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2023年3月25日 (土)

バランス入出力アンプの検証

先日チラ見せしていましたこちらの基板の検証をしています。

Bba01_20230325220201

バランスといえば4.4mmジャックですね。これは楽天市場で2個で1100円くらいで売っていたものです。正直、ジャック1個に2500円というのは何か間違っていると思う。

 

さて、

アンプの回路構成は先日載せたとおり、バランスIN、バランスOUTの回路でゲインは10dB程度としています。

 

  周波数特性  

AnalogDiscoveryを接続して周波数特性をみてみました。フィードバックがないので位相補償が無くても発振しません。なので全開(フィルタコンデンサなし)で測定したところ、fcカットオフ周波数(3dB落ち)は1.3MHzでした。明らかに伸びすぎですね。DACのポストフィルタとして使うときはfc=100kHzくらいにしようかと思っています。

Bba06

出力レベルをch1、ch2ポートで個別に見ています。差動成分としてはその2倍(+6dB)のゲインになります。HOTのみに1V入れても3Vの出力がHOT側にもCOLD側にも出てきます。つまりアンバランス-バランス変換としても動作します。

 

 

 CMRR(コモンモード除去比) 

HOT、COLDともに同相の1Vの信号を入力して出力にどれだけ漏れ出てくるかを見てみました。 コモンモードノイズの除去能力になります。

完全バランスというのがどこを指すのか不明確ではありますがこのバランスアンプは「差動成分を増幅し」「同相成分をキャンセルする」ように動作します。

Bba04

 < 1Vの同相信号を入れて出力に漏れる信号を観測 >

周波数は100Hzから500kHzまでスポット的に見てみました。グラフ化すると以下の様になります。(当初のグラフは計算が間違ってました)底打ちしている部分は-62dBくらいの漏れです。さすがに500kHzにもなると35dB程度しか除去できていませんが、とりあえず可聴帯域はフラットなのがわかります。想定通りでよかった。シミュレーションでは-115dBと出てましたが信号の飛び込みなどあるのでそこまでは行かない。

Bba09

初段のトランジスタのhfeを揃えるともう少し高くなるかもしれません。今回は無選別です。AnalogDiscovery自身の飛び込みの影響やWG1,WG2の出力誤差も多少あるかもしれません。別の手段で測定する方法を考えてみます。

Bba08

そうそう、オシロ画像にノイズが多く見えているのはこんな感じでバラ線による接続なので外来ノイズを拾っているみたいです。アンプ動作がおかしい訳ではないので気にしないでください。

Bba03

 

 

  DCドリフト  

最後にDCドリフトです。こちらも薄く見えているのはノイズですが無視してください。入力端子OPENだったので蛍光灯などの外来ノイズを拾ってます。

Bba02

20分間ほどの画像です。最初の5分くらいで落ち着いているのがわかります。

電源ONから10分後くらいでDC値を調整したつもりですが、最終的にはHOTもCOLDも-10mVくらいまでドリフトしています。でもHOTとCOLDが同じように動いているため差動成分としては3mVくらいに収まっているようです。

よく見ると、アンプ電源OFF時(最初の30秒間くらいのところ)に(ch1)-13.5mV(ch2)-12mV程度のオフセットが見えているのでAnalogDiscoveryのオシロ自体のオフセット電圧のようです。30分後のオフセット電圧をテスターで見るとHOT、COLDともに2mV以下でした。

 

 

  ポップノイズ  

電源のON/OFFでミュートをかけずにヘッドホンにバランス接続していますがポップノイズも少なめです。「ボソっ」と小さく聞こえるだけです。音楽をかけながら電源をOFFすると、すっと音が消えていくソフトミュート的な消え方をします。ミュート回路なしのヘッドホンアンプとしても良いかも。

面白い発見でした。 あくまでもバランス接続したヘッドホンでHOT-COLD間のポップノイズの話です。

 

 

 

 オフセット調整が難しい 

当初の1回転型の半固定では1mV以下へのオフセット調整が難しいです。バックラッシュで5mVくらい戻る。どうやら多回転型は必須のようです。

Bba07

 < オフセット調整が難しかったので裏面に多回転ボリュームを >

問題点も判ったので実験した甲斐がありました。まあ、DACのポストアンプでは固定抵抗無調整で良いでしょう。+0.3Vくらいのオフセットが出るようですが出力前にカップリングコンデンサでDCを切ればOKです。

 

でもヘッドホンアンプとして使うならカップリングコンデンサなしでダイレクトドライブが理想です。

思っていた以上にヘッドホンアンプとしても良い感じで聞き入ってしまいます。これもエミッタ抵抗レスアンプの魅力でしょうか。

 

 

続きはこちら。

 

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コメント

ワクワクしますね~。推奨される電源(回路等)も是非発表して欲しいです。
BlueSnowDACの電源部を応用すればいいのかな?

onajinn さん

ありがとうございます。 電源は、そうですね。ちゃんと測っていませんがフィードバックの無い回路なのでPSRRが良くないと思われます。
ですので、リップルの少ない電源が必須になってくるかと思います。

BlueSnowDACの電源部で行けるかどうか。。。 アンプ基板にTR型リップルフィルタを搭載しておいが方が使いやすいような気がしてきました。
この実験基板には載せていませんがHPA-1000やSMR-01には載せています。

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