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2017年12月29日 (金)

旧来のコンプリMOS-FETと、近代の大電流MOS-FETとの相違点

かつて、サンスイが特別なモデルにのみに使用していたMOS-FETの2SK405/2SJ115のコンプリメンタリペアが、なんと若松通商にて販売していることが分かりました。

A33

<<ネットで拾ってきた2SK405/2SJ115の写真>>

 

 

データシートのスペックを見ると、その後継モデルの2SK1529/2SJ200に多くの項目で負けています。 2SK3163/2SJ555は秋月電子で売っている大電流MOS-FETです。

 

 

特性比較

ざっと代表的なスペックを比較してみます。

      Vds   Id    Yfs    ciss  Zo(0.1A) Yfs/ciss

2SK405:  160V   8A  2.0S  430pF  3.2Ω   4.6
2SJ115:  -160V   8A  2.0S  800pF  3.2Ω   2.5
------------------------
2SK1529: 180V  10A  4.0S  700pF  1.8Ω   5.7
2SJ200:  -180V  10A  4.0S  1300pF  2.0Ω   3.1
------------------------
2SK3163:  60V  75A  80S  7100pF  1.1Ω   11.3
2SJ555:  -60V  60A  45S  4100pF  1.3Ω   10.1

 

100mA時の出力インピーダンスZoはYfs-Idグラフから読み取って算出しました。大きな電流が流せるデバイスほどcissが大きく、高速にはドライブしにくいという特性があります。

こうして表で比較しても、いまひとつ判断に迷いますね。製造年代が20年も違いますから、cissを大きくせずに大電流が流せるデバイスが開発されてきたハズです。

それを分かりやすくするためにYfsをcissで割った数値を最後に加えました。この数値が大きいほど入力容量に対して順方向伝達アドミッタンスが高いことを示します。2SK405/2SJ115と2SK3163/2SJ555では2倍以上の差があります。

MOS-FETを駆動する立場から見ると、入力容量のわりに、大きな電流が流れてくれるということは、負荷として軽いと捉えることもできます。

また、大電流MOSは相互コンダクタンスgmが高いのは事実で、gmが高いほどソースフォロアとして使ったときに出力インピーダンスを下げる効果があります。2SK3163/2SJ555はバイポーラトランジスタに匹敵するほどgmが高い。

 

 

 

DENONは大電流MOSを採用

大電流MOS-FETは、従来のようにコンプリメンタリとしてペアでは作られていません。スイッチング用デバイスとして単独で、とてつもない大電流・低ON抵抗を目指しています。

DENONのUHC-MOSアンプは、大電流MOSの耐圧の低さを克服するためにFETのドレイン側に耐圧の高いトランジスタを挿入してタンデム回路で過電圧が掛からないようにしています。そんな事をしてでも大電流MOSを使うメリットがあったということでしょうね。(現在は、高耐圧MOSを準コンプリでつかっている模様)

電源電圧が±30V以下の小出力アンプ(ノンクリップ8Ω40Wまで)なら複雑怪奇な回路なしでそのまま使えます。

入力容量の大きなデバイスは、小信号レベルで考えると位相遅れが低い周波数で起きることを意味しているので、多量のNFBを掛けにくいと考えられます。ただし、出力インピーダンスがデバイス的に低いので、浅いNFBで済むという部分もあります。

 

 

 

サンスイは古めのコンプリMOSにこだわる

サンスイが2SK405/2SJ115に拘った本当の理由は知らないのですが、最大電流や低インピーダンス駆動などの数値ではなく、音質的に優れた部分があるからだと考えられます。入力容量の小ささや、NchとPchの繋がりの特性がよく歪みが小さい部分を狙っているとも考えられます。

データシートのVgs-Id特性をみると2SK405/2SJ115は、とてもなだらかに立ち上がっているのが判ります。後継品の2SK1529/2SJ200は少し急峻で、2SK3163/2SJ555は縦のスケールが一桁違うので比較しにくいですが、やはり急峻に見えます。

 

K405_vgs

K1529_vgs

K3163_vgs

このNchとPch間の繋がり「だけ」を考えるなら旧来のMOSが一番優れているとも言えますね。

日立の2SK1058/2SJ162などのコンプリメンタリMOS-FETは、Q点という温度特性がZEROになるポイントが低いところにあり、そこにアイドリング電流を持っていくことで温度補償をしなくても良い。 なんて話もありました。(実際にはドライバ段などを補正しなければいけないので完全になくす事はできない)

