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2023年5月21日 (日)

ボリュームとスイッチの内部クリーニング

ちょっと時間があったので、しばらく放置していた古い機材の接点クリーニングをやってみました。

古いアンプなどのオーディオ機器はボリュームにガリがでたり、スイッチの切り替え時に音が途切れ気味になったりしますよね。

20年以上まえに、オシロスコープのセレクタが不調になったときスプレー式の接点復活剤をレバーの隙間からドバーっと吹きかけたら、状況がさらに悪化したという苦い経験をしました。そんな訳であまり気が進まなかったのですが今回は分解して丁寧に作業してみます。

 

Setten_00

今回のはこんなボリュームとプッシュスイッチです。

タミヤ接点グリスはラジコンのスピードコントロール(巻線抵抗ボリュームと同類の構造)やスイッチなどの酸化を防ぐ目的で塗布する、いわゆる「接点グリス」です。昨年、千石電商で購入しました。

 

まずはスイッチを分解。 対象物があまりに小さいので写真を撮るのが難しいです。

Setten_01

実際の見た目はもっと汚く黒っぽい状態になっていました。 

磨くのに使ったのはサンハヤトの基板用レジスト希釈液 H-10P

Setten_02

実は、最初にタミヤ接点グリスを付けて磨いてみたものの、全然落ちませんでした。結構強力な酸化膜ができてしまっている様子です。

 

このレジスト希釈液(今はフラックス除去液と呼んでいる)H-10Pの成分はよくわかりませんが、一応プリント基板用なので銅箔と基板材料(紙フェノールやガラエポ材料)にはダメージを与えないものだと思います。本来は感光基板の感光レジスト除去やハンダフラックスを落とすために使用する液剤です。強力な溶剤が入っていて、拭き取とったティッシュが真っ黒になるほど汚れを溶かし出しました。

 

Setten_03

うまく写真に収められていませんが端子部がピカピカになりました。写真は接点グリスを塗って馴染ませたところです。このあと元通りに組み上げて完成です。

 

 

 

 

次はボリューム。

固定している4つの爪を精密ドライバで少し持ち上げてからラジオペンチで起こしました。 昔、この手の爪を折ってしまったことがあるので慎重に作業します。人って失敗すると慎重になりますよね(笑)

Setten_04

さすがにレジスト希釈液を付けるとカーボン抵抗体にダメージを与えそうなので、接点グリスを綿棒に先につけて軽くゴシゴシと擦って表面を磨きました。摺動子(ブラシ)の方もグリスを塗って軽く擦り汚れを落としました。 写真を撮り忘れてしまいましたが、綿棒の先はけっこう黒く汚れがつきましたのでそれなりに汚れは落ちたと思います。

こういう部分は無水エタノールや100%IPAなどの添加物なしのアルコール類の方が適していると思います。仕上げに使う接点グリスで代用しただけです。接点復活剤もこういう場所で使うんでしょうね。 外部からブシューっと吹きかける使い方は間違いです。

 

 

2回ほど塗って擦ってを繰り返して、最後の仕上げも接点グリスを薄く伸ばしておきます。

Setten_05

この可変抵抗は分解したとき乾いた状態に見えました。今回は抵抗体の表面の酸化を防ぐ目的でグリスを塗っています。ホコリっぽい環境ではこんなにたくさんグリスを残した状態にしない方が良いかもしれません。

 

ロータリースイッチでグリスがたっぷり塗ってあるのを見たことはありますが、可変抵抗の場合はどうなんでしょうかね。ちなみにグリス自体は導通しない絶縁体ですので抵抗値が変化したり、隣と導通したりという悪さはしないハズです。

 

 

2連ボリュームの反対側は軸が外せなかったので隙間からグリスを塗って、拭き取ってを2回繰り返して清掃しました。ボリューム7個全ての処置に小一時間。

というわけで、最後に基板へと戻して動作チェック。

ボリュームのガリも切り替えスイッチの途切れも完全に解消してすっきりしました。音もメリハリがはっきりしてアタックが良い感じに変化しました。

Setten_06

とりあえず完成ということで。 よかったよかった。

 

 

