Sound RABBIT 量産版の案について
HPA-1000デモ機は貸出したあと戻ってこないためPCで作業している時は、ほぼSound RABBITでヘッドホンを聴いています。
ヘッドホンは気分でAH-D2000、MDR-M1ST、T50RPmk3n、Aryaを回しています。まあ、最初から超絶なAryaは別格として、、、他のヘッドホンでもどんどん音が滑らかに心地よく鳴るように変化してきています。
Sound RABBITの説明ページは下記。
https://nw-electric.way-nifty.com/blog/sound_rabbit.html
標準の部品表から変更したところは、電源のC24,25の容量を100uFから1000uFに増量したくらいです。少しクールな印象がゆったりした雰囲気に変り、BGM的な聴き方で思考を邪魔しなくなるかなっと思っていました。でも、聴き心地があまりに良くて、無意識のうちに音楽に神経が集中して思考が止まってしまうという本末転倒な状況になっています。妙に引き込まれるんですよ、音楽に。
OPAMPのエージングなのか、トランジスタのエージングなのかハッキリしないのですが、OPAMP+トランスリニアバッファという組み合わせは、思っていた以上にヘッドホン駆動に向いているのかもしれません。
バランス接続とアンバランス接続
個人的にも興味がありましたし、やはり気になっていて接続をちょくちょく切り換えていたんです。ここまで聴いてきた感じだとバランスよりもアンバランスの方が音が整っていて自然に感じます。
世の中の雑誌・Web記事は、バランス駆動が売りになっている商品説明が多い(いわゆるセールストーク)ため、どうしてもバランス接続の方が有利という内容に偏りがちですね。
バランス接続は、低能率でパワーが必要なヘッドホンに対して大音量で鳴らせるという電気的なアドバンテージはあります。OPAMPによる音の色乗りに関しては、当初思っていたよりも大きな差ではないようです。エージングが進むにつれてバランス、アンバランス、どちらも滑らかで心地よい響きに変ってきました。
バランス接続を全否定するつもりはないのですが、ハマる曲と、落ち着かない(気持ち悪い)曲とがあります。EDMというか打ち込み系、空間エフェクトを強調するような曲はバランス接続が面白いと思います。
高品位な再生には4芯ケーブルは必須っぽい
アンバランス接続で、立体的、かつ、音の分離感を良くするには、4芯のヘッドホンケーブル(GND分離配線)が必須と思います。比較すると3芯ケーブル接続は、空間がぐっと狭くなりモノラル調に聞こえてしまいます。中低音域も混濁して音の粒が団子になります。T50RPmk3nの4極コネクタ化改造が決定的でした。そろそろAKGも4芯ケーブルを使うべきでは? と思ってしまいます。
< 3芯ケーブルと4芯ケーブルを比較すると結構ちがう >
左右のデカップリングコンデンサへリターン電流をしっかり帰してあげることでGND分離に近い空間表現が得られる6.3mm端子部。
という訳で、意外なほどの完成度のSound RABBITを私を含めて10名だけにとどめておかず、量産基板を作ろうかと思っています。
※ PCに内蔵しなくても普通にヘッドホンアンプ基板として使えます。
基板を改版するけど、欲しい機能は?
シルクが間違っていた所は修正するとして、他の機能としては
やはり音量調整が物理的に欲しいなと思いました。
ヘッドホンの種類によりボリュームの位置がかなり変わってしまうからです。私だけかもしれませがBGM的に小音量で聴くときと、本気モードで大音量で聴きたくなる時があります。もちろん中間もありますが。。
ヘッドホン名 | 小音量リスニング | 大音量リスニング |
T50RPmk3n | 6~12 | 45~60 |
MDR-M1ST | 1~2 | 13~25 |
AH-D2000 | 2~4 | 23~35 |
Arya | 25~40 | 90~100+ |
という感じです。Aryaは音量maxでももう一息(バランス接続なら4倍のパワーになるためOK) M1ST、D2000では、ボリューム値の分解能がたりていません。0.5とか1.5などに設定したくなります。
Windowsの音量スライダーはBカーブになっているようで、ボリューム値50以上のところでは、あまり大きくなっていかないですよね。
2.5インチHDD幅で配置を考えると
さて、
3.5mmジャック
6.3mmジャック
4.4mmジャック
3.5mmマイク端子
を並べると、2.5インチHDDの幅は埋まっているので、ボリュームを搭載するとなるとマイク端子を取ってしまうしか手段がないのですが、どうでしょうか?
このサイズに収まる9型ボリュームはアルプス電気製だと音の劣化をけっこう感じるので迷うところでもあります。
できるだけ音の劣化を避けたい
マザーボードの音源で、そこまで追求しなくても。とも思いましたが意外と音が良かったので、可能な限り悪化させたくありません。
マルツで売っている「RD925G」が、東京光音電波の2CP601よりも良いとの評価も一部で存在しますね。個人的な感想では2CP601はアルプスRK27より爽やかですが線が細身な印象です。高域キレっキレの音よりもボーカル領域の滑らかさと低域の安定感の方を重視したいと思っています。(RD925Gは未確認)
音質劣化を最小限にするなら、Hi-Low 2段の切り換えという手もありますね。低能率なヘッドホンと、それ以外とで、10dB~15dBくらいのUP/DOWN切り換えが出来れば十分と考えられます。信号パターン引き回しを最小にするため、リレーを使うと尚よいですね。
いやいや、マイク端子は必須だよ。
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コメント
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マルツのあれは、確かに音は悪くないですが、すぐにガリが出て、ギャングエラーで当たり外れが多いのが個人的印象です。
投稿: DSK | 2020年11月15日 (日) 11時46分
Vishay[P9A2R100FISX1503ML]はどうでしょう?導電性プラスチックで高価ですがこれもギャングエラーに不安があるような…。BLA-01用に購入済ながら未確認です。
投稿: onajinn | 2020年11月16日 (月) 17時39分
ジャックの要不要ですが、
3.5㎜ジャックも要らないかな?と感じます。
6.3㎜ジャックがあれば変換ジャックで何とかなるし。
空いた領域にHi-Low切り替えがあるとよいのでは?
投稿: sawanoriichi | 2020年11月16日 (月) 21時39分
DSK さん
ギャングエラーですね。 これは小型ボリュームにつきものかもしれません。 安いので5個くらい買って、一番ギャングエラーが小さいものを使うという手もあるかもしれません。
onajinn さん
Vishay高いですね。 東京光音が買えそうです。導電性プラスチックは摺動ノイズも少なくていいですね。
sawanoriichi さん
なるほど。その手もありますね。 マイク端子を削らないという方法。 9型ボリュームでギャングエラーや、配線引き回しの影響を考えるとHi-Low切換が一番劣化が少ないと思われます。
投稿: たかじん | 2020年11月16日 (月) 22時51分
サウンドラビットの回路をユニバーサル基板にて組んでみました。
とてもご機嫌な音がでます。
トランスリニア回路の部分は思っていたよりも大変な作業になりましたが、その苦労をわすれさせてくれる、癒しのある音です。
回路図の公開、ありがとうございました。
プリント基板が頒布されましたら、ぜひ購入させてください。ユニバーサル版と音の比較をしてみたいです。
投稿: Woods | 2020年11月23日 (月) 10時38分
Woodsさん
おおぉ。ユニバーサル基板でつくられましたか。素晴らしいです。 トランジスタの数が結構多いので、大変と思います。
音の方も気に入って頂けているようで何よりです。
基板の方は、ぼちぼち進めて行こうと思っています。よろしくお願いいたします。
投稿: たかじん | 2020年11月23日 (月) 23時49分