また、旧来のMOS-FETは静電破壊しやすいと言われています。 静電気には十分注意して下さい。(近代MOS-FETはゲートに破壊防止ダイオードが挿入されています。)

 

 

まとめ

それぞれにメリット、デメリットがあることが分かりました。 結局は使うユーザが自由に選択すればよいのだと思います。

こんなまとめ、いらねーよ。 と言わずに。。。(笑

 

 

 

MOS-FETは品種によりVgsが違う

MOS-FETは品種によりVgsが大きく違います。 

もし、ALX-03基板で旧来のMOS-FETを使うときは、バイアス電圧を決めているR28の抵抗値を調整して下さい。具体的には、現在の6.8kΩを4.7kなどに下げます。いきなり大きな電流が流れると恐いので、最初は低い抵抗値を使い、半固定抵抗を最低(反時計回りに回しきったところ)で電源を投入して、アイドリング電流がゼロならば、半固定抵抗を時計回りにゆっくり回していきます。

時計方向に回しきってもバイアス電圧が足りない時は、R28を少し高いものに交換します。 ここはpinソケットなど使わないで下さい。万一、接触不良などで回路がオープンになると過大なバイアス電圧になり、ヒューズが飛ぶまで電流を流しきるからです。

 

 

 

追記========================= 

2SK405/2SJ115を若松通商から購入してみました。

Mosfet02

あやぱぱさんの言うようにcissの小ささは、武器になるとも思います。 どんな音がでるのか楽しみです。

でも、2SK3163/2SJ555のエージングが3週間目に突入して、低域の厚みもでてきて、かなり良い雰囲気になってきました。 最初の音は、こりゃダメだなという感じだったのですが、こんなにも変わるものなんですね。(周辺定数やドライバTR交換などいろいろやってるので条件は異なりますが。) 今ではLAPTよりも中高域においては良い面があると感じるほどです。

 

こちらに2SK405/2SJ115を使ってみた感想を書きました。

 

 

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パワーアンプ」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。
音的にはcissの小さいMOSが圧倒的に良いと思います。
2SJ200のコンプリはLHHのアンプで使ってましたが、1300pはデカすぎでした。800pの2SJ115は超魅力的です!

ドライブの軽さの指標としてYfs/cissは面白い着眼点だと思いますが、こと音質に関してはcissの小ささのファクターが大きいと思います。周波数で効いてきますから。NFBループに入れても大電流MOSはボケボケでヌケの悪い音になると思います。

あやぱぱさん

お久しぶりです。 今年はいろいろとお世話になりました。

確かにcissの小ささで選択というのは一理ありますね。
若松通商は2SK405/2SJ115をどこから仕入れているのか不思議です。 一時期ソニーのV-FETも売っていたらしいです。

随分昔の記憶ですが、UHC-MOSを使ったPMA-2000(もしかしたら IIかも)と、某M社のSA17をショップで比較したら、圧倒的にPMA-2000の方が明瞭でヌケが良くパンチのある音がしていました。
比較対象が悪すぎという話は置いておいて、山水やオンキョーを聞いてもクラスを超えた底力を垣間見た気がしました。残念ながらLHH A700とは比較しなかったと思います。
 
正直なところ、私もcissの容量の大きさを毛嫌いしてMOS-FET自体を使わなかったのですが、使いこなしているアンプがあるのは気になっていました。
LAPT(特にC2837/A1186)が、あまりに素晴らしいトランジスタであることは周知の事実ですね。

たかじん様
勉強させて頂いています。
この記事に触発されて、初段2SK2145BLのフォールデッドカスコード、終段2SK3163/2SJ555でドライバ段を省略したアンプを製作しています。低ゲイン・狭帯域は承知の上で、たくさん電流を流し、目一杯帰還をかけて数W以下ではまともに鳴らすコンセプトです。
疑問なのですが、高gm素子のFETのVgsはほとんど変化しないので、Cgsのチャージ電流はほぼ流れないのではないでしょうか?
Cgd(Crss)で比較する方が適当と思います。終段ゲインがあるとミラー効果も考慮する必要がありそうです。

はやたかさん

フォールデッドカスコードですか。 初段のドレイン電圧がクランプされて、高域が伸びるので帯域は広いです。 またゲインが1段のみですからNFB量が少なくて発振しにくいという面でも作りやすいともいえます。

ただし、欠点もあります。 電源電圧の影響を受けやすいのと、初段から2段目へと電流が分岐するため電流設定が少々シビアです。最適な抵抗値からずれるとまともに動作しなくなる可能性があります。

