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2022年7月17日 (日)

実験用にお手軽な±電源(トラッキング電源)の作り方

アンプ基板などの検証で±電源が必要なとき、みなさんはどういった電源をご使用でしょうか?

自信がない基板の実験一発目は、特に慎重に電源を投入する必要がありますね。会社などではテクシオ(ケンウッド)の±トラッキング可能な電源を使うことが多いかと思います。

Power01

どこの会社にいっても鎮座しているケンウッドのトラッキング電源。 めっちゃ使いやすい。

 

ただ、個人で買おうとすると価格が高いので躊躇しますよね。

私も購入できていません。意外と重いし、使っていないとき邪魔になるし。。。

ということで、Amazonで格安のDC電源を買おうと思ったのですが±トラッキングできる安価な電源は見当たりません。

※トラッキング機能とは、二つの電源を連動させて出力電圧・電流を可変できる機能です。+電源と-電源を同時に上げたり下げたりできます。

 

 

 

 

ではどうするか、というのが本日のお題です。

 

 

 

 

トラッキング電源自体を自作するという手もあるけれど、そこに労力を使うよりアンプ基板の方に注力したいので、安価な可変スイッチング電源を持ってきます。

Power02

例えば、こんなやつ。(単電源のD級アンプ設計時に購入していました。)

0Vから48Vまで可変できるDC電源です。ボリュームツマミがあって簡単に電圧を可変できるのと簡易的な電圧計までついていて便利です。 実際には52Vくらいまで出ます。約5千円。10Aもいらないけど。

 

 

さて、これにレールスプリッタを組み合わせれば、±24V電源の完成です。

Power03

「お手軽」というのは、このレールスプリッタの回路にあります。正確にセンターを追従するのはなく、トランジスタのVbe分のズレを許容することで回路の単純化をはかっています。

±3.3V電源で0.6Vのズレはさすがに許容できませんが、パワーアンプのように±15~20V電源で0.6Vくらいズレてもほぼ問題ないというところでお手軽さを実現しています。

 

Power05

      < 基板の裏側 >

 

Power04

   < 簡易的なレールスプリッタ回路 >

 

部品はたったこれだけ。 ±電源の消費電流の誤差により仮想GNDの電位が0.6Vだけシフトしますが、それ以上はトランジスタが踏ん張ってくれます。C級動作のSEPP回路です。エミッタ抵抗が無いのもミソです。

抵抗は1W品が必要です。あと、消費電流の±の差は200mA程度が限度です。使用しているトランジスタ2SC5100/2SA1908は8A品ですがヒートシンクを付けていないため、消費電流の±バランスが崩れているとトランジスタが発熱するからです。

NPN/PNPどちらかのトランジスタが熱くなっている=±バランスが崩れているという証拠です。普通のアンプでは消費電流の±の差は殆どないように設計されていると思います。なのでこのレールスプリッターのトランジスタも殆ど発熱しません。

 

この電源を使えば、0Vから徐々に電圧を上げていって回路に異常がないか確認することができます。信号が正しく増幅できるか。発振していなか。というところまでは確認できます。 部品代合わせて6千円未満。

簡易レールスプリッタの仮想GND(0V)が負荷電流によって±0.6Vほど動くため、パワーアンプに負荷をかけたり試聴したりというところまではおすすめできません。

 

 

※ 最初はテスタを付けて±電源電圧を監視しながら使ってください。出力電流も監視できるとなお良いのですが、そこまでは作り込んでいません。

 

 

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コメント

テスト用正負電源は欲しい時ありますね。
私も同じトランジスタ持ってますね、なぜかな(笑)
入力側と出力側にコンデンサ入れたくなるのは人情ですが、いかがでしょう。

たかじんさん

お手軽なのはとてもよいのですが、私が使うと、たっぷり放熱器をつけても、あっという間に 2SC5100/2SA1908 を破壊してしまいそうで怖いです。

ヤフオクをみると、ある程度の動作確認品がありますが、安心しては使えない?

そうなると、これも自作する? 簡単に考えつくのは、三端子レギュレータを使って、固定電圧で使用するあたりですかね。

天 婦羅夫さん

そうですね。 コンデンサ入れても良いと思います。トランジスタはTO-3Pくらいのものであれば何でも良いですね。 このペアはフルモールドなので何か接触したときにも安心できます。パワーアンプの最終段としても十分使える実力があるトランジスタのハズです。以前、ALX-03に使ってみたら、全然ダメダメな音で私の力不足を感じる結果に。


n'Guin さん

中古品が安く手に入るならその方が安心感があると思います。過電流に陥る前にCCモードで電流リミッタが効くため不具合時の災難から救ってもらえるハズです。

トラッキング動作できる正負電源で、24Vまで出せるモデルって意外と少くて、現在のテクシオのモデルだと、PW24-1.5AQだけです。PW18-1.8AQ、PW18-1.3ATSも±18Vまで使えます。

記事中のレールスプリッタ式でトランジスタが熱くなるのは電流バランスが崩れたときなので、通常のアンプ(無負荷)だと何かおかしいときです。 0Vから徐々に電圧を上げていって、トランジスタが温まるようだったら速やかに電源をOFFにして原因を調査すると良いです。CCモードが無い可変DC電源を使う場合と同じです。

たかじんさん

TEXIO GwINSTEK GPS-2303 (30V, 3A ×2) の動作確認済み品を、ヤフオクで購入しました。 スイッチング電源ではないので、ノイズも少ないようです。 2万円弱だったので、よい買い物だったと思います。

いろいろ忙しくて、最近電気工作どころではないので、まだまだ先になりますが、ClassAA ヘッドホンアンプ(ミニアンプ) の作成時には役立ちそうです。

追伸: ClassAAヘッドホンアンプに使いたい、MUSES01 が品切れで手に入りません。

n'Guinさん

インステックの電源ですね。トラッキングも可能なので良さそうです。 2万円弱ならお買い得と思います。
そうそう、この手の電源は大抵スイッチングではなく可変レギュレータで構成されているので、ノイズは小さめです。その代わり、重くてデカいのです。

MUSES 02は先日、秋月のwebサイトに在庫ありになっていました。 そろそろ入って欲しいですね。

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