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2020年10月25日 (日)

電子工作の難易度レベル分け

とある基板の半田つけの要求レベルが高くて、購入者が作れないという話がありました。

そういえば頒布している基板の組立の難易度を表記していなかったなぁ
という事で、

初心者向け、中級者向け、上級者向け
の3つに分類してみました。

Denshi

半田つけの要求レベルだけではなく、扱う電圧も考慮することにしました。
リード部品だけなら初心者でも可能ではあるのですが、電圧が高ければ部品が間違っていたりハンダ不良があると部品を壊してしまうリスクが高くなるからです。場合によっては、抵抗から火を吹いたりもしますし、知識がなければ感電するリスクもあります。なので、電圧も重要なファクターと考えています。

初心者:リード部品半田付け。15V以下の電圧

中級者:チップ部品半田付け。もしくは15V以上の電圧がかかる回路

上級者:0.5mmピッチなどの微細ピッチ半田付け。もしくは40V以上の電圧がかかる回路

 

半田つけする箇所の数量も考慮しようと思ったんですが、私が頒布している基板はどれも半田付け箇所が多いので、、、同列になってしまいました。

 

 

半田付けの難易度

実は、良い道具を揃えるだけで簡単にレベルアップできます。逆に、そこそこ腕がある人でも、電熱線タイプでコテ先が傷んだものだと、チップ部品やSSOPなどを付けるのは非常に難しくなります。また、付けにくい鉛フリーハンダを使ったらなおさらです。

 

楽に中級者レベルになるには

1.セラミックヒータータイプ・温度調節機能ありの半田コテ(HAKKO FX-600など)
2.コテ先クリーナ付きのコテ台(HAKKO FH300-81など)
3.つけやすい半田線(共晶ハンダ TSURU-22F2-0.6など)
4.使いやすいピンセット
5.目視確認用のルーペ

です。Youtube動画を見て30分程度練習すれば、多くの人は中級者になれると思います。

ただ、加齢とともに視力が落ちた。指先が震える。など身体的な部分は良い道具を揃えても効果は出にくいかもしれません。誰の身にもあり得る話なので無視できない話ですが、ある程度は諦めるしかありません。

※ 鉛フリーハンダでも付けやすいものも存在します。ホーザン HS-302(Sn-3Ag-0.5Cu)はおススメです。

 

 

上級者レベルになるには

道具は、上で書いたモノに加え、以下のものがあると良いです。

1.液体フラックス(微細ピッチICのみ使用)
2.好みのコテ先(人によって使いやすいコテ先が違ってくる)
3.リワーク用に電動ハンダ吸取器

そして、純粋にテクニックを磨くしかありません。道具を上手に使い分けるテクニックと言えるのかもしれません。コテ先はマイナスドライバー型、カッターナイフ形、先斜めカット型など色々あります。私はマイナスドライバー型をメインで使用しています。

 

超上級者レベルでは

1.ハンダ用ヒートガン
2.スポット型ディップ槽
3.ホットプレート/卓上リフロー炉

なんて道具もありますが、趣味の電子工作レベルじゃないと思います。プロ級です。

 

 

ICのリードピッチ

1.DIP品のICは2.54mmピッチが大多数です。ピンヘッダも2.54mmピッチの物が多い。まずは、このピッチの半田付けマスターからです。

2.表面実装のICは1.27mmの物があります。1mm以上離れているので、道具さえ揃えれば乗り越えられます。

1_27mm
   < 1.27mmピッチは、まだ簡単 >

3.0.95mmのIC。少しだけ難易度が上がります。

4.0.65mmのIC。ここから一気に本格的になります。リード間がショート(ブリッジ)した際に、ハンダ吸取り線(銅網線)も必須になります。液体フラックスを塗るとブリッジしにくくなります。半田線と半田コテがちゃんとしていないと難しい作業です。

5.0.5mmのIC。これが付けられれば立派な上級者と認められます。四辺にリードがあるQFPも0.65、0.5mmピッチが多いですね。

0_5mm
  < 0.5mmピッチが付けられれば立派な上級者 >

 

6.0.4mmのIC。写真はQFNパッケージですがQFPタイプもあります。0.5mmから0.1mmしか狭くなっていないのに、異常に厳しくなります。はんだの物理限界で、これ以上狭いピッチはありません。

0_4mm
  < 0.4mmピッチは限界に挑む覚悟で >

 

7.QFN リードがICから出ていません。裏面に端子があるだけ。特に0.5mmピッチ以下は完全に上級者向けです。

8.BGA 裏面に半田球が碁盤に石を並べたように並んでます。半田コテでは物理的に無理です。電子工作には向きません。

 

 

 

