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« 現代に甦るLUXKITはソフトもハードもイジりたい放題!? | トップページ | Moode Audio R5.2用のSabreberry32ドライバをリリース »

2019年5月12日 (日)

300W級 Dクラスアンプの構成について

先日の記事のD級アンプに想定以上の反響があったので基板製作を進めようかと思っていますが、ひとつだけ難点があります。

 

このアンプ基板は、下の写真のように全3枚で構成しています。

Pa_eng02

< D級アンプにしては基板サイズが大きい >

SDカードはサイズ比較のために置いたのものです。

 

HPC-01  HYPER PULSE CONVERTER

大きい方の基板「HPC-01」は、長さ150mmあり、サイズからするとVFA-01やALX-03くらいの頒布価格になると思います。秋月電子など国内ネット通販で購入しにくい部品を付録することになれば、その部品代が上乗せになります。いまのところ選定した出力コイルが入手しにくいです。

殆どの部品はリード品で構成しましたが、音質的な観点からPMLCAPなど表面実装品も一部に使っています。製作にピンセットとルーペは必須と思います。

 

 

PA-ENGINE  PULSE AMPLIFIER ENGINE 

小さな基板の方にTPA3255を搭載していて2枚をくっつけて1シートにしています。実は1枚のみでBTL x 2chとしても使用可能です。上のHPC-01との組み合わせで使うとパラレルBTL動作のモノラルアンプになり、2枚でステレオアンプが完成します。ざっくりwebで基板の単価と実装代などを見積もってみたところ、やはり相当な金額になりそうです。

販売店さんの販売手数料も含めると

・実装済み1シート(2枚一組)なら、1万円をちょっと超える。

・部品+生基板で、全てご自身でハンダ付けするなら、5~6千円くらい。

・生基板のみなら1500円くらい。(すべての部品を別途購入する)

 

じつはですね。手実装するにはちょっと難易度が高いのです。

こんな感じでHPC-01の裏側にPA-ENGINEを取付ています。

Pa_eng01

D級と言ってもアンプICは発熱するのでヒートシンクに付けて放熱する必要があります。

Pa_eng03

アンプICを放熱するようにヒートシンクへ取り付けると、抵抗・コンデンサの隙間は殆ど無ありません。それらをヒートシンクにショートさせると壊れる可能性があります。

アンプICの高さ約1.00mm、チップコンデンサの高さ約0.90mm。

実際には絶縁の放熱シートをヒートシンクとの間にはさみますので、この写真ほどのシビアさはありませんが、アンプICもチップ抵抗・コンデンサも基板から浮くような実装はまずいです。

 

Pa_eng04

< ネット上にあった手実装の例 >

1608サイズの抵抗、コンデンサを付けると大抵こうなります。 コンデンサの高さよりハンダが盛り上がってしまいますよね。。。

 

 

 

1.難易度の高い実装にチャレンジして価格をおさえる。

2.価格が高くなってもPA-ENGINEは実装済みにする。

どちらが良いでしょうか?

 

 

3.アマゾンでTPA3255基板を買って満足いくまで改造する。

というのもアリかもしれません。私はとくに関与しません。

 

 

追記========================

ダンピングファクタを測ってみました。ON/OFF法での数値です。

 DF(1kHz)=166

 DF(100Hz)=175  という結果に。

NJFさんのD級アンプでは1kHz時「55」だったので期待していなかったのですが、随分良い値がでて驚きました。

パラレルBTLのおかげか、出力インダクタの違いか。

 

 

 

 

 

 

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パワーアンプ」カテゴリの記事

コメント

年寄りにこのサイズのハンダ付けは無理です。
ぜひ、実装済みでお願いいたします。
それでも infineon iRaudamp シリーズよりずっと安価です。
どうかよろしくお願いいたします。

