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« パワーアンプ基板よりも大きい超弩級ヘッドホンアンプ(2)回路の説明 | トップページ | 偽物のOPAMPが溢れている? »

2019年10月 1日 (火)

パワーアンプ基板よりも大きい超弩級ヘッドホンアンプ(3)回路の説明2

先日の続きです。

最終段とNFB、遭遇した問題点と対策案を書いていきます。

 

出力バッファ

出力バッファは2段ダーリントンにしました。

3段にしなかった最大の理由は、終段から帰還しない場合において、3段よりも2段の方が歪みを低くできるからです。

Hpa1000_2

トランジスタのVbeはいわばクッションのような感じで、負荷電流に応じて増減してしまうため、3段よりも2段の方がゆるゆるにならずに済むのです。座布団2段重ねと3段重ねをイメージすると良いかもしれません。

3段にすると発振しやすくなるという欠点もあります。ドライブ能力は当然3段の方が上ですが、出力TRを多数並列接続にする力技でドライブ能力を高めています。(2段ダーリントン+多数パラはアキュフェーズがよく使っていた)

 

回路を良くご存知の方は、不思議(危険?)に思うかもしれない点として「ベース抵抗が無い」ってところも特徴になっています。

通常、このようなエミッタフォロアのベースには発振止めとして数Ωの抵抗を入れます。今回はベース抵抗を入れない代わりにエミッタ抵抗を(無誘導低歪金属板抵抗)1Ωと大きくしています。

この辺は完全に趣味の問題です(笑

エミッタ抵抗が高いと容量性負荷に対して発振しにくくなるという副産物もあります(出力コイルが要らなくなる)。

ヘッドホンアンプの特徴として、電源ON状態でジャックの抜き差しが普通に行われる為、アンプ出力はデッドショートに耐えなければいけません。そういう点からもエミッタ抵抗大きいと安心です。

 

個人的な見解ですが、最終段のベース抵抗、10Ω入れるともっさりした音になるんですよね。たかがベース抵抗、されどベース抵抗といった感じです。入れるなら上限3.3Ωくらいまでですね。パワーアンプではエミッタ抵抗が高いとロスが大きくなるのでこの方法は使えません。

 

 

NFB

最終段から220kΩという高抵抗でDC成分のみを100%帰還してDCオフセットを低減しています。つまりDCゲインは0dBです。交流成分の方は2段目から4.7kΩの2パラで帰還しています。

 

Hpa1000_5

  < DC成分とAC成分を別々のルートで帰還している >

 

ACゲインは470Ωと4.7k//4.7kで6倍=15.6dB

DC側は220k+470と47uFとでカットオフ周波数は約0.015Hzになり、それより高い周波数は2段目からの帰還が支配的になります。

コンデンサが4.7uFでもカットオフが0.15Hzなので、フィルムコンデンサを使っても良いかもしれません。PMLCAPでちょうどよい物がありました。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08056/

2段目はこのNFB抵抗4.7kが負荷抵抗でもあり、ゲインが低くなっています。エミッタ側に入っている180Ωとの関係で4.7k÷180=26倍(28.3dB)のハズです。

よってAC成分のNFB量は、初段6dB、2段目28.3dB、仕上がりゲインが15.6dBから

6dB + 28.3dB - 15.6dB = 18.7dBです。

通常、半導体アンプでは50~60dB以上、場合によっては100dBかけるNFB量ですが、今回の回路はかなり少なめな設定ということが分ります。(試聴の結果で定数を変えるかもしれません。)

 

DC成分・AC成分とを分けて帰還するこの方式はLuxmanがやっていたデュオベータと似ています。ざっと調べてみたところ、LuxmanはDCサーボ回路を使っていていることが多かったようです。帰還量を少なめにするという趣旨もカタログに書いていたので、考え方として似ていることは間違いないですね。
https://audio-heritage.jp/LUXMAN/amp/l-58a.html

このヘッドホンアンプでは、DC成分を最終段から、AC成分を2段目から帰還していいる点でLuxmanとは異なり、一応、終段無帰還アンプの一種と考えています。

 

 

問題点1…終段バッファの熱暴走

沢山並べた最終段のトランジスタにアイドリング電流を流すと熱が発生し、温度補償用のトランジスタの補償が追いつく間もなく電流が走りはじめて熱暴走を起こしてしまいます。

