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« アクリル板の加工データを作ろう(1) | トップページ | reTerminal(Raspberry Pi CM4)でMoodeAudioを動かそう »

2022年2月13日 (日)

アクリル板の加工データを作ろう(2)

昨日の続きです。

1.KiCADで基板に合わせた外形図などを作成->PDF出力
2.inkcapeでテンプレートにPDFをインポートして加工データを作成

という手順の2からの説明になります。

Cad_24

使用するソフトウェアはinkscapeというもの。illustratorの代替としても有名で、かなり高機能なお絵かきソフトです。しかも無料。

 

 

inkcapeをダウンロード

こちらから最新版をダウンロードしてインストールします。

現在のバージョンはv1.1.2です。Windows版で検証していますが、macOS版もあります。(kiCADも同様)

 

 

テンプレートのsvgファイルを開く

こちらから必要なサイズのテンプレートをダウンロードして展開します。

Cad_30

svg ファイルを右クリックしてinkscapeから開きます。

Cad_31

開くとこんな感じ。

太い枠内が加工データの領域です。

 

 

 

pdfをインポート(外形)

KiCADから出力したpdfをインポートします。 まずは外形(Eco1_User.pdf)のみ。

「ファイル」ー>「インポート」 でpdfファイルを選択します。 そうするとインポート設定が開きます。

Cad_32

pdfインポートのオプションは標準のままでOKです。

 

Cad_33

開くと、こんな感じで中央付近に現れます。そのまま加工枠の中に移動させます。

むやみにダブルクリックするとグループ化がとれてしまうので注意します。

 

 

 

外形をコピー

基板をアクリル板で上下サンドイッチさせたいので2枚必要になります。さきほどインポートしたデータをコピーして横に配置します。

Cad_34

並べるとき、アクリル板の厚さよりも大きめに間隔をあけておきます。

 

裏面アクリル板に不必要な穴を削除します。 目的の部分をダブルクリックすると、そこだけ選択できるようになります。DELキーで削除します。

Cad_35

一度、ブロックの内部を選択するとグループが解除されて独立して移動もできます。(今回はそういうことはしません)

四角い長穴も削除します。

 

Cad_36

削除し終えると、こんな感じになります。

左が表面、右が裏面のアクリル板です。支柱を固定する四隅の穴は必要ですので消さないようにします。

 

 

 

レイヤー移動

固定穴を選択して、右クリックから「他のレイヤーへ移動」を選択します。

Cad_39

innerを選択して移動を押します。

Cad_37

 

というか、今、現在の画像がどのレイヤーに置かれているのか把握してませんでしたね。

Cad_38

ソフトの下の方の「レイヤー一覧」から選択して、目のアイコンをON/OFFすると表示/非表示が切替りますのでどのレイヤーのデータか分かります。おそらく最初の状態だと「Engreveレイヤー」になっていると思います。

レイヤー移動のコツとしては「inner」と「outer」レイヤーを非表示にしておくと、「Engreve」レイヤーから移動すると線が見えなくなるので把握しやすくなります。

インナーへの移動と同様に外形図面をアウターへ移動します。

pdfをインポートするときにアウターレイヤーで作業していればインナーへの移動だけですみましたね。

 

 

 

線に色をつける

outerレイヤーを表示させます。

全部を選択した状態で、下記の1,2,3,4の順で色を指定します。

Cad_40

1,「フィル/ストローク」設定を開く

2,「ストロークの塗り」を開く

3,「単一色」を選択

4, R、G、B、Aの「B」のスライダーをmax にすると 青になります。

 

同様に、innerのみを表示させて全選択。

1,2,3,4の順で、今度は赤に設定します。

Cad_25

完成すると、こんな感じになります。

念のため、inner、outerレイヤーを個別に表示/非表示して、正しくレイヤー分け出来たか確認します。

 

 

 

ストロークの線の太さ

線を選択した状態で「フィル/ストローク」の設定からストロークのスタイルを選択すると線幅を指定できます。

単位をpxではなくmmにして0.1mmにします。

0.001mmなど細くすると画面上で見えなくなるのでご注意ください。

Cad_41

 

 

 

 

レーザー彫刻する面を考える

表面からレーザー彫刻。裏面からレーザー彫刻。それぞれに特徴があります。

透明系のアクリル板を使うなら裏面の彫刻の方が出来上がりに立体感があるのと、ホコリや汚れが掘った部分に付きにくいのでおすすです。

光が透過しないアクリル板やMDFなどは表側から彫刻します。

 

 

 

レーザー彫刻データのインポート

今回は裏面からレーザー彫刻するようにします。裏面から彫刻するので全データを裏返しにしてから作業します。画像データを全て選択した状態で、下記のボタンを押します。 

左右反転して、裏返した状態になります。

※レーザー彫刻部のインポートなどの作業のあと、最後に全部を選択して左右反転しても同じ結果になります。

Cad_42

 

