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2022年4月14日 (木)

Raspberry Pi PicoのC++開発環境 Ubuntu 20.04 LTS編

先日、ラズパイpicoでUSB-DDCを走らせることについてチラッと書きましたが、C++開発環境を整える方法を備忘録的に書いておこうと思います。

Ubuntu2004lts

インターフェース誌などではWindows+WSL2上に構築してたりVisual Studio Codeでデバッグする方法が書かれていたりします。

 

それらも、とても素晴らしい方法ではありますがラズパイ公式ではLinux上でコンパイルするのが標準となっていて、一番問題が起きにくいと思われます。

 

今日は「シンプルで標準的な開発環境を構築する方法」を書きたいと思います。

VirtualBOX+Ubuntu(Linuxディストリビューションのひとつ)の組み合わせです。

もし、いらなくなれば仮想マシンごと削除すると綺麗さっぱり消せます。Windowsのシステムを汚しません。

 

 

 

 

準備編

Oracle VM VirtualBox  をインストールします。

Windows、macOS、LinuxにインストールできるバーチャルPCソフトウェアです。8GB以上メモリを積んだPCなら普通に使える速度で動きます。

 

Ubuntu 20.04 LTS 日本語 Remix 版を入れました。

インストーラーが日本語に対応しているので、ボタンなどがフレームアウトせずにインストールできます。 本家版だとインストール途中でボタンが見えなくなり厳しい。(英語メニューでなら平気だと思われる)

Ubuntu2004lts_dl

PCのストレージはubuntuを最小インストールしても最終的に11.25GBくらい喰います。そのためストレージはVDIタイプで20~30GBくらい割り当てておくと良いです。実際に使用された分だけ実容量を喰う仕組みになっています。

 

ここまではRaspberry Pi picoと直接は関係ないので、説明はあまり深追いしません。不明点はweb検索してください。

システム->メモリ割り当て=6GB、プロセッサー数=4個(使用率制限100%)

ディスプレイ-> ビデオメモリ=64MB、グラフィックコントローラー=VBoxSVGA

にしています。

 

 

 

さて、Ubuntuが起動できるようになった所からpicoの開発環境構築スタートです。

 

PicoのSDKソース一式ダウンロード

端末(ターミナル)を開いて作業ディレクトリを作ってgitからダウンロードしてきます。ピンク文字はコマンド入力です。コピペしてください。

cd ~/

mkdir pico

cd pico

git clone -b master https://github.com/raspberrypi/pico-sdk.git

git clone -b master https://github.com/raspberrypi/pico-examples.git

git clone -b master https://github.com/raspberrypi/pico-playground.git

git clone -b master https://github.com/raspberrypi/pico-extras.git

 

もし、git コマンドがないと言われたら(ubuntu最小インストール時は入ってない)

sudo apt update

sudo apt  install git 

でインストールしてください。

 

 

Pico用のコンパイラ導入

PCはIntelのCPUでpicoはARMです。つまりコンパイラはクロスコンパイラが必要です。M1 macはARMですがVirtualBOX上のutuntuから見るとクロスになるのでしょうか。ちょっと不明。。。

sudo apt update

sudo apt install -y cmake gcc-arm-none-eabi libnewlib-arm-none-eabi build-essential

 

これでpicoの開発環境は整いました。拍子抜けするくらい簡単ですね。

 

 

 

 

実際にコンパイルしてみよう

コンパイルするならやっぱりUSB-DDC(I2S出力)ですよね。

まず、pico-sdkとpico-extrasのパスを設定します。

export PICO_SDK_PATH=~/pico/pico-sdk
export PICO_EXTRAS_PATH=~/pico/pico-extras

次に、cmake

cd ~/

cd pico/pico-playground/

mkdir build

cd build/

cmake ..     <-後ろの点・点 までがコマンドです。

 

いよいよmake

cd apps/usb_sound_card

make

 

[100%] Built target usb_sound_card というメッセージが出る所まで行けばコンパイル成功です。

Pico_uf2

usb_sound_card.uf2 というファイルが出来ているハズです。これをBOOTスイッチを押しながら接続したpicoのフォルダへドラッグ&ドロップするとpicoへ転送されて実行されます。

Ubuntu2004lts_usb

VirtualBOXはホストOS上に挿したUSBデバイスをそのままゲストOS上に渡せますので、ubuntu上でドラッグ&ドロップすればOKです。

ソースコードを編集したときはmakeのみでOK。 cmakeは一度きりで大丈夫です。(CMakeLists.txtを編集したときはcmakeから)

 

 

 

パスを登録しておくと便利

pico-sdkとpico-extrasのパスを登録しておくと再起動する度に、いちいち打たなくても良くなります。

ホームの  .profile というファイルの一番下に以下の2行を追記しておきます。

export PICO_SDK_PATH=~/pico/pico-sdk
export PICO_EXTRAS_PATH=~/pico/pico-extras

 

 

関係ないけどCmakeって

cmakeってあまり使ったことが無かったのですが、上で作ったbuildディレクトリ下でmakeするんですね。

VirtualBox:~/pico/pico-playground/apps/usb_sound_card$ make 

ではく、

VirtualBox:~/pico/pico-playground/build/apps/usb_sound_card$ make

なのです。

gitでダウンロードしてきたソースコードはbuildディレクトがい方です。cmakeを実行すると、build以下にソース元のディレクトリ構成が構築されてMakefileも出来上がっています。

ソースコードの編集は元のディレクトリ上で行い、makeはbuildディレクトリ下で実行します。ちょっと不思議。

 

 

open sshdを入れると

sudo apt install openssh-server

とコマンドを打つとsshdがインストールできます。

Ubuntu2004lts_net

VirtualBox で ネットワークを「NAT」と「ホストオンリーアダプター」の2つを有効にしておくと、(ホスト)Windows上から(ゲスト)ubuntuへssh接続できるようになります。

これを便利というかは使用者次第ではありますが、WinSCPとTeraTermでLinuxと通信しながらソフト開発するのと同じ環境が整います。

VScode(エディタ)でsshリモート開発する方法もあるらしいです。

参考まで。

 

 

 

 

番外編

Pi4でコンパイルする方法

Pi4に導入するスクリプトが用意されています。公式ドキュメントChapter 1 をご覧ください。

 

Linuxを使わずにWindows上でコンパイルする方法

クロスコンパイラ、Cmake、git、python、ビルドツール、VScodeなどをインストールする、まとめ記事はこちら。

 

 

 

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