現代に甦るLUXKITはソフトもハードもイジりたい放題!?
私も購入したことはないのですが70年代から80年代にラックスマンから真空管アンプなどのキットが販売されていました。真空管パワーアンプはかなり人気があったようでヤフオクにも常時出品されていて、未だに人気が絶えません。
過去のLUXKITの一覧はこちらのサイトが詳しいので興味のあるかたはどうぞ。測定器シリーズなんかもあったんですね。
恐ろしいことに、プリメインアンプやコントロールアンプの一部は、市販品の管球式プリアンプと変わらない複雑さで、これがキットというのが信じられないくらいです。完成させることができなかった人もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、脱線はこれくらいにして、本題へ入ります。
先日のヘッドホン祭 2019春にて発表されたラックスマンの「おせちBOX」のお話です。
<LUXKITという名称を使う事が正式にアナウンスされた おせちBOX>
「Raspberry Piを使ったネットワークオーディオのキット」という部分はご存知の方も多いかと思います。ターゲットユーザーはハードウェアもソフトウェアも自分の好みにいじれるマニア。とのこと。価格は5~10万円というレンジと以前発表されていましたが、低い方にできるのでは。という事もおっしゃっていました。
今回の発表では、ワンボードオーディオコンソーシアムのソフトウェアの新機能がメインと感じました。
MPDを核とした構成は、一般のオーディオユーザーからはとっつきにくいところがあり、パソコンやCDプレーヤーで音楽を鳴らす方法と手順が違いすぎるということで、そこを改善してきたようです。
上の写真でバレバレですが、
1.CDプレーヤにディスクを入れてリモコンで操作すれば音楽が聴ける。
デモでは以下の2項目も
2.FLACなどの音楽データを入れたUSBメモリを挿すと、自動で音楽を再生するオートプレイ機能。リモコンで操作もできます。
3.USB-DACのようにLANケーブル1本でパソコンやmacと接続するLAN-DAC機能。詳細は後述。
デモは行いませんでしたが、MPDも搭載しているのでNASに入っている楽曲も再生できますし、ネットラジオなども聴けるのではないかと思います。
このブロック図がわかりやすいですね。NASの接続がUpmpdcli経由ということはDLNAも搭載ということでしょうか。色んな使い方をサポートしているのが分かります。
Direttaって?
最大の目玉は「LAN-DAC機能」こと「Diretta」対応です。
スフォルツアート(日本のハイエンド・オーディオメーカー)のネットワークプレイヤーに搭載されていて一部で話題になっています。Direttaも日本の会社「MegaTech Electronics」が開発しているとのこと。
接続は超シンプル。LANケーブルをおせちBOXとパソコン間に挿して終わりです。Ethernet HUBもいりません。
mac bookでデモしていたときはUSB-LAN変換コネクタを介していました。パソコン上から接続先のDAC(おせちBOX)は自動で認識しているように見えました。(macでの再生は開発途中のためコマンド操作)
パソコンの再生音がLANを介して外部スピーカーから出る。みたいなイメージですね。iOS/iTunesのAirplayのように誰もが簡単に鳴らせると思います。
一般のオーディオユーザーが簡単に使えるようになるというのは大きなメリットです。
Direttaは、パソコンのオーディオドライバ(ASIOドライバ)の一つとして認識するので、再生ソフトウェアに縛られることなく再生ができるっぽいです。デモではAudirvanaでMQAデコード再生も行っていました。
音質面に関していえば、ネットワークの負荷(転送レート)が再生中一定で、電源周りのノイズが減るという説明もされていました。
詳しくは、Direttaのwebサイトをご覧ください。
MPD設定をいじって再生前に1曲分のデータをローカルに持ってきて、メモリ上から再生してネットワーク負荷をゼロにするのと、どちらが良いか。そのあたりも気になりますね。
今後の予定は
ワンボードオーディオコンソーシアムのディストリビューション「1bc」は、おせちBOXの発売と共にオープンソースで公開する予定らしく、その中にDirettaが入ってくるとなると一気にDirettaユーザーが増える可能性を秘めていますね。Volumioのダウンロード数から推測すれば、ラズパイでオーディオを楽しんでいる人は世界で数万人いると思われます。