片側の列のトランジスタに温度補償TRをくっつけてみたところ、若干良くなったけど、片側の列しか感知しないので効きが今ひとつです。

仕方ないので上下2分割タイプの温度補償回路にしてみました。モノラルアンプで左右にヒートシンクが分かれているマークレビンソンのアンプ等で使われていた方式です。一番上の写真の通り、最終段TRに2つを貼り付けています。

上の回路図でいうとQ29が追加した温度補償TRです。

 

結果、バッチシです。

電流値が完全に安定するようになりました。電源電圧が高いので各25mAも流すとけっこう熱いです。とりあえず各15mA前後にしました。15mAx6パラ=90mAですので

(90mAx2)^2 x 30Ω = 約1000mW までA級動作です。

もう少しアイドリング電流を下げても良いかもしれませんね。大抵のヘッドホンでは10mW~50mWくらいで爆音になります。
電流を下げたときの音質次第ですが300mWまでA級動作って感じで十分と思われます。

 

 

問題点2…ハムノイズ

感度の高いヘッドホン(MDR-M1ST)でハムノイズが聞こえていました。曲間などの無音時には50uVくらいのノイズが普通に聞き取れるヘッドホンだと思います。

ボリューム後の微小な信号配線がトランスの近くを通ってしまう、雑に組んだテストベンチの配置がよくありませんでした。

アンプ入力までの信号配線を動かすとハムの具合が変わりますし、アンプ基板が2手に分かれてグランドループが出来ている点もハムを増やす原因のひとつと考えられます。

ということで、テストベンチの配置換えをしてみました。すでに底板は穴だらけですが、ここにきて更に16個ほど穴を追加しました。

Hpa1000_5_20191003101901
     < アンプ基板の配置変え >

 

・ボリュームからアンプ入力まで最短で接続

・ボリュームから最も遠いところにトランスを配置

 

 

最初からこうすれば良かった。

  :

  :

  :

  :

  :

と納得の配置変えも 効果なし。

 

サクっと対策できるハズだったのですが、ハムノイズはむしろ増えたくらいの勢いです。
左右対称のレイアウトの方が見た目でかっこいいし(笑  改悪でしかなかった???

 

念のためオシロで波形確認してみましたが発振している様子はありません。(発振してハムノイズのような音が聞こえることがあります。)

 

原因は、何ですかね・・・ グラウンドループか、電源配線か。。。

 

このように「シミュレーションでは遭遇しない問題」というのが幾つもでてきます。これだからアンプ製作は楽しくてやめられないんですよね。

 

「トラブルシューティング」

ココが自作ならではの醍醐味なのかもしれません。

 

続報は、また今度。

 

 

 

 

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ヘッドホンアンプ」カテゴリの記事

コメント

>初段はksc1845です。A950/C2120はQ27とQ28のリップルフィルタです。
うわ、お恥ずかしい。勘違いしておりました。申し訳ないです。
コメントを投稿した後に(3)回路説明が投稿されて、やっぱり見当違いのことを言っていたなと反省中です。
もっと勉強してきます。

NFBはDC成分とAC成分で別々に帰還されているのですね。
始めて拝見しました。

熱暴走の対策は温度補償Trを2つに分けたのですね。
結構熱くなるそうなので、ヒートシンクをつけたくなりますね。
現状の部品配置だと難しそうですけど。

新しいHPAの着手されたみたいで今後が楽しみです。
ちなみに電源電圧は±なんボルトくらいなんでしょうか?
初段  差動
2段目 プシュプルエミッター接地
終段  2段ダーリントン 6パラにして実行gmを挙げてメジャーループ帰還無でも低歪狙い?
みたいな感じでのびやかで開放的な音質狙いでしょうか?

掲示板のほうに参考の回路図upしておきました。よけいなお世話でしたら
申し訳ありません。

maki さん

ありがとうございます。ご推測されている通りです。

しっとりと大人のサウンドが実現できればいいなって思っていますが、今のところキレ味最高のサウンドになっています(笑

初段の電流を1.0mAから0.2mA刻みで2mAくらいまで試聴してみて、気に入ったところがあればいいんですけどね。電源電圧は約20Vです。このくらいまでなら25V耐圧のコンデンサが使えるので部品が入手しやすいというメリットもあります。

回路図の方、ありがとうございます。パイオニアも面白い構成をとっていたんですね。参考になります。

sue18jp さん

2つに分けたNFB回路は、どきどき見ますね。電圧帰還でのDCサーボではみんなそうですし。

最終段はヒートシンクを付けないことを前提にして放熱面積を増やす目的もあってパラ接続にしています。
ヒートシンクを付けるなら、TO-3PパッケージのLAPTなどを使ってしまえば済んでしまいます。


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