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2020年6月21日 (日)

電子ボリューム基板の頒布について

先日、ちらっとお伝えしたように、PGA2311を使った電子ボリューム基板の試作基板ですが、沢山つくってしまったので頒布しようと思います。

頒布先は、快諾していただけたEmerge+さんの通販サイトを予定しています。開始までもう少しお待ちください。

つい先ほどまでファームウェアを作りながらテストしていました。

Volume01b
  < コントローラを手実装してファームウェア入れました >

 

RK27の50kΩから交換すると高域がキンキンとうるさく感じる件は、アンプ側の入力フィルタで高域を落としてあげることで解消できます。

通常、アナログのアンプは何もしないと数MHzまで帯域が伸びてしまうのですが、伸ばしっぱなしよりも100kHzから300kHz程度で適度に高域をカットしてあげる方が聴き心地が良くなります。

 

 

実は、50kΩのボリュームを9時~11時方向で使っているとき、アンプ側から見たインピーダンスは3k~8kΩ程あります。この状態で程よい聴き心地に調整できているのです。

PGA2311のような電子ボリュームは出力にOPAMPが入っていて、ボリューム位置に関わらず低インピーダンスで出力してきます。

Elevol_kai
    < HPA-1000の入力フィルタを調整 >

 

ということで、50kΩの可変抵抗と同じような入力フィルタの効き具合にするには、アンプ入力側で定数変更してあげると良いです。

      1
fc = -------
    2 π R・C

試しに、R1=3.3kΩ、C2=220pF(fc=220kHz)にしてみると、だいぶ落ち着きました。ボリューム基板のエージングも少しだけ進んできたおかげもあって高域キンキンという感じはかなり収まったと思います。

ご使用される方は、この辺りを目安に好みの状態に調整してみてください。時定数だけでなく、抵抗やコンデンサの種類によっても雰囲気が異なります。

※ 同じR・C時定数だとしても、R1を1kΩ以下にしてC2の容量を大きくするのはおススメできません。PGA2311内部のOPAMPにC負荷をぶら下げることになるからです。(動作不安定になる可能性があります)

 

 

操作ボリュームと実際のボリュームカーブ

Volume02

ボリュームカーブをどのようするか検討した結果、通常の可変抵抗のAカーブに似せる形に決定しました。このカーブが通常のボリュームと同じような自然な音量調整ができました。操作用ボリュームを12時方向にすると-16.5dBになるようにしています。センター近辺から最大減衰量の-95.5dBまではまっすぐに減衰させていきます。
全域 0.5dBステップです。ロータリーエンコーダーで0.5dBステップにすると、1回転24ステップ程度の低分解能エンコーダーではグルグル沢山回さないといけなくなる地獄があるのですが、この可変抵抗式コントロールなら全く自然に使えますね。スライダー型ボリューム(フェーダー)を使いたい人はそうしてもOKです。

 

上の図の「HIGH」というのは、PGA2311がゲインをUPするところまで設定できるところを活かしたカーブです。半田ジャンパーで切換えできます。(電源ONのとき一度だけ読んで反映します。途中切り換えはしません。)HIGHモード時は、-72dB以下で1.5dBステップになります。

Volume05
  < GainUp という小さなランドを半田でショート >

ボリューム後に0dBアンプを接続したときなどを想定しています。最大で+15dBまでゲインを持たせることができます。

 

Volume03
 < L/Rで位相逆転させた信号で見たクリップ時の出力波形 >

電源電圧の制約で出力信号が±4.0Vを超えると穏やかにクリップします。ヒゲノイズや発振など不安定な要素は一切見えませんでした。

入力信号は±5V(3.5Vrms)までクリップしません。ボリュームを絞って出力が±4.0V以下になればクリップなしの波形が出力されます。

専門用語的な表現では入力レールツーレール動作になります。

デジタルオーディオ機器(CD/DACなど)の出力は2Vrmsが標準ですので問題ありません。たまに2.5Vrmsくらい出力しちゃう機器もあるようですが、それも大丈夫。

 

 

 

 

 

そうそう、先日、シャントレギュレータを採用したという事を書いたのですが、デメリットを書いていませんでした。

シャントレギュレータは、常時電流を流し続けるという動作のため、発熱します。

Volume04

どこが発熱するかと言いますと電源部の入力抵抗です。

このサーモグラフィで赤くなっている部分は3Wの酸化金属皮膜抵抗です。50℃を超えるほどの温度になっていますので、ケースの蓋を閉めると70℃くらいまで上昇する可能性があります。金属皮膜抵抗やカーボン抵抗は過熱時に燃えるので、こういう所には適しません。難燃性の酸化金属皮膜抵抗を使用します。

 

 

近年は、この発熱が問題視されてシャントレギュレータが使われなくなったのでしょうね。

 

 

 

PRT-03から電源配線を引き出す

±電源のコンデンサの足から取りだすと良いです。半田が剥がれないようしっかりハンダ付けしてください。

Haisen

 

 

 

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電子ボリューム」カテゴリの記事

コメント

お待ちしておりました! 自分もタキオニクスさんのコントローラーを買ってWM8816とMAS6116も使えるようにしているところです。

Isingさん

そんなコントローラーがあるのですね。どのボリュームICが良いのか、結果もお待ちしています。

たかじんさん

リンクはhttp://www.tachyonix.co.jp/page013.shtmlです。

PICの開発環境用意するのが面倒な方にはおすすめです。

入手困難なMAS6116も2500円しますがここから単品で入手できます。

こんばんは、オーシャンです

毎度の事ですが、19時ごろ見に行ったら、既に売り切れでした
次ロットは有るのでしょうか?

