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2020年7月11日 (土)

NFBはいらない。no-NFBしか聴かない。というあなたへ

80年代あたりでしたでしょうか。 NFBはいらない。という風潮がオーディオアンプの業界に吹き荒れていて、各社でno-NFBアンプが発売されていました。

多くは、終段をフィードバックループ外にして、いわゆる終段無帰還アンプだったと思います。HPA-1000もその一種で、出力バッファ段をループ外にして2段目から負帰還をかけています。

 

Hpa1000_5

  < 2段目からACを帰還している >

 

でも、世の中には、そういう帰還をかけない完全な無帰還アンプというのが存在しています。

ソウルノートのアンプがその一例で、上下対称差動回路の完全無帰還回路を採用しています。

 

HPA-1000でも無帰還にできることは何度か書いていますが、3dBから9dBというごく少量のフィードバックを基本としています。

実は、定数そのままで完全な無帰還設定にすると増幅率が約21dBと高くなってしまい普通のヘッドホンアンプには適しません。ゲインが高いと感度の高いヘッドホンを使ったときにホワイトノイズが目立つというデメリットもでてきます。

 

ということで、今日は完全な無帰還アンプしか望まない。NFBはいらない。という人向けの定数変更を提案いたします。

 

Hpa1000nonfb

2本だけ定数を変更すると、このようにゲインをヘッドホンアンプに最適な15dB近辺にすることが出来ます。0Ω、100Ωと書いてあるのがR11の抵抗値です。R11=0Ωにすると完全無帰還。R11=100Ωでは3dBほどの帰還がかかります。

 

変更点

R18 = 4.7kΩ ->  2.7kΩ
R19 = 4.7kΩ ->  2.7kΩ

です。ゲインが下がることで、出力に出てくるホワイトノイズも減ります。

もちろん「no-NFBしか聴かない。」というひとはR11を0Ωに固定しておきます。 切換スイッチまで配線を引き延ばすデメリットもゼロではありません。潔く切り捨ててしまうのがベストです。

 

 

 

実際に、この定数で聴きこんでみると、、、

 ああぁ、NFBいらないかも。 と思ってしまいました。

これで聴くLed Zeppelinはしびれます。

 

 

 

ということで、HPA-1000のTIPSでした。

 

よろしくお願いします。

 

 

※)no-NFBと言っても、各段で自己帰還はかかっています。段をまたぐような帰還がない(NFBループがない)という意味で完全無帰還と称しています。

 

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HPA-1000」カテゴリの記事

コメント

たかじんさん

TRS-1000は、すごい売れ行きですね。僕は、共立に基板とトロイダルをセットで予約注文してしまった後だったので、あきらめました(先立つものが^^;)。
先日やっと届きましたが、忙しくて未だ手を付けられず、いろいろ妄想してます。^^ USB-DAC内臓にしようかと考えてます。

NFBに由来するTIM歪みがないnon-NFBと、通常の歪みを抑えたNFB、どちらが音楽を聴くのにベターなのか、興味深いところです。NFBをフロントパネルのスイッチまで引き伸ばすのはあれなので、R11をバイパスする配線と、4.7Kを2本のR直列にして中点をアースに落とす配線をリレーでon, offするようにしようかと考えてます。
切り替えて音の違いを聞くのが楽しみ。^^ いつも素晴らしい基板を領布いただき、感謝致します。m_ _m

kontiki さん

USB-DAC内蔵、いいですね。 私はラズパイごと内蔵・・・と考えてしまいました。

TIM歪は、1V/usec以下というスルーレートが遅いアンプの場合は出ると思いますが、現代のアンプは、ほぼ大丈夫じゃないでしょうか。
NFB量と音質の関係は、奥が深いですね。 実際、どちらが有利なのかは私も分かっていません。

たいへんお久しぶりです!m(UU)m
松居です。

いつも自作アンプや既存のアンプの回路方式等々との自分的な考察に相変わらず参考にちょこちょこ観ております。(笑

さて、HPA-1000の回路を眺めていて、

【ふとした疑問(愚問??)】

なのですが、
NFBは途中の電圧増幅段から行い、終段のパラレルパワートランジスタからは帰還をかけないので、SPからの逆起電力の影響をなくす設計だと思いますが、ふと、220kの抵抗をかいしてるとはいえ、終段のパラレルパワトラからのDC帰還経路から、SPの逆起電力の影響はないのですか?