電圧に対する危険度の認識

半田付けテクニックとは別の視点で、電気に関する知識(危険度)が求められます。

12Vくらいの電圧でも、ショートすると火花はでますし、抵抗などが発熱すると火傷するような温度にもなります。電気溶接で火花が出ているとき20V前後らしいです。また、40V以上の電圧なら感電で心臓が止まる可能性すらあることを知っておく必要があります。

電解コンデンサに貯まった電圧が抜けるまでの時間も考慮したりと、経験を積むごとに慎重になるのですが、初心者は誰かに教わらないと知りえませんね。

以下、参考資料です。

http://www.tokyotsa.com/file/17_jirei.pdf

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9F%E9%9B%BB

 

私も200V級で何度か感電したことがありますが、あまり気持ちの良いものではありませんね。100Vは平気、200Vもまだ大丈夫なんて言ってるとそのうち痛い目にあいます。仕事上、10kVの電圧を扱っているのですが、あれに感電したら一発退場です。この世から。

 

感電には、くれぐれもお気をつけください。

 

 

 

 

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

確かにレベルを書いてくれてると助かります。
まだ子供の頃、何のはずみか、4倍圧整流回路なんてものをつくってみたんです。出力2kVの予定でしたが、コンデンサーの耐圧を知らなかった。
スイッチを入れたとたんにコンデンサーが爆発しましたよ。

昨日になってようやく何年か越しにVFA-01アンプを仕上げました。
素晴らしい音でびっくりしてます。楽しい機会を与えてくださってありがとうございました。

電子工作に含まれるか微妙ですが、ケーシングが慣れてないと大変だと思いました。

我々には当たり前なんですが、部品表に書いてないネジ等やボリュームつまみ、RCA/DCジャック、スピーカーターミナル等、更にその中でも絶縁もの非絶縁ものを考えて揃えないといけません。
パワトラ固定にヒートシンクの隙間を狙って穴あけ等難儀します。ボリュームだって固定穴をあけないといけないし、長すぎたら切らないといけませんしね。とりつけたらハイオシマイとはいかないです。

アンプ限らず自作のHPはよく見るのですが、ケーシングまで載せておられる方は少ないんですよね。初心者はここで詰まると思うのです。
その基準でやったらみんな上級者用になってしまいそうですが(笑)。

チップ部品や表面実装部品が増えて電子工作派には厳しい時代になりましたね。

6にあるようなパターンの場合、各辺の延長上の交点あたりに小さなビアを置いておくと、ハンダごてで鳴らした時に、溶けたハンダの最後の乗り処になって、手ハンダ的には楽になります。
点状の小さなビアが設定されてる基板を、会社ではよく見ました。

鳴らしたじゃない、均したですね(笑)

ヒートガン、これあると部品剥がすのに便利です。付けるのに使ったことはありませんが。

mosaku さん

確かに、部品自体の知識も重要ですね。 それにしても2kVとは凄い。危険。。 コンデンサの爆発で、むしろ危険なことが分って、感電しないで済んだのかもしれないですね。


gombessa さん

VFA-01の完成、おめでとうございます。回路は基本に徹したモノですが、これで案外まともな音がします。動作安定度も抜群です。

おっしゃるとおり、ケースも含めるとかなり気を配って作らないと完成しません。 組み立て手順も、パズル的な要素がありますね。HPA-1000というヘッドホンアンプでは、手順を間違うとうまく放熱できないので、さすがに手順書を書きました。


DSK さん

ですね。 抵抗がカラーコードになった時点で、抵抗値が読めない。と嘆いていたおじさんもいました。サイズが小さくなる弊害は、結構いろいろありますよね。


天 婦羅夫さん

ボンディングDIPによるQFP、SOPで、ハンダ流れのランドを設けるという手法はありますね。それと似た効果があるんですね。

ヒートガンは、私も会社では使います。同じくICを剥がすときだけですけど。

表面実装ICのリード線半田付け、
PC-98NSという最初期のノートPCのCPU換装したのを思い出しました。

表面実装の386SXを再利用可能な形で外して
(もちろんランドも剥がさないように)
Cyrix486を手作業で付けました。
四隅だけランドにちょっと半田盛りして換装用ICを固定し、
残りの足は半田ごての先っちょで半田を舐めるようにつけて、
最後は半田吸い取りメッシュでお掃除して
ルーペで一本一本確認後、ミッション終了。
都合3台ほど換装したけど、
一番大変だったのはルーペでの目視確認だったです。

今は目がしばしばして確認するのが難儀になりそうです。
でも電子ボリュームICくらいだったら、まだ何とか行けそうかな?

