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2022年6月 5日 (日)

新アンプの位相補償検討+クリップ対策

これまで、特に発振などしていなかったので、あまり気にしていませんでしたが念のためアナログディスカバリで周波数応答を取ってみました。

Volume基板をPGA2311からMuses72323に載せ替えています。

Smr_muses01_20220609213201

Volume基板が大きくてアンプのDCオフセット調整が隠れてしまいました。安定して動作していることが分っているので、とりあえずは放っておきます。

 

Smr_03

   < 実験を開始したアンプの回路図 >

この回路図でいうとC3の位相補償コンデンサの容量を検討してみます。

というのも、3pFとか5pFってなかなか売っていないからです。できればセラミックではなくフィルム系のコンデンサを使いたい。

 

 

Smr_1pf_20220609212701

まずは1pF  ギリギリ発振していませんが、かなり危ないピークがありますね。これはダメです。秋月電子で1pFのマイカコンデンサが売っているのでどうかなと思ったんですけどね。

 

 

Smr_3pf_20220609212701

3pF 1.5MHzあたりに僅かにこぶのような特性がありますが大丈夫です。その他のピークは一切ありません。

 

 

Smr_5pf_20220609212801

5pF 素晴らしい特性です。この辺の容量がベストっぽいですね。

 

 

Smr_10pf_20220609212801

10pF これはいただけません。 10MHz近辺にピークがあります。

 

という訳で、このアンプの場合の位相補償容量は3-5pFあたりが良いことが分りました。おそらく6pFでも7pFでも大丈夫だと思われますが、10pFまでは増やさない方が良いでしょう。

アナログディスカバリのネットワークアナライザ機能は素晴らしいですね。このように実機で周波数応答を簡単にみることができるのはアンプビルダーにとって開発効率を上げ、安心感をます力もあると思います。

以前は10MHzが上限だったと思うのですが、最新版のソフトでは25MHzまで見れるようになりました。オーディオアンプの高域限界特性を見るのにぴったりです。

 

 

 

 

次にクリップ時の波形を見てみます。

 

このアンプは±19Vくらい電源電圧が印加されていますが、だいたい15Vあたりで信号がクリップします。電源電圧によるクリップ自体は普通のことなのですが、その時にスパイク状のノイズを発しているのが分かります。

Smr_clip01_20220609212801

こんな波形を出し続けるとツイータを飛ばしてしまいます。 クリップしていない時は平気だったとしても確実に対策を打つ必要があります。能率の低いスピーカーで大音量を出そうとすると20W程度のアンプは簡単にクリップしてしまいますから。

 

 

対策と言っても差動部にダイオードをちょこっと挿入するだけ。

Smr_clip02_20220609212801

こんな感じで対策できました。 めでたしめでたし。

 

 

もちろん基板パターンの方にも入れておきます。

 

以上、進捗報告でした。

 

 

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コメント

たかじんさん

アナログディスカバリを利用していますが、このような特性を測ったことがないので、大変参考になりました。 

私は、FRAPlus というソフトで、アナログディスカバリを利用しています。
http://www.za.ztv.ne.jp/kygbncjy/tubeamp/FRAplus/FRAplus_intro.htm
アダプタも作ったので、バランス入出力も大丈夫です。

それにしても、クリップ時の波形、すごいですね。 私はこんな波形を見たことがないです。 それにしても、ダイオード一本で対策終了って・・・。 たかじんさんの技術力の高さに間隙です・・・。

n'Guin さん

アナログディスカバリの素晴らしい機能のひとつですね。
FRAplusは使ったことありません。 気にはなっているんですよね。簡易的ではあるけどひずみ率のカーブを描かせることができるのは魅力的です。

クリップ波形はもっともひどく出る条件がこの画像です。
こういったときの対策は、よくあるパターンなのです。 差動のトランジスタの片側に電流が集中して、そのあと戻ってこなくなる現象です。バイポーラトランジスタのキャリアの蓄積によるものという見方が多いですね。

たかじんさん

最初に誤字の誤りをお詫びします。 間隙→感激です。

クリップ例の対策は、くあるパターンとのことですが、私のような初心者では、その【よくあるパターン】がよくわかっていませんので。 

■秘蔵のアンプ回路設計マニュアル を何回か読んでいます。 わかったつもりでいるのですが、トラブルシューティングでたかじんさんからアドバイスを受けてから、秘蔵のアンプ回路設計マニュアルに書いてあったことに気が付くことが多いのが実態です。

修行が足りない自分にあきれかえるのが現状です。 これからもよろしくお願いいたします。

n'Guin さん

秘蔵のアンプ回路設計マニュアルは、なんとなく思い付きで書いたもので、これだけを読んでも設計できるようにはならないですね。 計算式だけは有用かと思います。

色々な回路構成があるので、自分なりに解析して、シミュレーションして確認。 という作業を趣味として楽しんでやっていけばレベルは上がると思います。

そういえば、クリップ時の波形崩れ対策は、あまりwebでも乗っていませんね。そのうち記事として書こうと思います。

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