エレキ万博2018 に黒田徹氏設計の超低歪アンプを出品いたします。
今年の3月から7月まで製作+検討を行なった超低歪アンプで、回路設計は黒田徹氏によるものです。
回路や基板の詳細は、誌面での掲載となりますが、こちらのシミュレーション回路を現実の世界へと召喚しております。
ひずみ率(THD+N)は36W出力時に0.00037%を達成しており、それでもなお2次ひずみや3次ひずみなど歪モニターに波形が見えない(残留ノイズのみ)という、まさにZEROひずみアンプです。
1985年に超低歪率アンプとして名を馳せたテクニクスのSE-A100に匹敵するくらいと書くと分かりやすいでしょうか。 SE-A100はClassAA回路を搭載していました。
< 20kHz 36W出力時のひずみモニター波形 >
20kHzにおいても、ひずみ波形は残留ノイズしか見えない。
試聴してみましょう
せっかくですので、じっくり試聴した感想も書いておきます。
実は、このアンプの製作時にちょうどよいトランスが入手できず、40W出力を得る電圧に対して1ch分の電流をギリギリ供給できるトランスが共立電子に売っていました。そんな訳で豪華にもL/R独立トランスという構成になりました。
電源から左右独立したおかげもあってか、空間表現が妙に得意です。
前後左右、高さまでもが目に見えるようなハっとする空間がCDをかけた途端に現われます。
そして、今まで聴いたこのとない優しいフワっした音で、弦楽アンサンプル、バラード系のボーカルが最高に合います。
その反面、JAZZピアノの鋭いアタック、ドラムスのパワー感が物足りなくもあります。私がチューニングすると、力強さや低域の安定感を重視してしまうのですが、黒田徹氏設計オリジナルままの音を皆様に聴いていただきたく思い、一切手をいれておりません。
お時間がある方は、ぜひ足を運んでみてください。ちなみに音が鳴らせる環境かどうかは存じておりません。
トラ技ジュニアのイベントなので学生や25歳未満の方は無料だそうです。
よろしくお願いいたします。
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コメント
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たかじんさん、どうも。
基板起されましたか。 すごいな。
これ再現可能だったとは思いませんでした。
投稿: 天 麩羅夫 | 2018年7月24日 (火) 14時42分
天 麩羅夫さん
シミュレーションでは理想電源(インピーダンスやリップルがゼロ)、理想配線(配線抵抗・Lがゼロ)、周囲の磁界、誘電ノイズ、飛び込みノイズがゼロという環境ですからね。
シミュレーション結果と完全一致とはいきません。
部屋の蛍光灯(HFタイプ)をつけるだけで、0.001%オーダーの飛び込みがでるなど、計測は困難を極めました。
投稿: たかじん | 2018年7月25日 (水) 08時28分
たかじんさん、どうも
実測だと色々大変ですよね。
会社にいたときやってたEMI測定を思い出しました。 ノイズ対策が重要で、夜測定したり、屋外にシールドルーム作ったり、隣県の山中の施設借りたり、ついには地下室作ったりと。 コロラドの山ん中まで行った人もいました(笑)
投稿: 天 麩羅夫 | 2018年7月25日 (水) 17時14分
天 麩羅夫さん
それはすごい。 EMC計測のサイトは関東でもいくつかありますね。 世田谷には何度か行きました。 1発目の計測では毎回落ちて四苦八苦してました(笑
ああいう所に行くひとは、パソコンのDCジャックの配線のフェライトコアの意味が分かりますよね~ 外部からのノイズを遮断するのが目的じゃなく、本体から外へ放出しちゃうのを防ぐ意味が強いと。
投稿: たかじん | 2018年7月27日 (金) 15時43分
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投稿: JerryEscak | 2018年7月27日 (金) 16時07分
80年代にあった低ひずみ競争? を思い出します。
各社でかっこいい名前のなんとか回路と命名してました。
この回路も黒田さんになんとか回路と命名してほしいものです。
オーディオというと音楽性が大事でスペック競争はあまり意味が無いとも言われますが技術的に突き詰めることの楽しさもありますね。
投稿: つに | 2018年7月29日 (日) 09時40分
つにさん
名称はZDAです。紙面でそう書いてらっしゃいます。
エミッタ抵抗の代わりにダイオード接続したトランジスタが挿入してある、とても面白い回路です。
80年代は疑似A級も各社からでていて熱かったですね。
あの頃生まれた回路をずっと使い続けたのはダイヤモンド差動回路のみでしょうか。
投稿: たかじん | 2018年7月29日 (日) 20時26分
トラ技を読んでいたので、興味津々です。
この基板は将来的な頒布のご計画はあるのでしょうか。
また、ALX-03のBTL化、その後、進捗ございまいたら、またブログにアップ頂けると有り難いです。
楽しみにしております。
投稿: ゴリラ | 2018年8月12日 (日) 13時40分
ゴリラさん
CQ出版さん次第ですね。 私の方からは勝手に頒布することはできません。
パワーアンプのBTL化は、ちょっと保留しておりますが中止したわけではありません。 よろしくお願いいたします。
投稿: たかじん | 2018年8月13日 (月) 21時34分
たかじんさん、早速のご回答、ありがとうございます。
著作権の関係ですね。
ともかく、あの回路図を基板化し、実際に計測データで証明するたかじんさんの技術力が凄いです。
なお、構想というか妄想ですが、プリ、パワー、スピーカーまで位相反転なしの完全なバランス駆動を試したいなと思う今日この頃です。
投稿: ゴリラ | 2018年8月14日 (火) 17時38分
ゴリラさん
ですです。 おそらく販権はCQさんになると思われます。
完全バランス回路による駆動は、GNDにリターン電流が流れなくなるので、原理的に信号が汚れにくく、理想的になりますね。転送のときに外来ノイズの影響を受けにくくなるのも良い点です。
投稿: たかじん | 2018年8月15日 (水) 08時06分