>10kVの電圧を扱っているのですが、あれに感電したら一発退場です。この世から。

学校の先生から聞いた当時の同僚が高電圧で吹っ飛んだ事故の話を思い出しました。
どんな作業でもそうですが、DIYなら余計に気をつけなければならんですよね。再度認識しました。

最近は、電子工作でBGAをつける人が増えてきたような?私も、ランドが少ないものですが、ヒートガンとホットプレートでBGAにチャレンジです。

足が出ていないチップや、SMDの小さな水晶発振器も気を使いますね。

ヒ-トガンでオペアンプを外して再利用したいのですが、信頼性はどうなりますでしょうか。

電子ボリュ-ムの電解をパナソニック6.3v 560ufに交換し音出ししました。
Holly Cole Trio   ICAN SEE CLEARLY NOW を聞きましたが低音域からの音が
最高ですね、元には戻せません。流石、たかじんさん。

sawanoriichi さん

ノートPCの386SXですか。 それは凄いです。PCの価格も相当高かったと思うので、かなり勇気がいりますね。Cyrix懐かしいです。確かキャッシュドライバを入れてあげないと速度が出なかったとかでしたっけ。

SSOPは、横方向だけ気を付ければ良いので、QFPを置く位置の精度よりずっと許容範囲が緩いですね。


ビスケットモンスターさん

10kVだと、たぶん吹っ飛びません。 ただ、電流が流れたあと、引き離してもアーク放電が蛇のように追いかけてきます。社内で実験した映像を見せてもらいましたが、1.5mくらいはアークが伸びてました。
https://www.youtube.com/watch?v=Ein3pimyCFE
雰囲気はこれに近いと思います。 1:05あたり


AYOR さん

BGAのチップを使う自作とは、、、 そういう時代になったんですね。 確かに水晶は付けにくいです。 手ハンダようにランドを大きめに作っておく必要がありますね。


ヘボさん

SOPのオペアンプを外すなら、低温で溶ける特殊半田を使った方が良いと思います。
「サンハヤト 表面実装部品取り外しキット」
でも、ちょっと高いです。低温ハンダだけ買っても良いかも。
あの560uFのOSコンは電源に使うと演出が派手になりますよね。


オヤイデのPBフリー半田を始めて使ったときは面食らいました。
溶けない、濡れない、着かない、すぐ固まる、硬い。
それでいて編み線にはどんどん吸い込まれる。
ワイヤーがかちんかちんで、
盛った半田もかちんかちんで
経年変化で変なクラックが出るんじゃないかと疑ってしまいます。

先日、娘のピアノのモニター用ヘッドフォンを修理した際に
錫・鉛の共晶半田のなんと優しいことよ!
と懐かしく感じてしまう有様です。
溶けた半田か固まるまでの時間があんなに長かったんだと
この30年くらいの時間の経過に比類してしまいました。

動画見ました。すごい!映画みたい。手で書き込んだのかと思うくらい。
これは恐ろしいです。
学生の時、強電の実験で、電極間に挟んだ紙に放電させるのがありましたが、近寄るのもイヤでした(笑) どこかに電荷が残って触られるのを待ってるんじゃないかと…

sawanoriichi さん

初期のPBフリー半田は、クラック問題でましたね。

熱衝撃、物理的に衝撃、基板への応力(しなり)で、わりと簡単に導通しなくなります。
小型基板にBGAのメモリを実装した基板を、高さ10cmから机の上に落とすと、ポロっとメモリICが取れる。なんてこともあるようです。

今はPBフリー半田も改良されてきて、そこそこ付けやすいものが出回っています。とは言っても共晶はんだほどではありませんね。


天 婦羅夫さん

怖いですよね。設計や検証には常に気を使います。
ちなみに、電圧・電流のフィードバック制御にはオペアンプ4580を使ってます(笑) 最終段はIGBT。1個2万円を16個。パワエレの世界は、色々と刺激的です。

アリエクスプレスに注文しておいたビスマスが届きましたのでSOP(オペアンプ)外しに使ってみましたが、思ったより簡単に剥がれました、値段も安く良好でした。一応毒性をネットで調べました。
PGA2311電子ボリュ-ムが2個ありますので、もう一つを使いQUAD 99 PREがピンコンパチのCS3310を使っておりましたので参考に制作しました。結果は良好でしたがオペアンプ4段をほとんどゲインなしで4段構成、また出力回路もバランス回路のような構成で私の様な初心者には、意図が良く理解出来ませんでした。


もしかして、MUSES72323の新基板ですか?

ヘボさん

ビスマスですか。 そういう材料を単品で購入して実装を剥がす人は見たことありませんでした。 無事にはがれたようで良かったです。

QUAD 99 PREは電子ボリュームなのですね。昔のQUADは、独自のトーン回路で特徴的な音がしました。現在はOPAMPと電子ボリュームという構成とのこと、音も近代的な音になっているのでしょうか。


beans さん

おっと。バレましたか。近いうちにソフトウェアを書いて動作確認してみようと思っています。

MUSES72323の新基板期待してます。
ぜひHPA-1000に搭載できるように・・・

DSK さん

まだ試作1発目ですので、期待せずにお待ちください。スペースさえあればHPA-1000でも使えると思います。

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