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2023年4月24日 (月)

パラメトリックイコライザー試作基板

突然ですがパラメトリックイコライザーの試作基板を動かしてみました。

というのも、今度の日曜日(4/30)浅草にて開催されるイベント「ポタオーディオ蚤の市」にてミニスピーカーを鳴らそうと思ったのです。

でも低音がうす過ぎてイコライザーを作るしかない。と思い立ったからです。

Stereo_sp04 

Stereo2016年8月号 メタルコーンスピーカー M800

 

 

基板はこんな感じです。 

操作ボリュームは、「ゲイン」「周波数」「Q」が3セットあります。

Para_eq01

ボリュームつまみを買い忘れていたので、このまま操作します。

 

 Para_eq02

AnalogDiscoveryにて周波数特性を測ってみました。 想定通りの動き。

Qは富士山のように立っている線でほぼ最大です。もう少しQを高くしても良いかもしれませんね。広くする方はもう少し広げられます。

 

Para_eq03

ステレオ分用意するとつまみ多くて操作しにくいです。 けど、ま、いいか。これらのつまみは頻繁に操作しないので基板としてコンパクトな方がいいです。

 

実際に音を聞きながら操作してみるとQを最大にすることは殆どなく、むしろ裾野が広い緩やかな方がスピーカー補正には無理がないように感じました。あくまでも耳で聞いた感覚で調整したときの話です。マイクで測定しながらキッチリ補正するなら鋭い山での補正が必要になるかもしれません。

 

これでミニスピーカーでの低域不足はばっちり対策できました。

LOW,MID,HIGHの3バンドですがMIDを100Hzまで移動できるため、例えばLOWを60Hz、MIDを100Hz という「ふたコブ山」低域補正もできます。

 

 

 

回路説明

このパラメトリックイコライザーの回路構成は、グラフィックイコライザーの回路形式に近く、信号が通過するOPAMPは2個のみです。

グラフィックイコライザーの詳細は「An audio circuit collection, Part 3」というTI社の資料をご覧ください。

ナショセミのOPAMPのデータシート(例えばLME49720など)にも10バンドグラフィックイコライザーの回路例が載っていたりします。

 

Para_eq04

R2,C2,Rs,Lの部分をバンド数分並列に接続していくとグラフィックイコライザーになります。実際にはVinの前に入力バッファを配置するので、信号が通過するOPAMPは2個になります。

C2,Rs,LがBPFを構成する部品です。周波数が低いとLのサイズが大きくなるため一般にはLを使わずOPAMP回路で作るシミュレーテッド・インダクタという回路が使われます。

このひと塊(C2,Rs,L,可変抵抗R2)が5並列で5バンドグライコ、31並列なら31バンドグライコという具合。いくら並列にしても信号が通過するOPAMPの数は変わらず2個のみです。

 

Para_eq05b

BPFを周波数可変 かつ Q可変にしたのが今回のパラメトリックイコライザー基板です。

decade以上という広い可変周波数とQも可変なBPFです。アナログ式のシンセサイザーで有名なmoogのパラメトリックイコライザー回路を参考にしています。

 

オーディオ製品でのパラメトリックイコライザーはテクニクスのSH-9010Eなどがありますね。

あの回路も調べたのですが、フェーダー(ゲイン)はセンタータップが必要(入手しにくい)で、回路がもっと複雑だったりしています。

 

可能な限りシンプル化して作りやすくできたかな。と思います。

この基板の入出力OPAMP(U1)を実装しない基板を追加すると、6バンド、9バンドと増やせます。回路図を見ての通り、周波数範囲が違う3バンドのうち定数が違うのはC5,C6などのコンデンサだけなので、3バンド全てを低域に変更するなども簡単です。

 

 

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コメント

チョット基板欲しくなりました。実はお気楽さんの“FESP5142-Do(PEQ) DIGITAL PARAMETRIC EQUALIZER”も作って持っているのですが、回路と操作がアナログで手軽に使えそうなのがいいですね。かなり昔にアクティブバンドパスフィルターを使用した10素子グラフィックEQを計画し部品集めだけで頓挫していました。低音部の増加以外にも高域の気になるピーク(クセ)を抑えるとかに良さそうです。小生のサブシステムには格好のアクセサリーかな?

