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2022年12月31日 (土)

MUSES05とMUSES03のスペック比較

先日購入して半田付けに苦労したMUSES05ですが、半田マニアさんのご指摘のとおりデータシートの特性はMUSES03と殆ど一緒に見えます。 12/19に突然秋月電子から販売開始され、おそらく同じ頃にデータシートも公開になったと思われます。

本日は、そのデータシートの比較と、OPAMP TESTER(Analog Discovery)による実測比較をしてみました。

Muses05data1

では早速見ていきましょう。

 

特徴

MUSES03

Muses03feature

 

MUSES05

Muses05feature

どちらも同じように初段と出力段のチップを別々のプロセスで製造して一つのパッケージに収めているようです。無酸素銅リード採用も一緒ですね。

無酸素銅リードはMUSES01以降、2チップ構成はMUSES03以降の特徴です。これらは他社ではやってない差別化ポイントと思います。

 

 

 

データシート比較

主要スペック

Muses0305spec

数値的にはゲイン以外に殆ど違いはないように見えます。ゲインが高いということは初段、2段目の増幅率が高いことを意味しています。フィードバックを掛けたときにオフセットやドリフトが小さくなったり歪が小さくなったりする効果が期待できます。

あと気になったのはスルーレートです。これは初段の動作電流、もしくは内部位相補償容量に違いがある可能性があります。

 

 

各種カーブデータ

入力バイアス電流 vs 温度

Muses0305spec2

40℃時:8pA
60℃時:34pA 
80℃時:210pA 
100℃時:2000pA

で、ほぼ相違なし。JFET入力らしい低バイアス電流ですね。JFET入力はカップリングコンデンサを使わないDCアンプが簡単に組めるので音質的にも有利です。

 

 

 

電圧利得 vs 周波数

Muses0305spec3

測定しなおしていないんじゃないかな?

Muses05_20

測定条件のRs=20、RF=200k というのは恐らく上図のR1,R2に相当すると思います。 R3の負荷抵抗はテキトウです。 書いてないので無負荷かもしれません。ちなみにオープンループゲインが80dBなのではなく、増幅率を80dBにして計測しているグラフです。

 

 

THD+N vs 出力電圧

Muses0305spec4

僅かにMUSES05の方が低い傾向があるように見えます。ただし測定条件が異なるので要注意です。

BPF:400Hz~20kHzとか400Hz~22kHzって、通常THD+N測定では入れません。(D級アンプで20kHzLPFを入れるくらい。)そのようなフィルタを入れるとTHDの数値が低く計測されるのでフェアじゃないです。ナショセミ(TIに吸収)がやっていたようなGain100倍で測定して歪率を1/100で掲載するという手法もどうかと思いますけども。。。

また、R1,R2,R3やRF,RS,RT,RLなどの記号は、通常、測定条件の回路が示されるのですがMUSESシリーズのデーターシートには未記載です。

Muses05_21

MUSES05の測定条件を推測すると、こんな感じだと思います。(OPAMP名は無視してください)

 

 

 

GBW実測比較

OPAMP TESTERでMUSES03とMUSES05のGBWを実測してみました。

Muses0305gbw

GBW(斜め傾斜部)が完全に一致していることがわかりますので内部位相補償などは同一と思われます。

10kHz時に62dBなので、10^(62/20)=1259倍 から、

10kHz x 1259倍= 12.6MHz  となりデータシートの12MHzと一致しています。

 

90dB以上の領域はAnalogDiscoveryの分解能の限界が近くノイジーです。サンプル数が2個づつなので何ともいえませんが、低域のゲインが若干MUSES05の方が高めにでる傾向があるみたいです。

この測定回路は、1kΩの負荷抵抗が付いているため、出力インピーダンスの高いOPAMPではオープンループゲインが低く測定されます。それでもなお高いゲインで観測されるときはドライブ能力のある出力段と捉えることができます。

 

 

 

まとめ

MUSES03とMUSES05は、構成や特徴は似ているけどやっぱり別モノであることがわかりました。

音の傾向も違っているので、それなりの機材(と耳)を持っている方であれば一聴して差が分かると思います。

 

MUSES03

ソースをあまり選ばず一貫して気持ち良い高域の響きを提供してくれる。癖になる独特の心地よさです。有名どころだとOPA627と似たような音の印象があると思います。

 

MUSES05

MUSES03のような高域の輝かしさを抑え気味にしてソースに含まれる音を丁寧に表現する。またベース音のメリハリやアタック感もちゃんと出てくるので録音の良いソースであれば好ましい傾向を示すようです。中高域は自己主張が少なく自然な音という印象です。

 

あくまでも私個人の感想でした。

 

 

 

以下が今回の試聴楽曲です。(実際はYoutubeではなくCD音源、Amazon Musicを使用)

Fourplayの「Bali Run」

 

Taylor Swiftの「Wildest Dreams」

 

 結束バンドの「星座になれたら」

 

どれも低音ギークな私の選曲なのでベースラインが豊かなものになっています。ご了承ください。

 

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

たかじんさん

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
音の印象はたかじんさんのおっしゃる通りですね。私はMUSES05の方が好みです。
Blue Snow DACにオペアンプをいろいろ付け替えて試していたところ、MUSES03とMUSES05はBlue Snow DACの出力にケーブルも何も接続しない時、出力が1.2Vppを超えると200MHzあたりで発振します。50cmほどの短いXLR-RCAケーブルを指すだけで最大出力でも発振が止まります。この状態の波形は安定しています。
このまま使用して問題ないでしょうか。

たかじんさん、皆さん、明けましておめでとうございます。

MUSES05のデータシートの完成度は低いですよね。
MUSES05の一般販売時期に合わせて、作りかけのものを仕方なく公開したような印象です。追々、ちゃんとしたデータシートが公開されるのではないでしょうか。

半田マニアさん

200MHzの発振ですか。 OPAMPの増幅帯域を超えている領域ですので、トランジスタ側かと思います。 負荷をぶら下げると止まるというのでしたら、負荷がOPENにならないようにするというのもありと思います。

よくあるゾベルフィルタ的な感じで1MHz以上の負荷がOPENにならないよう4700pFと33Ωを直列にしたものを出力にぶら下げておくとどうでしょう。


三毛にゃんジェロさん

確かに、データシートはまだ(仮)という感じがしますよね。 MUSESシリーズ全般にいえますが内部の等価回路も掲載されていないですし、測定条件も応用回路なども載っていません。
MUSES01も更新されないので、おそらくこのままなのではないでしょうか。

たかじんさん

本日注文していた33Ωと4700pFが到着し、早速出力TrのエミッタとGND間に入れたところ発振は止まりました。ありがとうございました。音への影響も無さそうです。
ちなみに発振周波数は39MHzの間違いでした。考えてみれば2SA1020・2SC2655のfTが100MHzなので200MHzで発振しないですね。
ところでなぜMUSES03とMUSES05の時だけ発振するのでしょう?他の所有する全てのオペアンプで発振しないです。03と05のみは秋月の変換基板を使っていることが関係するでしょうか。

半田マニアさん

おおぉ、発振がとまって良かったです。

MUSES03と05の2チップ構成という特殊なOPAMPの構造に依存するのか、なんとも分かりません。 JFET入力ですので、入力インピーダンスが高いという所も影響しているのかもしれませんね。 (MUSES01は発振しなかったけど)

変換基板の影響もあるかもしれません。 回路の経路が伸びてしまうのは確かですし。

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