次に「Engreve」レイヤーを選択しておいて、レーザー彫刻用のpdfデータ(Eco2_User.pdf )をインポートします。 

Cad_43

インポートした直後は選択されているので、そのまま左右反転しちゃいます。

 

 

 

位置合わせ

レーザー彫刻用のデータを移動するとき、KiCAD上で作っておいた位置合わせマークで合わせます。

今回は僅か小さくした円でしたね。インナーの赤円部分に彫刻データの黒円を合わせます。

Cad_44

位置合わせが完了したら、黒丸のほうは消しちゃいます。

Cad_45

選択して、DELキー。

 

 

ちなみに、文字入れだけなら

この例のようにシビアに位置を指定しなくてもOKな文字入れなどはKiCADで描くよりもinkcape上で文字入力した方がフォントを自由に選べて便利です。

特に大きな文字の時はinkcape上で書いた方がキレイにできます。

Cad_51

 

 

ストロークのパス化

レーザー彫刻用のデータは、カットするデータと違ってラスターデータにします。

inkscape 用語ですが、ストローク(線)をパス化します。線の太さは0.3mm以上にしてください。

Cad_46
      < ストロークで構成 >

拡大すると「S」部のセンターに赤線が見えますね。(マウスオーバーした瞬間だけ見えます。)

 

Cad_47
       < パス化して縁取りされた >

赤線が縁取りになりました。

 

パス化したいデータを選択した状態でメニュー「パス」->「ストロークをパスに変換」で出来ます。

Cad_48

KiCADから出力した文字の例ですが、直接inkcape上で文字を入れても構いません。そのときもオブジェクトをパス化する必要があります。

 

 

 

画像データを置く

jpgやpng、bmpなどの画像データを「Engreve」レイヤーに置いてレーザー彫刻することもできます。

そのとき、画像は埋め込みにしてください。

Cad_49

色は黒、またはグレースケール。8階調まで処理できるとのことです。

inkscape上でも画像加工もできます。ここでは割愛させてください。

 

 

Cad_50

ネットで拾ってきた画像を元にしたデータですが、レーザー彫刻するとこうなります。

写真よりは輪郭がハッキリしたイラストの方がレーザー彫刻向きと思います。

 

 

 

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コメント

Inkscapeは家では自作スピーカーのレイアウトデザインに使っています
寸法を直打ちできてパーツ単位で移動できるのが便利ですが
まさかCADデータの作成に使えるとは

levi さん

自作スピーカーのデザインでInkscapeですか。なるほど。
確かに、グリッドを設定したり、四角形の寸法を指定できたりと、簡易的なCADとしても使えそうな雰囲気は感じます。

加工データは、Illustratorで取り込んでいるらしいので、あるいみIllustratorで読めるフォーマットなら何でも良いハズなのですが、上で書いているように、カット用のデータと、彫刻用のデータとを明確に指示する必要がありますので、テンプレートに入れるのが間違いないものになります。

アクリル加工もそろそろやりたいと思っていたところで、参考になる記事ありがとうございます。私はRootPro CADのフリー版で設計して、Inkscapeで清書しようとしていたのですが手間だなと感じていました。ちょっと調べてみたのですが文字通りフリーなCAD?であるFreeCADがDXFやSVGで入出力できそうな感じだったので、今度試してみようかとおもっています。

OPAさん

RootPro CADですか。 使ったことありません。 フリー版でDXFなどが出力できるのでしょうか?

FreeCADは基本的に3D CADなので、2D図面をちょこっと書こうと思ったとき、回りくどい感じになってしまうかもしれません。
3D CAD全部がそうなのかは知らないのですが、まず、3Dモデルを作成して次に2D図面に落とし込むという作業がFusion360やインベンターでは必要です。 最後にDXFへのエクスポートって手順です。

InkscapeはCADではないので、コマンド+数値とかで図面を書いているひとからすると、手間ですね。せめて線や円のセンターでスナップが利くと良いんですけど。。

たかじんさん

RootPro CADのフリー版だと独自フォーマット以外はエクスポートができません。なので設計だけ。使いやすいんですか、せめてSVGくらい・・・。

FreeCADですがちょっと調べて使ってみましたがご指摘通りいまいちでした。
Inkscapeは、ドキュメントのプロパティにスナップの設定はありますが意図したとおりスナップしなかったような。
ちなみに、Solid Edge 2D Draftingってご存じですか?週末調べてみようと思っています。

OPAさん

やはりブリー版の制約は大きいのですね。
FreeCADはプラグインが色々あるみたいで、上手くいけば役に立つ可能性があるなっと思っています。2Dだけでデザインできるモードがあればいいんですけどね。(ちゃんと探していません)

Solid Edgeは使ったことありません。。。


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