あれ、信号が通過する部分のオペアンプは2個で済むと本文にはありながらも、写真の基板上には4個のオペアンプ。🙀
このカラクリを教えて下さいませ。

三毛にゃんジェロさん

横から失礼いたします。
回路図をご覧になるとわかると思いますが、1chあたり6個のオペアンプ(2個入り×3)が使用されております。
直接信号が通過するのが前後の2個で、あとはたぶん可変トラップフィルター用です。信号を扱ってはいますが。
因みに小生が昔計画(雑誌記事の丸写し)したのはトラップ型のフィルターではなく中間に通過型のバンドパスフィルターが10個パラになっていまして大げさでした。


前投稿の訂正

誤:1chあたり6個のオペアンプ(2個入り×3)
正:1chあたり8個のオペアンプ(2個入り×4)

申し訳ありません。

onajinn さん

お気楽さんのデジタルイコライザーですね。 アナログ化する前に処理できるならその方がいいですね。
この回路はアナログなので、ソースはLPでもラジオでもCDでもハイレゾでもDSDでも関係なく機能しますが、アバウトなところもあります。


三毛にゃんジェロさん

ちょっと書き方が良くありませんでした。 信号が通過するOPAMPと、LをシミュレーションしているOPAMPとがあります。
BPF部はonajinn さんが書いてくださっている通り、信号をGNDへと落とす役目なので、OUTPUTに出てきません(それを通過していないというかは捉え方次第です)

Figure 4 の図が分かりやすいですね。 C,R,Lの先がGNDになっています。

たかじんさん

あ、なるほど。
1バンド当たり2個のオペアンプが必要だという意味だったんですね。

三毛にゃんジェロさん

色んな解釈がありますね。
一時期、CDプレーヤのLPFに採用されたGICフィルターは信号が抵抗しか通らないという宣伝が一般的でした。
これも、GNDに対して信号を捨てるトラップ式でOPAMPを4chくらい使用しています。またLPFのOUTはインピーダンスが高めになるので出力バッファも必須です。

それでも「信号は抵抗しか通らない」シンプルさを売りにしていました。
OUTPUT側から見ると宣伝文句が正しいとも言えますし、いやいやOPAMP沢山使ってるじゃん、とも言えますね。

31バンドグライコがもし信号を直列に通す回路だったら流石に厳しい音になると思うけど、OPAMP 2個しか通過しないこの回路は案外平気なのです。

たかじんさん

何年か前にBehringerの安くてコンパクトなステレオグラフィックイコライザー(6ないし7バンド)を見つけて、何かの折に使うかもしれないと購入候補に入れてたんですが、購入する前に終息。🙀
近所にあったジャンク屋さんでVictorの1980年前後と思しきグラフィックイコライザーを見かけたこともありましたが、これは流石にデカくて邪魔だと入手することはありませんでした。😹

LME49720やLME49860のデータシートには実用的な応用例が載っているてので、参考になりますよね。😻

三毛にゃんジェロさん

ベリンガーは安くて良さそうな機器を色々作っていますよね。
グライコというと、ミニコンポにはよく搭載されていたので「ピュアオーディオ」とは違った路線の製品という雰囲気があります。
でも80年代だと真面目に作っていた製品が多いかと思います。

そうそうデータシートの応用回路例は参考になりますよね。

たかじん様
(ピュア)オーディオ製品にも、グライコならともかく???パライコ製品があるのは知りませんでした(汗)

ちなみに、既にご存知かとは思いますが、音楽のレコーディングやミキシング、マスタリング用のパライコは位相特性やなんやらで、いまでも、カーンヒル社等のmHクラスの接点位置でインダクタンス値が変わるコイルと、コンデンサ・抵抗等を駆使して設計・製造される、所謂パッシブEQが一般的には好まれたりしています。

まぁ、パッシブといっても、確り真空管やディスクリート素子は使っているのですけれどね(汗)

それと、EQの特性や、使いやすさは置いておいて、それらの音は結局、EQ部より、ゲイン調整段・出力段に入るライン(プリ)アンプ部の音で支配的にきまるので、やはりそういった面でも(ピュア)オーディオ等で蓄えた、アンプ作成の知識、経験、知恵がある方が良い製品が作れるので、いつも色々と参考にさせて頂いております!
m(UU)m

長々と長文乱文な蛇足にて、大変失礼いたしました。
m(UU)m

松居純也さん

80年代後半か90年代初頭から、ピュアオーディオではトーンやイコライザをかけることが邪道だ、とい言わんばかりにプリメインアンプなどにトーン回路のバイパススイッチが搭載されたように思います。

