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2020年9月12日 (土)

平面磁界駆動型のヘッドホン(1)

近年、にわかに賑わってきている平面磁界駆動型ヘッドホンというのがあります。私のコレクションも3本に増えたのでレビューをしようと思います。その前に、平面といえば。。。

Sbafp10

平面スピーカー

1980年代、テクニクス、ソニー、ヤマハ、アイワ、Lo-Dなど多くの会社から平面スピーカーが販売されていました。現在も製造販売している会社が国内にいくつかあります。これらは、通常のコーン型と同じ円筒形ボイスコイル、もしくは角形ボイスコイルを使って表面を平面にした振動板を裏から駆動するものです。平面振動板は通常のコーン型とは違って波紋が単一で整っていて周波数依存のピーク、ディップ、歪が発生せず理想的なスピーカーと謳っていました。

 

リボン型スピーカー

パイオニア、JVCなどは平面型ツイーターとしてリボン型というものを売っていました。リボン型ツイーターは円筒形ボイスコイルを搭載せず、フィルム状の導電材(アルミ)に直接電流を流して振動させる超軽量振動板で、20kHzを遥かに超える音域を再生できました。アポジーがリボン型を巨大な面積にして全域を鳴らすタイプのスピーカーを作っていたのも有名ですね。


    < パイオニアのリボンツイータの説明

 

   < egretta ハイルドライバーの説明

 

リボンツイーターは磁石と振動板の配置を詳しく見るといくつかの方式があるようです。共通しているのは電流を流す導電材自体が振動板であるという部分。薄いフィルムに蒸着したり、アルミを極薄の波状にして電流が流れるコイル(?)そのものを振動板にしています。ダイナミック型のようにボイスコイル部と振動板は分かれていません。

 

Jet3
  < ELACのリボンツイーター JET III >

 

フレミングの左手の法則

中学校の理科のおさらいですが、フレミングの左手の法則は、磁界へ直交する電流が与えられると別方向に直交する「力」がうまれる物理現象です。ここで交流電流を流すと導体が振動して「音」がなります。

105796
 こちらから拝借した図 

 

 

平面磁界駆動型

振動板を直接前後に振動させるには、磁界を左右方向、電流を天地方向(もしくは磁界を天地方向、電流を左右方向)にしてあげればいい訳です。ヘッドホンに使用される平面磁界駆動はまさにフレミングの法則でダイレクトに「力」を音に変換しています。

磁界を横方向にするため表裏に着磁した棒磁石を並べて、そこに導線を通してコイル&振動板にしています。そして磁石は背面・前面の両方に配置して振動板が前後に振幅した時でも磁力を均一に保つ構造にしています。
Rp
<   FOSTEX RPテクノロジ こちらから拝借  >

 

 

メリット:

コイルが自体が振動板になっているので伝達の遅れがない。
平面なのでキャビティ効果がない。
駆動面全域でストロークが均一。周波数分割していない。

 

デメリット:

振動板の振幅を大きくしにくい。
平面なのでコーン型やドーム型よりも振動板自体の強度を保ちにくい。
前後に磁石を配置した構造で開口面積を大きくできない。
コイルの巻き数が多くできないため能率は低めで駆動アンプのパワーが必要。

 

 

ユニットの構造図をみるともっと判りやすいかも。

T50rp_0
Fostex T50RPのユニット 
3本の磁石により振動板を均一に駆動する。でも開口の穴が小さい。

 

Mdrz1r

SONY MDR-Z1Rの振動板
ボイスコイルより内側のドーム部が全音域。
外周側はエッジの役割をしながら中低音域の音を発する。つまりダイヤフラムの場所によって再生帯域が違う。

※)Z1Rの音は抜群に良いです。

 

 

 

前置きが長くなってしまいましたが、実際の平面磁界駆動型ヘッドホンの音はどうなのでしょうか。

 

Fostex T50RPmk3g

1974年にT50として登場したモデルが初代とのこと。とっても歴史のある由緒正しい(?)平面磁界駆動型ヘッドホンです。2世代目あたりからスタジオモニターヘッドホンとして定着していって今では不動の人気を誇ります。

T50rp_1_20200912140401

じつは、圧の抜け道がなくダイレクトに鼓膜に音圧がかかる構造で短時間で聴き疲れする部分がいただけません。しかし、バッフル板に穴を空けるという簡単な改造で完全克服できます。2.5mmの穴を3~5個ほど補強リブを避けて開けます。沢山開けると低域が薄くなってしまいますがフラット志向なら、それもアリです。

T50rp_2_20200912140701
< 勢い余って穴を開けすぎたのでアルミテープで塞いで調整 >

 

改造後は、ドンシャリ感を少し残しつつも、元気で躍動感があってロックが楽しいです。やっぱり聴いていて楽しいというのが一番ですね。これが平面磁界駆動の魅力なんでしょうか。