もしくは、SPの逆起電力は、考え方として、
R12(220k) - C5(47u),R11(470) 
によって分圧、もしくはC5,R11からグランドを通してリターンするので影響がないという考え方でよろしいのでしょうか?

ふと、疑問(愚問だったらすみません。。。(;^_^A)に想ってしまったので、書き込んでみました!
m(UU)m

松居純哉さん

お久しぶりです。

おっしゃる通り終段からの影響はゼロではありませんね。

ゲイン15dB(5.6倍)のアンプとすると、

終段からNFBをかける場合のベータ回路は、出力信号が1/5.6に減衰して初段の差動へと帰ります。つまり逆起電力も1/5.6に減衰して入力されるということになりますね。

上の回路は古い定数ですが、220kと470というベータ回路になっているため1/469に減衰します。

1/5.6と1/469の差は約83倍になります。


では、終段からNFBをかけると逆起電力の影響を受けて、出力信号が入力信号とかけ離れてしまうのか?
というと、そんなことはないと思います。逆起電力も含めて比較して入力波形と相似になるよう出力を常に補正しているからです。

これは個人的な意見ですが、逆起電力の影響うんぬんはNFBを悪者にしたい人たちの単なるこじつけなんじゃないでしょうか。

この終段no-NFB回路は、NFBに頼らずに低インピーダンスで駆動できる出力段の実力、そのままを聴いてみたいという思いが根底にありました。

たかじん様

早速のお返事、ありがとうございます!
m(UU)m

また、解りやすい解説と納得のいく説明いつもありがとうございます!
特にベータ回路の事まではあまり頭になかった為、非常に腑に落ちた説明でとても納得しました!

ありがとうございます!
m(UU)m

松居純哉さん

いえいえ、こちらこそよろしくお願いいたします。

ベータ回路という言い回しはちょっと古いですが、基本的に抵抗分圧による減衰回路です。あとは位相補償回路もつけたりしますが、今回は位相補償しなくても安定しているため抵抗分圧だけです。

たかじんさん

ただいま、HPA-1000 を少しずつ半田付けしています。 最近、週末もさまざま行事があって、なかなか進みませんが。

さて、本題ですが、本記事にあるようにゲインを下げて、その上でNFBをかけるという手もあるように思えるのですが、そんなことをする意味はあるでしょうか。 意味があるかどうか以前に、安定している動作するのでしょうか。 

こんなことを書いてしまうのも、SOULNOTE の音が大好きだという・・・。
正確には、今となっては旧世代の SOULNOTE(鈴木哲氏)の音ですが。

与太話ですみません。

たかじんさん

記事の理解が足りませんでした。 さらにNFBをかけても、安定していることは理解しました。 やってみないとわからない・・・のが本当ですよね。

n'Guinさん

ゲインを下げるのに、自己帰還を掛けるかオーバーオールNFBを掛けるかの違いですね。

自己帰還は増幅しているトランジスタ自体で局部帰還をかかるため、位相遅れによる発振の可能性が低く安定させやすいというメリットがあります。

例えば一般の真空管アンプでは、OUTPUTトランスによる位相遅れが大きいためオーバーオールNFBで多量帰還するのは困難です。 ただ、何も帰還しないとトランスのひずみを盛大に放出してしまうため軽く(10~15dB)NFBを掛けるのが適切と言われています。

という訳で、オーバーオールNFBを軽くかけるアンプは、多量NFBアンプより安定させやすいのです。もちろん無帰還も超安定です。

別の視点になりますが、DCオフセットを低く抑えるのは多量NFBに軍配があがります。

たかじんさん

ていねいに解説していただき、ありがとうございます。
SOULNOTE sa1.0 をヘッドホンアンプと使用した時も満足していたので、本ページのようにすることになりそうだと思っています。

また、ご教示いただくことが出てくると思いますが、どうかよろしくお願い致します。

たかじんさん

懸案だった、HPA-1000 ヘッドホンアンプが一応の完成を見ました。 ここにある、NO-NFB用にゲインを下げ、3dB のNFBが Default で、NO-NFB に切り替え可能としました。

