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« 基板用CADであるKiCADを2D-CADとして使ってDXFを出力する方法 | トップページ | アクリル板の加工データを作ろう(2) »

2022年2月12日 (土)

アクリル板の加工データを作ろう(1)

先日紹介したKiCADから出力したDXFデータを使って、アクリル板の特注カット用データを作っていく方法を紹介いたします。

まず初めに、ごめんなさい。

加工データを作るinkscapeではKiCADが出したDXFデータを読み込めませんでした。インポートの項目にDXF形式があるのですがKiCADが出すDXFとは相性が悪いようです。(DXFにはバージョンがいくつか存在します)

 

DXFの総元締めであるオートデスク社のDWG TRUE VIEWでも読めるし、Fusion360でも読めるのでデータ自体は大丈夫だと思われます。

Cad_20

Fusion360でKiCAD出力のDXFをインポートしたところ。  ついでに、

 

Cad_21

厚みを付けてレンダリングするとこんな感じに。 DXFデータはとても有用ですね。

 

 

 

 

 

少々脱線してしまいましたが本題に入ります。

 

pdf で行きましょう

使うソフトウェアはinkscapeというフリーソフトを使います。アドビ社のillustratorでも良いのですが、価格が高いので持っていません。

一旦、KiCADに戻って、Eco1.UserEco2.Userレイヤーを「pdf」で出力します。

Cad_22

 

 

 

 

データの最終イメージをつかむ

順を追って説明しようと思ったのですが手順が長いのとアクリル加工特有の知識が必要なので、最終イメージを先にざっくり把握しておく方が良さそうです。

 

 

加工用テンプレートがあるなら利用する

工房Emerge+さんが公開しているテンプレートを使用します。他の業者に加工を依頼するときはその業者の指示に従ってデータを作成してください。(Illustratorでの説明が多いかも)

Emerge+さんのテンプレートはA3,A4,A5,300x600mmの4つがあります。今回のサイズはA5で間に合います。

展開すると下記のファイルが入っています。

A5_Template.ai(Illustrator用)
A5_Template.dxf(一般CAD用)
A5_Template.pdf(その他)
A5_Template.svg(inkscape用)

inkscape用のsvgデータは既にレイヤーが設定されていて簡単にデータを入れることができるので便利です。

Cad_23

開くとA5の枠の横に注意書きというか指示が書いてありますので分かりやすいです。

ただし、inkscapeで線幅を0.001mmに設定すると線が見えなくなってしまうため0.1mmで作業します。(工房Emerge+さんに確認済み。)

 

 

 

加工データの線の色分け

外形枠を先にレーザーで切り落としてしまうと、その中の細かい切り落とし部分のカットができなくなってしまいます。ということで先にカットするインナーと最後にカットするアウターとを色分けして区別します。

インナー:赤(innerレイヤー)
アウター:青(outerレイヤー)

Cad_24

A4やA5サイズの板から必要な部分をカットするレーザー加工の仕組みを考えると理解できると思います。

Cad_25

最終的にこんな感じになります。(作り方の詳細は後述)

先に赤線を切り落として、最後に青線を切り落とします。

レーザー彫刻はengraveレイヤーに8階調で画像データを置きます。

Cad_26

テンプレートのdxfを開くとレイヤーと色の指定が一覧で見えて分かりやすい。

 

※この色指定は工房Emerge+仕様です。加工業者の指示に従ってください。

 

 

 

ストロークとパスの違い

ソフトウェアによって呼び方が違っているのですが、inkscapeではストロークとパスという名称が使われています。

分かりやすく大雑把に書くと

ストローク:1本の線のこと。線幅など指定できる。(Illustrator用語ではパス)

パス:見えているそのままを写真に撮った感じ。縁取り。(Illustrator用語ではアウトライン)

 

印刷屋さんなどにデータを入稿するとき「文字フォントをアウトライン化してください。」って言ってるのと一緒で、ストロークやオブジェクトを「パス化」すると、見た目そのままのデータが出来上がります。

 

■重要ポイント

加工方法 inkcape用語 Illustrator用語
外形カット
(インナー/アウター)
ストローク
(0.1mm幅)
パス
(0.001mm幅)
レーザー彫刻 パス化したデータ
(幅0.3mm以上)
画像データ
アウトライン化したデータ
(幅0.3mm以上)

ラスタイズ

inkscapeで「ストロークからパスへの変換例」を説明されているサイトがありました。参考にどうぞ。

http://j-act.jp/self-design/objecttopath/

 

Illustratorのパスとinkscapeのパスの意味が違うのが混乱しますよね。お気を付けください。

 

 

 

 

ここまで、最終的なイメージと重要ポイントを説明いたしました。

 

長くなってきたので(2)に続きます。

実際にKiCADで出力したpdfをインポートして作業していくところを説明したいと思います。

 

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