また、入力端子の4極化改造を施して4線ケーブルを使うと空間がぐっと広がってワンランク上のような音離れになり、リスニングヘッドホンとしても「聴かせる」音に進化します。改造しなくても最初からこういう仕様にしてくれれば、超お買い得モデルになること間違いなしです。正直、MDR-M1STと比べてもT50RPmk3g(改)の方がゾクゾクすることが多い。

※)標準で付録されている3.5mm オレンジケーブルは音がキンキンするのでお勧めできません。6.3mm ロングケーブルは落ち着きのある音ですが、左右の広がり感と音の粒の明瞭度を幾分削ぐため、別の4芯ケーブルへの交換がおススメです。

 

 

 

Fostex TH500RP

RPシリーズとして唯一高級ヘッドホンを目指したもの。しかし、商業的には成功したとは言えず一世代だけで終了。在庫がT50RPとさほど変らない価格で投げ売りされてたのを見た瞬間、気絶してポチっていました。。。

Th500rp_1
 < 思いがけず入手に至った RPシリーズ唯一の高級機 >

 

さて、肝心の音ですが、

中音域が妙にリッチでボーカルものや管楽器のニュアンスと響きが良く出ます。な、の、ですが、高域側は落ち着いていて刺激の少ないチューニングが仇になり、他のヘッドホンと交互に聞き比べると籠っているように聴こえます。高域のおとなしさに合わせて低域も控えめというアカラサマなカマボコ特性も評価を下げる一員と思います。

ところが、イヤーパッドをDENON AH-D2000のものに交換すると、高域のキレと低域の伸びがでてきて、ぐっと帯域が広くなります。ついでに籠っていた音も解消されて、元々持っている中音域の響きのリッチさと合わさって面白い個性がでてきます。使用しているケーブルが良いためか聴こえてくる情報量がT50RPmk3g(改)とは段違いです。イヤーパッドの選択さえ間違わなければ世間の評価は違っていたと思われるだけに悔しいです。

 

Fostexのバイオセルロース振動板を使ったモデルは非常に音が良い印象があるだけに、平面磁界駆動型で高級ヘッドホンを狙ったTH500RPの最終チューニングの詰めの甘さを感じる結果となってしまいました。
同社のTH610/TH600と価格が近いため比較されてしまいますが、実際に聴き比べたらTH500RPを選ぶ人はいないんじゃないでしょうか。

もし、このヘッドホンを所有していて仕舞いこんでいる方がいらっしゃいましたら、イヤーバッドをAH-D2000/5000/7000用に交換するのをおススメします。本来持っている味を十分に楽しめるようになると思います。ホールの響き方と開放感は抜群で、マイルドで刺激を一切出さない聴き心地よさは、高級ヘッドホンとして恥じないレベルです。

 

このようなアコースティックギターの演奏では弦の響き、指先のニュアンスなど本当によく聴こえてきて感動します。T50RPと格の違いを見せつけるには、こういう曲が良いですね。

 

 

 

 


さてさて、もう1機種の平面磁界駆動モデルは。。。 次回のお楽しみ。

 

 

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ヘッドホン」カテゴリの記事

コメント

10年ぐらい前、リサイクルショップで、エッジがボロボロのソニーの平面振動板スピーカーがただみたいな値段で投げ売りされていて、往年の名機ということで、小一時間買うかどうか悩んだ記憶があります。でもエッジを自力で修理する自信がなくて、諦めてしまいました・・・

DSK さん

ウレタンエッジを使っていた頃の古いスピーカーはどうしてもエッジが傷むので、難しいですね。
平面スピーカーではないですが、市販しているラバーエッジに張り替えたことがありました。でも柔軟さが全然違っていて、元の音にはなりませんでした。エッジは、振動系に直結するので音への影響力は大きいようです。

古いものを大切に使うのも、趣味性の高いオーディオでは、ひとつのジャンルと考えるといいのですが、自分で修理・メンテナンスができる人の趣味でしょうね。

平面型スピーカーといえば雑誌MJ(2001-5)の表紙にもなった“ブラットハラー(Blatthaller)スピーカー”の印象が強く残っています。残念ながら聞いたことはありません。
http://www.bunken-nagano.com/new/2003-03-27/atagoyama.html

小さいながら自作を試みているひとたちもいるようです。

onajinn さん

ブラットハラーは初耳です。
角型ボイスコイルと、励磁コイルによるスピーカーなんですね。
励磁部を永久磁石に置き換えるとFAL、影山式に近い感じかと思われます。こんなに古くから平面スピーカーがあったとは驚きですね。

ヤマハのヘッドホンでオルソダイナミック型というのが平面駆動型だったと
思います。
HP-1かHP-2か思い出せないのですが、長いこといい音を出してくれていました。
数年前に、後継品がないか探したのですが、絶滅していてがっかりしました。

影山式?は70~80年代のMJで記事を読みました。製作記みたいでしたが。

ウレタンはダメですねぇ。10年もたつと加水分解してしまいます。
年間通して、木を擦ると火が付くくらい湿度が低いと、こういう問題はないんでしょうか。
古いJBLもフォスターもエッジレスになってました。
張り替えしてる業者もいますが、やっぱり張り替えても10年そこいらで崩壊するそうで、じゃ他の材はと言うと、これも音質が変わってしまうからダメ、と。