電子ボリューム MUSES72323 をアッテネータとして使っています。 Signal GND が左右分けられていることに気が付かず、動作させられずに1週間悩みました。 アンプにつなぐRCA配線も考えて、アースループを作らないようにと考えると、いろいろな配線パターンがあって、悩みました。 結局、音声は、L+, R+ から直接とり、HPA-1000 の Signal GND から、MUSES72323 の 両チャンネルの OUT GND につなぎ、とにかくループができないように工夫してみました。

残留雑音は、私の環境ではうまく図れません。 デジタルマルチメータの入力をショートしても、0.049mV 程度の電圧となってしまいます。 アンプ出力は 0.055mV 程度なので、差をとれば、0.006mV ということで、たかじんさんの作成したものとほぼ同じかなぁと安易に考えています。

i> HPA-12からすると一つ上の階に上がったかのような景色が見られると思います。
まだエージング不十分ですが、確かに雑味が少なく、いままで聞えなかった音が聞こえます。 そのためには、上流もかなり贅沢しないと駄目なように思います。  MOTU M2 だと、はっきりしない感じです。 Gustard A22 だと露骨な差がでました。 

素晴らしい基板とトランスを提供してくださった、たかじんさんに感謝です。

n'Guin さん

HPA-1000 の完成おめでとうございます。 SOULNOTE のコメント流れてしまって見落としていました。すみません。低ノイズなパワーアンプはヘッドホンアンプとしても利用できますね。 パワーアンプとして設計された電源はヘッドホンアンプとしても余裕があって良い方向に生きてくると思います。

MUSES72323 基板は、おっしゃる通りGNDラインも左右で分けてあります。 ICがそうなっているので最大限利用するためです。 混乱させてしまい申し訳ありませんでした。

雑音を測るときは、聴感補正(A-wait)を入れることになっています。
いわゆるノイズメーターという専用のものがあり、目黒のMN-446というのが良く使われます。オーディオアナライザにA-waitオプションが付いていれば代用できますが、ノイズメータ専用機の方が測れる範囲が広いです。私はオーディオアナライザで代用しています。

上流でそんなに差があるのですか。MOTU M2はそこそこ有名なオーディオインタフェースだと思うのですが、Gustard A22のとの比較では歯が立たないんですね。

たかじんさん

レスをありがとうございます。

>MUSES72323 基板は、おっしゃる通りGNDラインも左右で分けてあります。 ICがそうなっているので最大限利用するためです。 混乱させてしまい申し訳ありませんでした。
いえいえ。 気が付かなかった私がアホなだけです。

さて、一応の完成と書いたのですが、MUSES 72323 の出力後のコンデンサと、HPA-1000 の入力にコンデンサが、ふたつ直列になっています。なんとなく気持ち悪いし、低域に影響を与えそうな気がします。 気のせいにすぎないかもしれませんが。

意味がないと考えて、HPA-1000の入力コンデンサを取り外して、ショートしてみたら、HPA-1000 のDCバランスが取れなくなってしまいました。 あわてて、元に戻しました。  初段のトランジスタのベース電流が、MUSES72323 基板にも流れ込むようになり、そのことで不具合が起きたのだと推測しています。 慌てて戻しました。

時間を見て、MUSES 72323 直後のコンデンサを取り外そうと思っています。 これから、いろいろ音決めにはいりたいと思ってます。

たかじんさん、みなさん

自己レスです。
MUSES72323 の直後のコンデンサを除去して直結しました。 IC のすぐ近くの作業でもあり、養生テープで保護しながら、慎重に行いました。

こっちの除去は問題ありませんでした。 プラシーボだと思いますが、ダイナミックさが増えた感じです。 NO NFB の効果がよくわかるというか。

周回遅れでの作成でしたが、作ってよかったと思ってます。

n'Guin さん

カップリングコンデンサは直列にすると容量が小さくなってしまうので1個にできるなら1個の方が良いと思います。

カップリングコンデンサは直接音楽信号が通るので影響力が大きいですしね。劇的に音が悪くなる訳ではないのですが、取り去るとあれ?っと思う音に気付けたりするので何か情報が削られてしまうのだと思います。

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