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2022年8月21日 (日)

AnalogDiscovery OPAMP TESTER基板の使い方のコツ

Analog Discovery 用のオペアンプテスト基板について、これまでに

OPAMP TESTER アナログディスカバリ用基板

オペアンプ 実測データから求めるGB積

と2つ記事を書きましたが、実際に使用するにあたって測定するコツがありますので紹介いたします。

Opamp_tester_a

 < オープンループゲイン測定してGBWを求めた図 >

 

 

 

まず最初に、±5V電源を供給しておきます。

Opamp_tester_10

 

以下は純正アプリであるWaveFormsの画面の全体像です。

Welcomeメニューか ら「Network Analyzer」機能を使って測定します。

Opamp_tester_11

 < NJM5532のOpenとClosedを計測した結果の図 >

ここで丸を付けたところを順に説明すると、

 

1.測定する周波数帯域を指定する

  ここでは10Hzから10MHzまで指定しています。

 

2.最適な測定信号レベルを設定する

  こちらの記事に書いたようにWaveGene1(以降WG1)とScope1、Scope2(以降SC1、SC2)を表示してクリップしないレベルに設定します。測定時のゲインが40dBと高いためWG1出力は結構小さいです。上記の例では30mV程度。オフセットも微調整しておきます。

※ 挿したOPAMPの種類や個体差によってオフセットに差がでるため、毎回、Scopeで確認するのが吉です。

Opamp_tester_17

 

 

3.「Relative to Ref」の選択

  オープンループ測定:Enable
  クローズドループ測定:Disable

 

4.リファレンスをChannel-2にする

  3.の相対的リファレンスのチャンネル指定です。OPAMP TESTERの配線はch-2を基準にしたときにオープンループが測定できるようにしています。PhaseWaveFormsの作り込み上、SC1とSC2の相対表示にしか対応していないため正しく測定できせん。なのでch指定は必須だけどPhase表示はOFFにしておくと邪魔にならずに済みます。

 

3と4の指定は、NetworkAnalyzer画面の右上の方の図に小さく略図がでます。

Opamp_tester_12

DUT(測定対象)に対して、W1(WG1)1+(SC1)2+(SC2)の接続位置が変わっているのが分かると思います。

 

 

 

オープンループが測定できる原理

オペアンプのNFBループを閉じたまま、なぜオープンループのゲインが測定できるのか不思議に思う人も多いかもしれません。

以下は回路の略図です。

Opamp_tester_13

オペアンプは反転増幅回路になっていて、クローズドループゲインは40dBに設定してあります。

ここまで増幅率が高いとC1の10pFは無くても発振しないと思うので10pFは付けなくてOKです。

 

 

Opamp_tester_14

SC1は40dBのゲインで増幅したオペアンプの出力を見ているためWG1に対して大きくなった信号が捉えられるのは理解しやすいですね。

SC2は、イマジナリ・ショートのため信号はゼロと思われがちです。ですが、本当は極く僅かに振幅があります。

 

その極く僅かというのがどのくらいのレベルなのかと言うと、出力をNFB量分だけ減衰したものなのです。

つまり、その極く僅かな信号レベルと出力レベルが分かればオープンループゲインが求められるという原理です。

計算式は、

OpenLoopGain = V(SC1)/V(SC2)

です。意外と単純ですね。

 

 

ちなみに、こちらでも書きましたが、Analogdiscoveryの14bitADCの分解能の限界で90dB以上のオープンループ測定は難しいです。SC1はクリップ直前の大振幅で、SC2はイマジナリ・ショートの超小さい信号と、レベル差が大きくAnalogDiscovery内でのクロストークも影響します。

※ 測定するときのクローズドループゲインを下げるとSC1信号は小さくなりますが、NFB量が増えるためSC2の信号はもっと小さくなるハズで、結果、相対的なレベル差は縮まりません。

 

 

今回、測定方法の参考にした

https://www.youtube.com/watch?v=2ar9b0b85IA
キーサイトの測定器では、SC2側の電圧計が1mV以下の微小信号も正確にとらえることができるために、100dBを超えるオープンループゲインも測定可能なんだと思われます。

 

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

たかじんさん。

WaveFormsの設定方法、ありがとうございました。
こちらの記事を参考に、たかじんさんが測定されているオペアンプと同じオペアンプが手持ちであれば、理解を深めることと、ユニバーサル基板自作品でも再現できるかを目的に、同じものを測定してみました。
https://mobile.twitter.com/mildturkey8/status/1562128797918384128

MUSES01のGB積は計算すると3.6MHzでデータシートに近い値でした。NJM2114DDは79MHzでデータシートの13MHzの約6倍とかなり高く、測定できているか不明ですが、2ポール位相補償は捉えてるようなので相対比較はできているという認識です。

以前メルカリで購入したエレキットの真空管ハイブリットヘッドホンアンプに付いていたOPA627が本物か疑わしかったのですが、別の記事に記載のOPA627のカーブとNJM2114DDのカーブが600KHz付近で交差するところは、たかじんさんの測定を再現しているので本物という確証を得ました。
これも大きい成果です!
100MHz以下のカーブが波打ち、これはユニバーサル基板が一因かもしれませんが、ノイズ等の影響で微小信号のNFB分の安定した測定ができていないと考えています。
基板の裏側全面をポテトチップスのラミ袋で覆うと、特に5KHz以下の大きな凹凸が少なくなりました。

極微小の信号を測定しようとすると、ノイズ対策含め基板設計は重要でユニバーサル基板では難しくなるのですね。

たーきーさん

ユニバーサル基板で製作、いい感じですね。
OPA627が本物っぽいようで、その点も良かったです。

オープンループゲインが90dBくらいの部分はAnalogdiscoveryのADCの分解能の限界かと思われます。ただ、70dBくらいの領域はシールドでノイズが落ちた分、きれいに測れるかもしれませんね。

それにしてもNJM2114DDのGBWの高さは何なのでしょう。 データシートのスペックを低く書きすぎなような気がします。

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