもOKです。
このアンプにはアンバランス->バランス変換機能もあるため、2連ボリューム(アンバランス)で入れてもバランス出力で出せます。

バランス出力のDACを使うのでしたら4連が必要になってきますが、近年のDACのデジタルボリュームは-20dBくらいまでならさほど劣化を感じない高性能なものが多いと思います。
ですので、実用領域で-20dBまでのデジタルボリュームで程よい音量になるように固定抵抗によるATTで減衰させるという手もあります。

たかじんさん

hFE選別を行うほうがよいとのご示唆を、ありがとうございます。
手元には、hFE選別を行う機材がありません。
ぺるけさんの記事がありますが、これの簡易版でよいでしょうか?
http://www.op316.com/tubes/mi-audio/hfe-tester.htm

また、この基板の電源は、BlueWind DC-Arrow でよろしいでしょうか。

たかじんさん

n'Guinさんの質問に乗っかります。hFE選別はDMM付属の機能で大丈夫と考えていますが、他に条件はありますか?
既にBlueWind DC-Arrowが適当と考えて部品を集めています。スイッチサイエンスの在庫が小生の購入で切れてしまいました。ほかにPRT-01なども在庫ないです。気が早くてスミマセン。

n'Guin さん

hfe選別はぺるけさんの簡易版で十分です。 正確な値の計測が目的ではなく、きっちりしたペアが取れればOKです。

電源はBlueWind DC-Arrow で実験しております。 ±12Vなら何でもOKと思います。 終段へヒートシンクを付けたので±15Vでも熱的にOKと思います。


onajinn さん

DMMのhfe機能で問題ないと思います。 私もDMMで選別しました。
スイッチサイエンス在庫、すみません。 近日中に送ろうと思います。 ただ、年末年始に入ってしまうため、送付できない可能性もありますので少しお待ちください。

NNBA-01の方は量産の発注をかけています。 1月初旬には納品されると思います。

たかじんさん

さっそくのご返事ありがとうございます。
DMM の選別で問題ないとのことで、私もそっちにしてしまいそうです。
簡易版をつくるの面倒・・・とかいっていると、ぺるけ師匠に叱られそうです。

近況報告;
このお正月休みは、本業関係の執筆活動に専念ですが、息抜きに、EL34/KT88/中華EL156 全段差動アンプの仕上げをします。 すでに無帰還で動作しています。 

n'Guin さん

DMMの色々ですけどね。 ちゃんとhfeの違いがみられるならOKです。 前に半導体テスターといわれるモノを使ったときは大多数が同じhfeを示したので、使い物になりませんでした。

https://www.youtube.com/watch?v=2SwJFMpFDm4&t=2s

本業の執筆ですか。 書籍を出されていらっしゃるのでしょうか。 息抜きがEL34/KT88全段差動アンプって・・・ すごいです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« バランス入出力アンプの検証(8) | トップページ | ギターアンプを入手しました。 »

サイト内検索(new)

2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31