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2020年1月 7日 (火)

オーディオ回路のグランド・電源配線の仕方

先日、グランドループについて書きました。良い機会ですのでグランド配線方法についてもまとめておこうと思います。

ネット検索してもアナログ信号、特にオーディオを考慮した配線のつなぎ方情報がみあたりません。

Earth123

一般の電気機器のアース(接地)の配線の方法は、独立接地共用接地共通接地の3パターンが書かれていることが多いと思いますが、

センサーなどアナログ機器を含む場合は共用接地(1点でアースする)が薦められることが多いと思います。

よく出てくる「接地」は、本当に大地にアースを取るという意味での説明が大半です。

民生用の機器は、一般家庭のコンセントにアース端子がないので大地アースへの接続ではなく、シャシーへグランドを接続するという意味です。が、基本的な考え方として、オーディオ機器内部も似ていて最終的に1点でシャシーアースに接続したりしています。

 

1点アースってよく目にしますよね。 でも、細かく見ていくと繋ぎ方はひとつではありません。

 

 

本日は、具体的な配線をみてもらうため

 〇入力バッファアンプ
 〇トーンコントロール回路
 〇ボリューム
 〇フラットアンプ(プリアンプ)
 〇パワーアンプ(メインアンプ)

という構成で図を描いてみました。

 

市販のプリメイン・アンプでは入力バッファがついていることは稀ですが、フォノアンプと置き換えて考えてもいいでしょう。

以下の図は、見やすくするため電源配線の-側を省いています。また、一般的にはパワーアンプ用電源とそれ以前の電源は別々ですが、簡略化のため共通にして描いてあります。

 

 

一筆書きグランド配線パターン

Gndwire01

こう呼んでいる人は殆どいませんね。形式的には共通接地なのだと思います。

各段のアンプは次段に信号を正確に伝えたいので「信号線と基準のGND線を対にして」繋いでいくと自然とこうなります。

パワーアンプのみ独立しているのは、扱う電力が桁違いに大きいからです。スピーカーからのリターン電流は、入力信号からGNDに流れる電流と比較すると3桁も4桁も異なるため、さすがに一緒(共通)にしたくありません。

シャシーへの接続は、電源の根元のコンデンサの足近辺に一旦まとめてから1本のワイヤーで接続する場合と、シャシー接続部を1点アースにする場合とがあります。

 

 

一筆書きの一種  入力部でアースへ接続

Gndwire05

基本的には一筆書きですが入力部でいきなりシャシーに落すパターンです。

シャシーに落す場所が2カ所に分かれているのですが、シャシーに大きな電流を流さないため、意外とこれで大丈夫です。前段側GNDをシャシーに落とすか後段側GNDをシャシーに落とすか、ポリシーの違いってだけです。真空管アンプではVOLUMEでシャシーに落とす事もあるようです。

 

 

1点アース

完全な独立グランド配線による1点アース。電源から見るとスター分配。

Gndwire02
こう図を描くと気持ち悪いですが、ぞれぞれの回路で基板が分かれている場合で考えると、各段が独立していて理想的に見えなくもない配線です。こちらも、一旦、電源の根元のコンデンサの足近くにまとめたあと1本のワイヤーでシャシーへ接続する場合もあります。

Gndwire03

近年はこういう配線方法はあまりやりません。信号配線は次段へダイレクトに繋いでいるのに、基準のGNDや電源は隣の回路同士で直接つながっていません。一時期のサンスイのアンプはリヤパネルへ1点アースをやっていましたが、GNDを基準にしないバランス回路だから成り立っているのだと思います。

 

 

多点アース ベタアース

最後は、独立接地。多点アースです。

Gndwire04

基板上をベタアースにして固定ビス全ての箇所でシャシーに落とす場合もこれに相当します。直近でインピーダンスの低いシャシーアースへ落とすというのは高周波的に有利(最適)で、デジタル回路でも効果を発揮します。不要輻射も減るのでS/N的にも有利。なのですが、(オーディオ用の)プリメインアンプでは、ほぼ使われません。

 

理由?