たかじんさん

非効率なスピーカーを使ってますので、このDクラスアンプ頒布された場合、是非入手したいと思っております。

個人的には、難易度の低下、安全性の確保が優先です。

2.高くなってもPA-ENGINEは実装済みにする。
に一票です。

頒布を楽しみにしています。

2.価格が高くなってもPA-ENGINEは実装済みにする。 でお願いできればと思います。

また、PMLCAPなど表面実装品ありとの事 
微細はんだは苦手種目ですが、ECHU 0.1uf程度なら実装実績あります笑。

たかじんさん
2.価格が高くなってもPA-ENGINEは実装済みにする。
で、ご検討いただきたく。

SPの能率は86,7dBぐらいですが、ハイワッテージの制動力がどれほどなのか、興味が高まります。

「2.価格が高くなってもPA-ENGINEは実装済みにする。」に賛成です。アナログ自作派にとって、ケース加工や熱対策は己の経験を駆使し、制限のある予算を克服するための血沸き肉躍る状況です。しかし、最近の面実装は作業適性の選別が激しいため(私は全く自身が有りません)、面実装部品は処理して頂き、基板の配置やケース加工に注力できる基板構成が一番ありがたいです。

たかじんさん、

この基板に興味を持ちました。

私は、道具が揃っていますので多分実装可能だと思います。安価な方に魅力があります。プラス1万はちょっと...

ネットの写真より、もう少し綺麗に作れると思います。

mikeさん

infineon(元IR)のDクラスアンプドライバは、確か製造中止になったような気がしますが、まだ作っているのでしょうか。
シンプルに設計できてパワーは終段のMOS-FET次第で8オーム500Wとかも可能という面白い製品と思います。

sunacchiさん

近年のSPは能率の低いモデルが多いですからね。

くまさん

すみませんHPC-01側に、PMLCAP以外にもチップFET、チップLED、SO8ICがありました。先の細いピンセットと共晶ハンダが有れば難易度が下がります。

この惑星で、一番働くものさん

86dBですか。かなり低いですね。D級アンプは出力LCフィルタのおかげでダンピングファクタは低いため、制動力もA・AB級より低いです。
近い内に、このアンプのDFを測ってみますね。

daidirou さん

おっしゃる通り電子工作は、最終的にケース加工が決め手ですね。

AYORさん

流石です。実装をしなくしてもまるっと1万円下がる訳ではないのですが、PA-ENGINEの価格は半分くらいになるかと思います。
一部を未実装版として準備できるか、検討してみます。
部品を一切付録ぜず、生基板だけなら1500円くらいにできるとは思いますが、さすがに購入者の負担が大きすぎますね。

小生、秘密兵器(オーツカ製照明付拡大鏡)を中古でオク購入しお気楽さんの基板で鍛えられたので半田付けは苦になりませんが、放熱器とのクリアランスの小ささが気になります。発熱の程度は?PMLCAPへの熱の影響 実装での基板取り付け圧(歪み) などに悩みそうです。

onajinn さん

藤原さんの基板を製作される方はかなりの腕前ですね。
アンプIC自体の発熱は、普段使っている限り、搭載しているリニアレギュレータよりも低いと思います。
このケースのヒートシンク部は40度くらいの温度ですから、Δtは15~20度あたりと思います。

発熱部からフィルムコンデンサや電解コンデンサは距離があるので、おそらくヒートシンクほどの温度には達しないと思われます。

おっしゃる通り、ヒートシンクとの隙間は殆どありません。手付けすると、チップコンデンサの上側にも半田がのることがありますが、ほぼ許容できません。

PA-ENGINEの裏面に抵抗とコンデンサを移動すると手実装しやすくなるけど、今度は自動実装が両面になり、そちらの価格が上昇します。ついでに信号の多くがスルーホール接続になってしまうので性能的にも不利になってしまいます。
なかなか悩ましいですね。