60年代のJBLはランサロイとかいうゴム系エッジでしたが、これも古いと劣化して割れてくるんで、ウレタンに換えてるところもありますね。

Pal8000 さん

ヤマハはノーチェックでした。素晴らしいものを作られていたんですね。
http://20cheaddatebase.web.fc2.com/yamaha/oruso.html
ここを見ると、Fostexなどと一緒の構造っぽいですね。特許が切れて、いろんな会社が一斉に開発しだしたらしいことが書かれています。


天 婦羅夫 さん

ウレタンの加水分解は、どうしょうもないですね。 エッジ材料としてみると、嫌な音を出さず、柔軟性にすぐれ、軽い。という良いところがあるので新品時は良いんですけどね。

布にゴム系の何かをしみこませたエッジが一番長持ちするんですかね。ダイヤトーンのエッジは硬くなってしまうらしいけど、溶剤をしみこませると柔軟性が復活するというのをどこかのサイトで見たような気がします。

私は、鹿のセーム革でエッジを修理したことがありました。ロールエッジ形状にするのが大変でしたが、10年以上たった今も健在です。

ご無沙汰しています。

ウレタンといっても、Technicsが1970年代に採用していた発泡ウレタン・エッジは加水分解を起こさず、未だに健在です。
その後に登場した平面ユニットに採用されたウレタン・エッジはおきまりの加水分解を起こして崩壊します。

なぜ、加水分解しない発泡ウレタンをずっと使い続けてくれなかったのか、残念です。

YAMAHAのオルソダイナミック型ヘッドフォンはHP-1, HP-2だけでなく、HP-3, HP-1000, YH-5M, YH-100もあったようです。
HP-3はHP-2の下のグレード、HP-1000はHP-1の発展型です。
Yから始まるのはHPとは別の軽量化を図ったシリーズのようです。

そう言えば昔、YHL-005ってポータブル・ヘッドフォンを使っていたっけ。オルソダイナミックじゃなかったけど、音は気に入っていました。ただ、イヤーパッドのウレタンがお決まりの加水分解を起こし、保守部品のイヤーパッドも崩壊したので、結局破棄せざるを得ませんでした。

ちと検索しました。ウレタンには硬質・軟質があり、軟質にはポリエステル系とポリエーテル系があり、加水分解するのはポリエステル系だという見方があるそうです。
住宅などの断熱には硬質が使われ、これは安定的。
ポリエーテル系は水分には強いが、耐油性はポリエステル系に劣るらしい、という違いもあるようです。
うーん、よくわかりません(笑) コストなのか、強い方は音が良くないんでしょうか…

リモコンやKindleの裏面にも滑り止めにウレタンが塗られていますが、これも溶けてきて埃をくっつけてしまい不快度があがります。重曹を溶かした水につけておくと、溶解を早めるらしく、こすると全部取れてしまいます。サラサラして気持ちいいですが、滑って落とさないよう注意がいりますね。

三毛さん

お久しぶりです。さすが詳しいですね。 いま、yamahaのヘッドホンで気になっているのはHPH-MT8 です。 低音がスゴイという触れ込みで、低音マニアな私としては。。。 でも散財しすぎて自粛モードに入ってます。

ウレタン、大丈夫なものもあるんですね。 何が違うのでしょうかね。メーカーとしては長持ちしすぎると買い換えしてくれないので、10年で壊れてくれる方が良いとおもっていたりして。。。 そういえばPIONEER S-101 Custom を実家に置きっぱなしですが、エッジはまだ健在です。もう30年くらい経ってます。


天 婦羅夫さん

うーん。 私も検索してみたら、大きく2種類。 でも加水分解しやすいポリエステル系は50日~100日でドロドロになるということで、さすがにエッジには使っていないような気もします。 あとは添加物系の違いでしょうか。
張り替えるなら布系(クロスエッジ)が良いかもしれないですね。重曹でエッジの残りガスがきれいにとれるのでしたら、カッターなどでがりがりやらなくて済みます。

たかじんさん

HPH-MT8ですか。名機HPH-MT220の後継機のスタジオ・モニター専用モデルですね。
個人的には、ハウジング形状が丸いHPH-MT7の方が好きで、狙うとしたらそちらですかね。
YAMAHAのヘッドフォンは何の因果か、HPH-PROシリーズの300, 400, 500全部持ってます。

三毛にゃんジェロさん

YAMAHAのヘッドホンも良いものが沢山あるんですね。 家電量販店でもなかなか試聴機が置いていないので、完全にノーマークでした。
スピーカーではNS-10M、NS-1000Mなど名機が揃っているのですから悪いわけがないですよね。 ちなみにNS-1クラシックの音が好きでした。

>HPH-PROシリーズの300, 400, 500全部持ってます。

コンプリートとはさすがです。このシリーズ、外観がカワイイですね。

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