PICkit 3のProgrammer-To-Goを試す
これまで何年間かPICマイコンの書き込みToolのPICkit 3を使ってきましたが、本体についているタクトスイッチ(ボタン)が何のために存在しているのか気にかけていませんでした。
調べてみると、PICへ書き込むデータをPICkit 3本体に保存して、PCレスでPICマイコンに書き込むことができるとのこと。
マイクロチップは、この機能のことをProgrammer-To-Goと呼んでいます。
Programmer-To-Go 略して PTG と呼ぶこともあります。
最新のPICkit 4にも同様の機能があって、データ保存領域にSDカードを挿すソケットがついていますが、現在のところまだ対応していないらしいです。
超安価なMPLAB SNAPにはこの機能はありません。また、PICkit 4もSNAPも新しすぎて開発途上のようで対応デバイスに制限があります(今後解消されるとは思う)。会社でSNAPを買った人がいたので借りたのですが、使おうとしているデバイスに対応していないという不具合にあたりました。
さてさて、
PTGを超便利に使うには、ちょっとだけ準備が必要です。
プロジェクトのプロパティからPICkit 3を選んでPowerの項目でPICkit 3からボードへ電源供給してあげるように設定します。
こうすることで、ボードに別途電源を供給しなくてもPICkitから供給できます。上記の設定は約3.3Vを供給するように設定しているところです。
この状態で、いつも書き込むアイコンから「Programmer To Go PICkit 3 Main Project」を選択します。(一番上の画像)
この時点でボードをつなげておく必要はありません。
終わったらPICkit 3をPCから抜きます。
続いて、ボードにPICkit 3をつなげた状態でUSBケーブルをUSBポートに刺します。スマホチャージ用のUSB電源でOKです。
7~8秒Status LEDが赤く光って消えます。これで準備完了です。
おもむろにPICkit 3のタクトスイッチを押します。
< ボタンを押すとStatus LEDが赤く光って書き込み >
プログラムが小さいと2~3秒で書き込みが終わり、Status LEDが緑色になり結果OKを示します。
書き込み終わったらUSB電源を遮断します。当然、ボードへの電源供給も切れてPiCkit 3を安全に抜くことができます。
書き込むときだけ電源供給しれくれれば完璧だったのですが、そういう仕様ではないらしいです。
USBのように活線挿抜が当たり前になっていると、ついライターの配線もそのまま抜き差ししたくなりますが、お気をつけください。基本的に電源が入っている状態で抜き差しは厳禁です。デバイス破損、もしくはライターが壊れる可能性があります。
このPTG、沢山の基板にファームウェアを書き込まないといけない時に便利かもしれないと思いました。(ホントに大量のときは代理店に書き込みを依頼するという手があります)
1枚の書き込み時間(ライターセットからライター引き抜きまで)は最速15秒くらいで完了します。
PCに接続してMPLAB Xで書き込むとき、電源供給のON/OFF操作だけで非常に深いメニューの操作が必要で厄介になっていました。以前のMPLABではPower供給アイコンがあって「ぽちっ」と押すだけで電源供給をON/OFFできたんです。
Xになって改悪したポイントだったのですが、PICkit3のPTG機能で多少は救われました。
普段の書き込みの遅さ、電源供給ON/OFFのしにくさ、リセットのトグルの遅さなど旧MPLABに比べて劣る点があるものの、さほど難しいプログラムをしているわけでもないので我慢できなくも無いという感じです。 まあ、でも、改善してほしいですね。同じPICkit3で実現できていたんですから。
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