耳を塞がない 完全ワイヤレスイヤホン「Oladance」
耳を塞がない完全ワイヤレスイヤホン Oladanceウェアラブルステレオ のレビューです。
現在、makuakeでクラウドファンディング中の製品で「オーラダンス」と読みます。詳しくはこちら。
既にクラウドファンディングに成功しているので人気なのが分かります。
まずレビューの機会を頂いたことについて感謝いたします。 その上で、良いところ、もう一息なところを正直に書こうと思います。
こういった耳を塞がないイヤホンはソニーの「LinkBuds」や、ビクターの「HA-NP35T」という製品があります。Oladanceはビクターに近いデザインと思います。これらはノイズキャンセルイヤホンとは真逆の性格で、周囲の音を低減させるのではなく周囲の音をそのまま聞きながら音楽を聴くという、スピーカーによるリスニングに近い環境の製品と言えます。
骨伝導タイプ、肩乗せタイプと違って普通にHifiな音が聴けるのが特徴です。私は普段、騒音の多い仕事場でソニーの「WF-1000XM4」を使用しています。その辺の違いも含めて検証してみました。
静かな環境では普通に音楽を聴けますが、周囲がうるさければ音量を上げないと騒音にかき消されます。なので、電車やバスの中、交通量の多い道路の周辺などには向きません。
標準ケースとバッテリーケース
さっそく「Oladanceウェアラブルステレオ」の特徴をみていきましょう。
標準ケースは薄っぺらく軽いのでカバンやポケットに入れても邪魔になりません。
なんと標準ケースはバッテリーを搭載していません。
後ろ側にUSB-C端子があり、ケースに戻したイヤホンを充電できます。実はOladanceはバッテリーが異常に持つのでチマチマとチャージしなおすという必要性を感じません。
ざっくり2時間音楽を聴いて10%くらいしか減らないんです。WF-1000XM4なら残バッテリー半分になっていると思います。
一応、オプションでバッテリー内蔵ケースというのもあります。
こちらのケースは厚さがあり重さも少しずっしり感しています。個人的には無くても良いんじゃないかって思います。
スペック的には充電ケースを使うと94.4時間も再生できるんだそうです。イヤホン本体で16時間再生。これで十分ですよね。
装着感
私はメガネをしているので、耳に掛けるOladanceはメガネのツルと干渉するかと思ったのですが、案外うまくよけていてOladanceを付けたままメガネの付け外しが問題なく出来ます。
しかも、階段を歩いたり、立ったり座ったりを繰り返してもイヤホンが落ちそうな感じの不安を感じません。
WF-1000XM4だと、首を傾げるだけで耳の穴へのハマリ具合が緩くなり、都度イヤホンを耳にグイグイっと押し込んであげる必要があります。それと比較するとOladanceはストレスを感じません。
ただ、マスク&メガネ&イヤホンと3つも耳に掛けると、30分くらいで耳の上側がつらくなってきます。
メガネ&マスク、もしくは メガネ&イヤホン と2つまでですね。私の耳の限界は。
絶妙な音づくり
本体を耳側から見るとこんな感じです。音を鳴らすドライバは直径16.5mmあるそうです。
その大型ドライバの効果か、意外と低音がでていて音楽を楽しむ音づくりがされています。
厳密には、耳の穴に密着するカナルタイプのような50Hzとか30Hzなどの極低音までは聴こえません。ただ、100~150Hzくらいの音域をブーストするイコライジング(構造的か電気的か不明)がされていてエレキベースやバスドラの音にメリハリがあってベース音が明瞭に聴こえます。
極低音が出ない分、高音域側もうまく処理されていて、とてもバランスよく普通に音楽が楽しめます。ピュアオーディオとは違うけど音楽を楽しく聴ける音作りは昔流行ったBose101スピーカーのようです。
特にボーカル領域は滑らかで聴きやすい印象で、耳を塞がない圧迫感の少なさも手伝って2時間や3時間付けていても全然疲れません。個人的な話、WF-1000XM4だと音を鳴らしていなくても(NCで騒音を低減させるだけ)2時間くらいで耳が疲れてしまいます。Oladanceは耳への負担が少ないんですよね。