まあ、音が悪いからでしょうね。信号の受け渡しはあくまでも各段間のGNDが基準になるため、他段の電流や、大きな電力のリターン電流をシャシーやベタアースに流すのは良くないのだと思います。

デジアナ混在のDAC機器やCDプレイヤー等では、ベタに近いGND手法の方が良くなるケースが多いと思います。

 

 

実はオーディオに関して言えば。どれが正解で、どれが不正解というのはありません。

最終的に設計者やサウンドマネージャー的な人の好み(ポリシー)でGND配線の方法が変わってくるからです。それだけ音に影響してくるのです。部品も配線材も回路・基板も変えず、GND配線のつなぎ方だけで音が変わるのは不思議と思う人も多いかもしれませんね。

 

個人的にはシャシーが金属ではない場合でも何の不都合もなく動作する一筆書きグランド配線が良いんじゃないかと思っています。

 

 

 

 

 

 

パスコンが良く効く配線は?

せっかくですので、バイパスコンデンサが効果的に働く配線も見てみましょう。

パスコン、デカップリングコンデンサとも言われますが、電源が遠いときにアンプ回路の直近に置く電源用コンデンサのことです。デジタル系のICではVddピンの直近に0.01uFと0.1uFを置けってよく書かれていますよね。アレです。

Gndwire06_20200109123701

各段のアンプの出力は、次段の入力抵抗や次段アンプの入力が負荷となりますね。当然、負荷に電流を流すためには電源から電流を引き込むわけですが、長い配線で遠い電源供給元から電流をもらうよりも、アンプ直近にあるパスコンから引いた方が効率的(配線インダクタンスが無いので高速)です。

適切に置かれたパスコンの場合、+端子から流した電流は、リターン電流となり-端子へ戻ってきます。そのリターン電流はGND配線(もしくは電源配線)を通る。上のように図にすると分かりやすいですね。

赤線はオペアンプ出力が吐き出すときの電流ループ、青線は吸い込むときの電流ループです。このループをいかに小さくするか。高速な信号転送が必要なほど近くに置くのが良いとされる理由です。

パスコンが効果的なのは、配線方法でいうと「一筆書き」と「多点アース」ということがわかります。特に一筆書きは電源配線側も貢献しています。

 

スター配線の1点アースの場合は、リターン経路が非常に長く、パスコンへのリターン電流が配線抵抗やインダクタンスで阻害されて高速に行えません。この場合、パスコンとして高速化には貢献できていないけども、電源のリップルフィルタ的な効果はあるので、まったく無意味でもありません。音的にこれが良い(好き)と言われるとそういう手法だと言わざるを得ません。

オーディオのGND配線は奥が深いです。闇が深いわけじゃないのでご安心ください(笑

 

 

 

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

ディスクリート回路でもオペアンプを使った回路でもよくやるのですが、パスコンの組み合わせで音質を調整するのは邪道なのでしょうか? 好みの音質にするために3種類程度の容量の違うコンデンサを組み合わせていますが、パスコンに影響されない回路・方法はあるのでしょうか?

こんにちは。

昨年末からノイズとアースの記事は大変参考になります。
難しい内容ですが、このような内容の記事はあまりみかけません。
たまにブログで苦労話がありましが、アース配線を見直したら
直ったと・・・どう直したがなく何の参考にもなりません(笑

私も今ノイズで少し悩んでいます。音楽を聴くには特に問題がないので
対策が後回しになってしまいます。
ノイズはスピーカーに耳を近づけてプリアンプのボリュームを通常音楽を
聴く位置まで上げると”ジー”というノイズ。1メートルくらい離れるとあまり
聞こえないレベルです。
プリアンプだろうと思っています。プリアンプは左右独立無負帰還電源で
回路はボリュームの前後にFETソースフォロアーを入れたゲインなしの
アンプです。原因はたぶん、どこかのパーツ劣化あるいはアースワイアリング
だと思っています。コツコツとやっていこうかと。