#2に一票です。
手半田したチップ部品の高さは盲点でした。特にチップ部品の上側に乗り得る半田の管理は厄介そうです。
TI社の評価基板も、PA-ENGINEと同様に放熱器下にチップ部品が最短距離で実装されていますね。
PA-ENGINEの裏面にチップ部品が移動するなら、生基板でも何とかできそうですが、スルーホール接続のインダクタンス増の影響はなんともですね。

infineon のドライバーチップ、IRS2092は確かに製造中止されたものもありますが現役のものもあるようです。

もっとも私はもっぱら組み上がった評価基板のみで自分で組んだりはしていません。(とてもできません。)

私が使っているのは、iRaudamp7D というディスクリートバーツを使ったもう製造中止になったものですが、BTLで使うととても安定しています。

電源をきちんと組み、バッファを付け加えるといい感じになります。

この基板、難しいのは電源でした。何も知らずに適当に組み上げると音がなまったりモーターボーディングしたりします。

ですから、今回の基板の電源は興味津々です。

たかじんさん、

基板頒布、お待ちしております。

私は安価な方に魅力を感じています。TIの評価基板がやはりそれなりのお値段ですが、プラス1万はそちらに近くなってしまいますので…

ちなみにですが、取り付けるヒートシンクですが、パソコンのCPUクーラーのようにIC部分にだけ金属部分があたりやすくなっているようにはできないのでしょうか。ふと思ったのでお聞きした次第です。

いちあいさん

実際には絶縁の放熱シートをヒートシンクとの間に挟むので、0.1mmくらい出っ張っても多分大丈夫です。

とは言っても難易度が高いことに変わりはありません。

mike さん

なるほど、ドライブの難しさというのもあったのですね。
調べてみるとIRS2092は秋月電子でも売っていますね。よくできたICと思います。買収されてIRのオーディオ製品開発が終わってしまったのが残念です。

電源に関してはHPC-01上に作っているため配線も最短で供給できるのと、基板構成が少なくシンプルにできるというメリットがあります。

バターさん

書き方が悪かったようですみません。自動実装すると1万円上がるわけではありません。ざっくり、基板+ICでは6000円。自動実装した基板なら11000円。という感じです。
TIのリファレンスボードをパラレルBTLで使うには、2枚必要ですので3.5万円くらいになるかと思います。そして電源部なしです。

おっしゃる通り、ヒートシンク側に出っ張りがあれば、ずいぶんと楽になりますね。TIのリファレンス基板はそういうタイプを使っています。

放熱シートとか、耐熱テープでヒートシンクとの接触部をカバーできませんか。

1608チップがハンダづけできれば、余分なハンダは極力、ハンダ吸取線でとります。

AYORさん

放熱用の絶縁シートは、どのみち必要です。そのおかげで触れるくらいの高さになってもショートしません。

ただ、アンプICよりもコンデンサの方がでっぱるとアンプの熱がヒートシンクに伝わりにくくなってしまいます。

1608よりも1005や0603チップの方が高さは低くできるのですが、より難易度が上がります。

生基板のみ版も何枚か用意しようかと考えていますので、もしよかったら挑戦してみてください。

お世話になります。

生基盤のみのご提示魅力的です。
TA2020~TPA3116等D級アンプ基盤でいろいろ遊んできました。
出力コイルはカップリングコンデンサ同様に音の傾向が変わるので色々いじりがいがあるなぁ、と感じております。
必要インダクタが小さい分手巻き空芯コイルを使ったり、二個入りの防磁コイルを並列したり、工夫しどころになるかと思うので、可能であればリード用のピアホールもあると嬉しいかと思います。

降霜さん

なるほど、コイルを自作するという案は思いつきませんでした。
大変参考になりました。

現在は、エッジワイズコイルという少し特殊なコイルを選定し、基板裏にしかパターンがありません。

ご存知かもしれませんが、エッジワイズコイルは密度が高いため、巻き数が少なくて済みます。現在使っているものも、なんと8ターンしか巻かれておりません。おかげで直流抵抗が10mΩ以下という低い値になっています。

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