うろ覚えですけども、当時のオーディオ誌にもトーン回路をバイパスすると音が向上するような文章が載ることがあったように思います。

ミキシングやマスタリングでEQやコンプ・リミッタ、リバーブなどかけるのは普通ですよね。
アナログ・パッシブ系のEQもかけているのですか。 デジタルに取り込む前に調整できた方が良いんでしょうね。 NEVEのマイクプリも音づくりの一環なんでしょうか。

たかじん様
お返事ありがとうございますm(UU)m

>ミキシングやマスタリングでEQやコンプ・リミッタ、リバーブなどかけるのは普通ですよね。
>アナログ・パッシブ系のEQもかけているのですか。

そうですね^^
ミックス、マスタリングでは普通にEQ等、使いますね(笑)

また、近年はもっぱらDTM・DAW環境&、プラグインEQ(ソフトウェアEQ=デジタルEQ)が主流になっている状況もあり、その中では、位相(特性)雑音を意識した製品が当たり前となっていますが、
デジタルでしか出せない音と、アナログでしか出せない音はやはり存在する為、EQやコンプ・リミッタやプリ・ヘッドアンプについてはアナログ・パッシブ系統の実機がやはり愛用されているのも事実ですね。
(ただ、これについても最近の実機のエミュレーションモデリング技術の発達で、かなり実機の音に近いプラグインが多いのも事実ですが…汗)

一言でまとめてしまえば、流石!ご察しの通り、NEVE等も含め、それぞれの機材を通す事による積極的な、音作りの一環という事になります。^^

因みに、
>トーン回路をバイパスすると音が向上するような文章が載ることがあったように思います。

こちらについては、推測ですが、レコーディング、ミキシング、マスタリングの場合はトーン回路(EQ)やその他、コンプ、サチュレータ等を通して音を変える事で積極的に音作りするのに対し、ピュアオーディオの場合、たかじん様も重々ご承知の通り、EQや、トーン回路が入ればその分、半導体自身の雑音や抵抗等の熱雑音、OPアンプ回路などであれば位相等々などで、どうしても音が変化するでしょうからその音を変える、もとい、音が変わる事があまり好まれなかった!?、という事ではないかと私は考えています。
m(UU)m

またそういった意味では、レコーディング・ミックス・マスタースタジオのパッシブモニタースピーカーを駆動するパワーアンプに関しては、EQやトーン回路は一切入っていませんしね^^
(但し厳密には、スタジオといっても規模も大きさも異なる為、アクティブモニタースピーカーについては、スタジオと併せた音場調節用のEQは入っていたりします。)


上記、長文・駄文になりすみません(汗)
m(UU)m

松居純也さん

近年はDAWのプラグインも64bit化されているようですね。32bitでも十分かと思っていましたが、余裕がある方が加工には強そうなイメージです。

そうそう、パワードスピーカーの殆ど、何かしら回路側で調整していますよね。そこが強みと思います。メカニカル(構造)で無理してフラット化するより電気回路でやってしまった方が簡単だし、余計な事しないで済むメリットがありますよね。

どこかのメーカーで「原音再生」なんてうたい文句が広告で出されるようになってから、オーディオ機器側では何も加工しないのが良いという風潮になったと思います。それ以前はトーンコントロールのバンド数が多い方が高機能で高級品という時代もあったような気がします。マッキンのプリは比較的新しいモデルでも5バンドのトーンコントロールがついていますね。

>どこかのメーカーで「原音再生」なんてうたい文句が広告で出されるようになってから、オーディオ機器側では何も加工しないのが良いという風潮になったと思います。
 ↑
なるほど、興味深いですね。
色々、時代によってその時々のオーディオの流れというか、メーカーの戦略などもあるのでしょうか?!ね。^^

それ以前はトーンコントロールのバンド数が多い方が高機能で高級品という時代もあったような気がします。マッキンのプリは比較的新しいモデルでも5バンドのトーンコントロールがついていますね。
 ↑
音楽の楽しみ方、もといオーディオの楽しみ方も自由ですし、人それぞれでしょうから、トーンコントロールで好きな音を楽しむのも全然良いと私はおもっているので、私は多様な製品があって良いと思います^^

余談ですが、最近はもう、DAWについては、内部処理は実質完全に64bit floatになっていますね。
プラグインは比較的、昔からある定番の製品もあるので、色々混在はしている感じですが(汗)

何はともあれ、いつもお返事ありがとうございます^^

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