これとは別ですが、DAC

すみません操作ミス?で中途半端で・・・

続きです。
SDカードプレーヤーとDAC(QA550という中華プレーヤーとPCM5102DACの組合せ)
を製作してプリアンプ+メインアンプにつないだところ”ブーン”というハム音が。
この時はSAカードプレーヤーの出力RCAジャックのL側のGNDを開放にしました。
結果はピタッとおさまりました。LRの接続ケーブルでアースループがあったようです。

私のシステムは 
SDカードプレーヤー→DAC→プリアンプ→メインアンプ(ALX-03)
このうちプリアンプがツインモノラル、メインがステレオ(LR共通電源)という変則的
な組み合わせです。なのでたまにノイズに悩まされます。
もともとすべてバランス接続でしたが、いろいろと機器を作りアンバランス接続に
なってしまいました(大笑

アースとノイズの記事は大変参考になります。

ymokQTD さん

パスコンの影響をなくすというのは、ほぼ無理だと思います。
電源が音に影響するは避けようのない事実ですし、電源でアンプの音の半分が決定される。 とまで言われています。

そういう意味で、パスコンで音を整える。好みの音にするというのは間違っていないと思います。


マイペースさん

オーディオ系のGND(アース)は、しっかり説明している情報源が見つからないですよね。
おそらく110dBを超えるようなS/Nの世界というのは、オーディオを除くと、非常に限られたアプリケーションでしかないのだと思います。なので、アースの接続方法は、他の電子回路に比べてシビアなのかもしれません。

ただ、音質的なところでは、低ノイズ=高音質とも言えません。「サー」というノイズが聞こえていても、音楽的に聞き入ってしまうというアンプもあります。
超低ノイズ、超高S/Nをカタログでうたっているアンプの方がつまらない音と感じることの方が多いくらいです。

そうはいっても曲間で気になるほどのノイズが出ているなら対策は必要ですね。
上の記事などで改善できたら幸いです。

複数系統のGND端子を持つICがあって不思議に思ったことがありますが、あれはリターン電流経路の最適化や不要な相互干渉を避けるためだったりするんですね。

恥ずかしながらよく分からなくなるのが、GND配線やパタンの太さや長さの影響です。
例えば一筆書きでも、その配線太さやパタン面積を大きくしていくと、ベタGNDに近い振る舞いになる気がします。
かといって配線やパタンを細長くしたり、一点接続部から各GNDの引き回しが長くなったりすると、それ自体がアンテナになったり、各GND電位が振れたり差が出たりしてしまうのではとも思います。
もちろん、扱う周波数や電力で変わってくると思いますし、よくよく考えると機器間や基板間のGNDはリード線で接続しているので、懸念しすぎなのかもしれませんが・・・
このあたりの感覚が設計者のノウハウなのかもしれませんね。

GNDからはちょっと離れますが、機器内外の配線も奥が深いと思っています。
平行、ツイストペア、単(多)芯シールドと構造が複数あり、さらに単線と撚線がありますが、その使い分けやシールドの接続先についてはまだまだ理解が追い付いていません。

zpさん

GNDの接続は奥が深いです。小さい基板でGNDの面積を拡大していくとおっしゃる通りベタGNDとの差は見えなくなりますね。複数の回路が載ってくると、信号に沿ってGNDを強化しているのか、まったく関係なくGNDをベタにしているのかは区別できると思います。

配線材という意味では、機器の外も中も同じく重要ですが、スピーカーケーブルほどのお金をかけたぶっといケーブルを使いアンプ内部の配線をしている人は少数派かもしれません。(真空管アンプビルダーは内部配線にもこだわる比率は多いと思います)

自作家は、ケーブルの種類で音を作っていくのではなく、回路自体や部品の種類で音を好みのものにしていく事が多いからだと思います。製品を買う人は中身をいじらないのが基本ですから、機器の外で調整する。という違いがありますね。

まあ、どちらも自分の好みの音になるようにしていくという部分に違いはないですね。

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