今回は接点グリスとレジスト希釈剤で磨きましたが、接点ブライトという専用の磨き剤(酸化膜剥離剤)もあるようです。

   

専用の方が安心感がありますね。皆様の参考になればと思います。

 

 

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オーディオ機器メンテナンス」カテゴリの記事

コメント

たかじんさん

こちらのブログでは極めて珍しい何気に荒業な話題ですね。(笑)
大昔、ケーシングがスカスカの機械接点やVRでは良くやりましたが、
最近は密閉構造品が多くてなかなか無いですね。

接点復活剤は却って悪化する、と言うのは良く聞きました。
金属酸化膜だけならなんとかなるのかもしれないですが、
埃が付着してたりすると良くないのかも?

接点グリスはほんとに薄くつけるのが肝だと思っていて、
埃を呼び込んでしまうと元も子もなくなりそうに感じています。

先日、DENONのPMA-390(無印)ジャンクを入手したので中を調べたら
ガラス管ヒューズが焼き切れていたので交換したら復活しちゃいました。
音も低音が豊かな往年のDENONらしい音だったのでレストアしようか、
などと酔狂にも考え始めていて、
機械接点のお掃除をしようかと思案し始めているところでした。
タミヤのグリスは想定していなかったのですが、手頃で良さげですね。

可変抵抗ではありませんが、オーディオタイマーのロータリースイッチを分解して清掃したことはあります。綿棒に無水エタノールを染み込ませて金属パーツをゴシゴシしましたが、ピカピカに綺麗になる一方で綿棒は真っ黒になりました。

タミヤのモリブデングリスはCDプレーヤーのメカ部メンテナンスに使ってます。

SU-A70のスイッチもメンテナンスしないと・・・。

sawanoriichi さん

グリスは薄く塗るのが基本ですね。 切換スイッチではたっぷり塗ってあることが時々あるので邪魔になることはないと思うのですが、今回のボリュームは隙間があるタイプですのでちょっと考え物かもしれません。
ちなみにボリュームの回転はとても軽くスムーズになりました。

PMA-390は、もはや名機のひとつですね。 あの時点で価格破壊が起きていたと思います。


三毛にゃんジェロさん

そうそう、綿棒が汚くなる=部品は綺麗になっている証拠ですよね。 エタノールは、もともとついていたグリスの脱脂も含めて洗浄効果は高そうです。
モリブデングリスも金属部分には良さそうです。 軸受けがプラスチックでしたら樹脂を侵さないシリコーングリス系でしょうか。

たかじんさん

タミヤのモリブデングリスはプラスチックに影響はないというので使ってます。タミヤは模型メーカーですから、プラスチックに影響を及ぼすケミカル品は出さないでしょうし。

サンハヤトの基板用レジスト希釈液(剥離液?)の代替品は、何かありますか。

最後の写真の下側に写っているのはスプリングリバーブでしょうか?

三毛にゃんジェロさん

確かに。タミヤですからね。忘れていました。


AYOR さん

文章が分かりにくくてすみません。 接点ブライトです。
レジスト希釈液よりも適切なケミカル用品と思います。


satake さん

おっしゃる通りです。 長さ15cmくらいの小型のものですが、いい味を出してくれます。

こんにちは。

レジスト希釈液でも結構落ちるんですね。うちは、アルコールで洗浄して、ケイグの接点オイルで仕上げる作業をしてました。頑固な皮膜は、コンパウンドで磨いて、接点オイルで仕上げとましたが、結果、端子の皮膜を落としてしまい、持たない感じになるので、寿命と考えてました。このてのケミカルが延命に繋がるのか、今度試してみますね。

接点復活剤を調べて見たんですが、仕切りに、シリコンフリーをうたってたので、何かと思ったら、シリコンのガスが、リレーのスパークでシリコン酸化膜になって悪さをするとのレポートがあったので、シリコン系は避けた方が良さげです。


モリブデングリースは、本来、金属どうしの摩擦の軽減に極圧材として添加してた物なので、大抵の物は、ブラスチックを犯すと考えて良いです。ただ、殆どの場合、グリースに含まれるベースオイルが悪さをすると思います。タミヤのグリースは、この辺を考慮して配合してあると考えますが、樹脂のギヤーに、どれ程の極圧性能を求めるか疑問です。モリブデンの粒子も、かなり細かいのかな?