あと、すごいなって思ったのはステレオ感。セパレーションが良いのは物理的に左右分離しているので当然と言えば当然ですが、左右の位相が揃っているというのか、音の芯のしっかり感とそのあと広がる残響感がいいのです。左右のイヤホンがぞれぞれスマホに直接接続するタイプとのことで、片側が中継する従来方式との違いがあるのかもしれません。
この歌を聴くと裏声(?)が妙に生々しく、ピアノ、バイオリン、チェロとの分離表現も素晴らしいです。ぞわぞわっと鳥肌が立ちます。
接続はSBCとAAC
Android端末ではAACのON/OFFを選択可能です。 OFFにするとSBC接続です。特にハイレゾでも何でもない44.1kHz/16bitの音源を鳴らしていてもAAC接続にすると高域がスッキリと伸びやかになるのを体感できます。
ここはAAC一択だと思います。
また、マルチペアリングに対応しています。ただしマルチポイント接続ではありません。WF-1000XM4も同様で、2台の親機との同時接続はできません。接続したい親機から「接続」操作するとサクッと切り替わってくれます。
オンライン会議
一度だけTeamsオンライン会議で使用してみました。マイクで音を拾っている声も明瞭だったそうです。使っているこちら側は、やはり耳を塞がないというメリットが計り知れなく、いつものオンライン会議よりも違和感を感じず話せました。
耳が塞がっていると、自分の声の大きさが良くわからなくなるじゃないですか。そういう違和感が全くないのです。普通に話せる。ここは他の耳を塞がないイヤホンにも共通するメリットだと思います。
耳を塞がないイヤホンが流行りつつある理由のひとつが「オンライン会議用途」なのかもしれません。
専用アプリもある
わたしはインストールしていないのですが、専用アプリを入れるとイコライザーやファームウェアアップデートなどを行えるようです。
気になる方は「oladance レビュー」で検索してください。 何人ものブロガーさんへサンプル供給してレビュー記事を書いてもらっています。
気になる点
・残留ノイズ
WF-1000XM4のよくあるレビュー記事でも残留ノイズ(ホワイトノイズ)に関して書いているものは見当たらないのですが、私が感じるくらいの「サー」というノイズはあります。
Oladanceはその2~3倍くらいホワイトノイズが出ています。どこまで気にするか個人差があるかと思います。音楽を聴くと殆ど気になりません。静かな部屋では曲間で「サー」と言っているのが分かります。SBC接続よりAAC接続の方が大きいようです。再生ボリュームに関係ない一定音量の残留ノイズです。
・音の遅延
低遅延なaptX LLに対応していないので仕方ありません。WF-1000XM4も含めてゲームではやっぱり遅延が気になりました。ゲームするなら有線ヘッドホンですよね。
・タッチ操作の音量調整
イヤホン本体をなぞるようにすると音量のUP/DOWN操作が出来ます。とても便利な機能ですが1段階のステップが大きいのです。もう少し細かく調整したいところです。
まとめ
バッテリーの持続が半端ない。レビュー検証時に0%になるところまで使いきれませんでした。バッテリーを内蔵しない薄型で軽い標準ケースで不満に思う人は少ないと思います。
開放型ヘッドホンよりもずっと開放感が高いため、公園を散歩している最中に小鳥のさえずりを聞きながら音楽鑑賞できるのは妙に楽しかったっです。しかもキレの良いベース音と聴きやすいボーカル領域の絶妙な音づくりはPOPSやロックにぴったりです。
電車やバスなどでは使えないと思った方がよいです。場所を選ぶ機種ですが、それは他の耳を塞がないイヤホンも同様です。
とにかく耳が疲れないので「一日中BGMを良い音で聴いていたい」「オンライン会議などで一日中イヤホン待機する」って人には良い選択だと思います。
リンク
小寺信良の週刊 Electric Zooma! ダミーヘッドによる聞き比べもあります。
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