ライセンス形態がどうなるか分りませんが、一時期のMoode Audioのように10ドルくらい払うと、パスワードが送られてきて機能がイネーブルされるなんて感じなら嬉しいですね。
あと気になったのは、リアパネルの端子群。
バランス出力、SPDIF出力、10MHz外部クロック入力。
さてさて、どういう仕様で登場するのでしょうか。まずは、クラウドファンディングも視野に入れて、どういったユーザー様が購入されるのか? マーケティングも含めて進めて行くとのことです。
いよいよです。
蛇足ですが、インターフェイス社のUSBオーディオ伝送技術「Bulk Pet」、MegaTech Electronics社のネットワークオーディオ伝送技術「Diretta」、共に日本発の技術で高音質を実現していく世界に期待したいです。
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コメント
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なつかしいLUXKIT! A501持ってました。 ヒートパイプで終段のTrの熱をヒートシンクまで持って行くんですね。
しかし、このパイプの中でグツグツ煮える音がしてうるさいのと、パンチングメタルのボンネットが熱で膨らんで、しばらく運転してるとついに「ボコンっ」と音がして凸状になるのがいまひとつでしたが(笑)
本体は木で出来てて、箱開けて不思議に思った事があります。
いつの間にかやめちゃいましたが、ヘッドフォン祭で復活すると聞きました。LAN-DACと合わせて楽しみなものがあります。
投稿: 天 麩羅夫 | 2019年5月 7日 (火) 15時52分
天 麩羅夫 さん
LUXKITをお持ちだったとは、さすがですね。ヒートパイプがそんな音を発していたとは知りませんでした。
今では、パソコンのCPUを冷やすのに必須なものですよね。これを書いているPCにも8本使われています(笑
CPUファンの音がうるさくヒートパイプの音は聴こえないですけども。
LUXKITの復活、楽しみですね。 これを機にアンプシリーズも復活して欲しいです。
投稿: たかじん | 2019年5月 7日 (火) 21時44分
こんばんは、オーシャンです
私もA504作りました
ヒートパイプだったり、木製のシャーシなど変わった作りでした
音はあまり覚えていないのですが、派手な音では無かったと思います
やはり日本のメーカーは、CDを切り捨てる事が出来ないのですね
SDカードを入れ換えると、SMPDやmoOde、Volumio等でも動くんでしょうかね
それならバランス出力も有るので面白いと思います
投稿: オーシャン | 2019年5月 7日 (火) 23時28分
A501はプリの502と共に作りました。502はかなり時間がかかりました。
501は数年使ったのですが、ある日突然煙が出て逝ってしまいました。スピーカーはプロテクトが働いて無事でした。石のパワーにはそれ以来怖いという印象しかなく、後年金田式に手を出した時もパワーは作りませんでしたw
投稿: ひろせ | 2019年5月 8日 (水) 07時00分
オーシャンさん
オーシャンさんもお持ちでしたか。さすがです。一流のメーカーが出すキットというので人気があったのですね。トランスも結構豪華に見えるので音も良さそうです。聴いてみたいなとも思うのですが、ヤフオクですごい人気で気軽に買えません。
CDに関しては、ユーザからの意見があるんじゃないでしょうか。CDユニットはあくまでも拡張ユニットの一つなので、いらない人は購入しなくてもOKと思います。
この2つのユニットの他、6個か7個くらい企画されているようでした。
LUXKIT、かなりヤル気です!!!
おそらく、他のディストリビューションでも動作すると思います。
ひろせさん
おおお、さすがです。
https://audio-heritage.jp/LUXMAN/kit/a502.html ここをみると
A502の回路規模はんぱないですね。実装済みの基板じゃなく自分ですべてハンダつけするなら、キット販売していたのが信じられません。
故障時にちゃんとプロテクトが効くというのは、さすがに素晴らしい構成ですね。 とはいっても完全な素人向けのキットとは思えません。
当時からLUXKITはハンパなかったんですね。
投稿: たかじん | 2019年5月12日 (日) 18時05分