接点グリースですが、昔、開発者に聞いた事が有るのですが、接点の、摩擦保護と、通電時のスパーク抑制が目的と言ってました。タミヤの配合に洗浄効果を持たせいるのかは不明ですが、知ってる接点グリースは、カーボンがたっぷり入ってました。高圧のスイッチの接点なんかに使ったらしいです。後、昔の高級ボリュームなんかには、軸に、高粘度の専用グリースを封入して、ヌルッっていう感覚を出したらしいです。カセットの蓋のギヤと同じですね。昔の機器は、細かい所までもこだわってましたね。

scrapheartsさん

モリブデングリスはネジのかじりや電食対策にも使われるようですね。特に高熱対策などさらなる効果を求める場合には銅配合グリスを使うとか。

自転車のステムボルトを鉄からチタンに替えようかと色々と調べてたら、64チタンネジには銅配合グリスが必要だとか。
βチタンの転造ネジ製造メーカーは同社製ステムボルトは高精度でかじりは起きないからグリスは必要ないとも。


三毛にゃんジェロさん

>特に高熱対策などさらなる効果を求める場合には銅配合グリスを使うとか。

カッパーグリース、おまじない程度と考えて下さい。確かに、車の下回りや、マフラー周辺は高温にさらされ、環境の影響を受けやすいので、メンテナンス時に外しやすくはなるんですが、錆びて固着する運命には抗えません。錆を遅らせるには、外気に触れないよう、油なり、塗料なりでコーティングすれば良いのですが、下回りの目に付かない箇所何かは油も直ぐに揮発や流されて仕舞いますしね。錆びる前提でクリアランスを設計したり、高トルクで変形させて維持させたりと、工業製品のノウハウの最たる物だと思います。

>自転車のステムボルトを鉄からチタンに替えようかと色々と調べてたら、

ステムがどの部分か、わからないので何とも言えませんが、ボルトの素材の特性や、加工精度、表面処理何かで、折れたり緩んだりとトラブルの元になるかもなので、気をつけて下さい。自転車の荷重位なら問題は起きにくいかもですが。硬い=粘りがない=もろい、と言えなくはないでしょうし。

scrapheartsさん

ステムとは、自転車のフレームとハンドルを連結する肝心要のパーツで、スポーツ系自転車にはアヘッドステムと呼ばれる形状のステムが使われます。
このステムにはハンドル固定用にM5径4本、フレームに固定用にM5径2本(+M6径1本)の六角穴付きボルトが使われています。ステム自体にタップが切ってあるので、ボルトが直接ステムと締結される構造になってます。
なので、複数のステムボルトが同時に破断すると前輪の制御が失われるだけでなく、腕で上半身の体重を支えている土台が失われてしまうので、転倒による怪我だけで済むならともかく即生命の危機に直結しかねない重要箇所です。

ステムは大抵の場合アルミ合金が使われているのですが、ボルトは鉄製がデフォルトです。総合的な物性とコストのバランスから使われていると思うのですが、鉄であるが故に錆び易く美観上の問題だけでなく錆による固着とかが心配になります。こまめにメンテナンスすればいいのですが、なかなかそういう訳にもいかず、錆びにくく強度的にも問題のない素材のボルトを探すというのが自転車乗りお決まりの行動です。そして、多くの人が目を着けるのが64チタンやβチタンということです。そして、チタンとアルミの接触による電食を防止するために銅入りグリスを使用するのが一般的になっているという背景です。

64チタンとされるボルトの価格はM5x20mmで300〜900円/本程度であり、βチタンのほぼ同サイズは2000円/本程度です。64チタンとされるボルトが本当に64チタンなのか不明な部分もあり、価格とブランドで判断するしかないというのが実態です。
鉄は錆びやすい代わりに粘りが強くて破断しにくいという特性があるんでしょうけど・・・。

あ、上の投稿は三毛にゃんジェロです。名前の入力を忘れてしまいました。😹

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