Ising さん

MAS6116はマランツの高級機で使っているので、良いボリュームなのでしょうね。反転してしまうので、後段の設計にも影響を及ぼすところで癖があるとも言えますが。。


オーシャン さん

私も日中、出かけていて、帰宅してから案内をブログでしようかと思っていたのですが、先に売り切れていました。
今回は試作基板なので、このままの形で量産とは思っていませんでしたが、実際に使用していて特に問題点が見当たらない基板となっています。
という訳で、このまま量産しても良いかもしれませんね。

自動実装して、組みあがった形にするのでしたら、表面実装品を片面に移動しなければいけないので、基板サイズが大きくなると思います。そして実装費が上乗せされるので価格も2倍程度に跳ね上がります。

どちらが良いでしょうかね。

こんにちは、オーシャンです

基板サイズの拡大と価格高騰より、今のままで良いのでないでしょうか
今回も複数申し込んだ人がいると思いますので、あと何枚希望者がいるかは神のみぞ知るですかね

オーシャン さん

なるほど。それも一理ありますね。 同じ基板でしたらリピートをかけるだけなのですぐにできると思います。

こんにちは、たかじんさん。

私もオーシャンさんの意見に賛成です。
いつもの如く瞬殺だったみたいですので、希望数を募ってみてはいかがでしょう。
因みに私は2枚欲しいです。
たかじんさんの負担にならなければですが・・・

ta_syumi さん

ありがとうございます。昨夜、リピート発注かけました。数量は今回の4倍ほどですので、大丈夫だと思います。

ちゃんとした(?)実装済み基板にするには、上に書いたように基板サイズの拡大や自動実装を行う業者に出す必要があり、部品代も含めて価格は大きく上がると思います。

という事で、ご自身で手ハンダして安く作るのでしたら、このリピートの時に確保しておいてください。よろしくお願いします。


たかじんさん、リピート発注ありがとうございます。
次回には基板を入手して製作したいと思います。

PGA2311基板をPRT-03とつなぐ場合、PGA2311側への電源はPRT-03のどこから供給したら良いのでしょうか?
既に他のページに資料が上がっているのかもしれませんが、発見できず。
ご教授頂けますと幸いです。

くにさん

>PGA2311基板をPRT-03とつなぐ場合、PGA2311側への電源はPRT-03のどこから供給したら良いのでしょうか?

私の場合ですが基板裏でC13とC14の足に電源供給コードを半田付けして問題ありませんでした。

PRT-03やSoundRABBITから電子ボリューム基板に電源供給する際、
平滑回路の最終段の電解コンデンサのリードを切らずに残しておいて
そのリードの根元に電源供給用配線を巻き付けて半田付けするか、
以下のような1ピンコネクタを差し込む形で配線すると楽だなと感じています。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12150/

PGA2311基板の接続先は部品を点けないランドを適当に使えば
一番楽ちんですね。

くに さん

以前にも同様の質問があって基板の写真を撮らなきゃっと思っていたのですが、すっかり忘れていました。

上の記事に追記しましたので、ご覧ください。
±で揃った電解コンデンサの足から取るのが安定した電源になります。


onajinn さん

ありがとうございます。その通りです。 付けやすいところに半田付けするのが楽です。


sawanoriichi さん

なるほど。 ピンを付けて置いて抜き差し出来るようにしておくんですね。 コンデンサの足を長めに残しておいて、配線を巻き付けるというのも名案ですね。
ありがとうございます。

onajinn さん、sawanoriichi さん、たかじん さん

確認が遅くなってしまい申し訳ないです。
接続方法について理解できました!ご教授いただきまして誠にありがとうございますm(_ _)m

くにさん

ご理解いただけたようで良かったです。 ずっと図を作ろうと思っていたんですけどね。忘れてました。

たかじんさん

コメント欄( https://nw-electric.way-nifty.com/blog/2020/04/post-633943.html )に書かせていただいた、禁断の ClassAA アンプのために、PGA2311 ボリューム基板v2 を作りました。

この基板は、Analog GND と電源GNDが 10Ωの抵抗(R6)で接続されています。

ここで、HPA-1000 のデモ機の写真( https://nw-electric.way-nifty.com/blog/2020/08/post-41f4c4.html )をみると、HPA-1000 の入力と PGA2311ボリューム基板の出力は、GNDも含めて全てつながれていて、PGA2311ボリューム基板の入力は、RCA端子にそのままつながれています。

Analog GND と電源GNDが 10Ωの抵抗(R6) は何かのおまじないのように思われますが、これで音が変わると、HPA-12 のときにもご説明いただいたように思います。  このR6の果たす役割について、知っておいたほうが良いことがあれば、教えてください。

どうかよろしくお願いいたします。

n'Guin さん

PGA2311 ボリューム基板のR6はGNDループを切るためのものです。
信号ラインのGNDと電源ラインのGNDがともにボリューム基板につながっているのですが、電源基板で1点アースとして接続されているため、ボリューム基板で直結するとループができてしまいます。

そうするとハムノイズを誘発するので、ここで10オームで切断しつつ完全には浮かないようにしています。

この抵抗値を(100Ωとか)高くすると音が優しい傾向になります。逆に2.2Ωくらいまで低くすると力強さ、はっきりした音になりますが、ハムノイズを拾いやすくなるのでトランスなどの配置次第です。

1点アースポイントをボリューム付近にしてしまう(R6を0Ωに)という技もあります。そのときは信号ラインのGNDをアンプ側で10Ωで浮かせておくとよいです。

たかじんさん

貴重なテクニックを教えていただき、ありがとうございます。
ループを切りつつ、GNDから浮かないようにするテクニックだということを理解しました。

また、抵抗値によって、音質が変わるというは、実際に試してみようと思います。 

これからもどうかよろしくお願いいたします。

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