シミュレーションで抵抗値を振ってみて動作がどうなるのかを見てみると良いと思います。

FETのゲートチャージ電流の件ですが、カソードフォロアは、ゲインが1倍なのでミラー効果はありません。(容量がゲイン倍されない)

しかし、ご想像のとおりゲートチャージ電流はゼロではありません。 ドライバ段がしっかりしていないと高域が伸びにくくなります。 時折、2段目のハイインピーダンスな励振段に直接MOS-FETをつけている例がありますが、ドライブ能力がたりなくMOS-FETの能力を引き出せていないと考えています。

ですが、それを音作りと言ってしまえばそれまでですし、素子数の少なさからくる音の素直さもあるので、一概に音が悪いとも断言できません。

自作アンプは趣味性が高いですから、色々と作って経験値を積むというのも良いですね。 完成しましたら、ぜひご感想をお聞かせください。

たかじん様

設計ではシミュレーションを使いましたが、フォールデッドカスコードは直流動作さえ合わせればあとは微調整するだけなので、それほど困難はありませんでした。ワイドラーや電流帰還、普通のフォロワ付き出力段のフォールデッドカスコードの回路も書いてみましたが、いずれも超高域特性がけっこうシビアで・・・実装でも変わってきそうですし、オシロスコープなどの機材のない私が組むのは難しいな・・・と。安定そうな回路を選んだ次第です。

とりあえず完成したので音を聞いていますが、いわゆるmosらしい、たなびくような高域と余裕、余韻のある音が出ています。期待通りの音でしたが、期待より現実の方が大げさでした。10kHzで帰還量30dB弱くらいの設定(のはず)なので、そのせいです(苦笑)。あと、ALX-03 x MUSES03 x MOS-FETの記事で触れられている通り、定位感が非凡です。

楽しい音質ですが、エフェクタ一歩手前という気がします。逆に、見た目まともそうな回路でそうなっちゃうのも珍しそうです。

はやたかさん

素晴らしいです。もう完成したのですね。
フォールデッドカスコードはゲインが高くないので発振しにくいですね。

シビアというのは、少し説明がたりませんでした。 限られた電源電圧いっぱいに振幅させようとすると、設定がピンポイントになってしまうという意味でした。

低NFBで開放的な音を楽しむ良さもありますね。

たかじんさん,はじめまして。いつもブログ拝見し,大変勉強になっております。
昔の記事へのコメントで申し訳ないのですが,よろしければ少しお力を貸していただければと思い書き込みさせていただきます。

現在,Auraのプリメイン,VA-150の修理を考えているところです。
最終段のパワートランジスタが故障しており,代替のMOSFETを探しています。
電源電圧は±50V程度で,公称8Ω100Wを2パラレルプッシュプルで実現しているアンプです。
勉強のために鈴木雅臣さんの「続トランジスタ回路の設計」を読んだのですが,それによればB級動作の場合の電力損失は出力の20%程度までとのことでした。
今回は100Wの2パラで,その20%ということで,1石あたり10Wくらいの定格でも問題ないと考え,秋月で購入できる東芝の2SJ380とNECの2SK703ではどうかと考えています。

たかじんさんでしたらこのような組み合わせはどのようにお考えになるでしょうか。
なにぶん初心者でして,判断に迷っております。

大変お忙しいところとは思いますが,お返事いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

ADNF さん

2SJ380 2SK703は耐圧がギリギリなのと、サイズがTO-220という小ささで、ちょっと心配です。

秋月では売っていませんが、IRFP240PBF IRFP9240PBFはいかがでしょうか?
このペアはオーディオ用としてよく使われますし、いまだ健在なコンプリMOSFETです。
若松通商にて売っています。(若松には他にも色々あります)

MOS-FETは、ゲートの電圧が型番によって少し違うため、アイドリング電流が調整範囲を超えてしまう可能性があるので、そのあたりに注意する必要があります。

たかじんさん

早速お返事いただきましてありがとうございます。とても勉強になります。

今でもコンプリのMOSFETが作られているというのは知りませんでした。良いパーツを教えていただきありがとうございます。

ゲート電圧についても,ご教示ありがとうございます。こちらもまだまだ勉強中ですが,頑張りたいと思います。

TO-220パッケージなのは私も少し気になっているのですが,実際基板の穴は2.54mm間隔のようです。
このような場合,TO-247は少し足を曲げるような形で取り付ければ問題ないのでしょうか。
あるいは,現状手に入るTO-220で耐圧や定格電力に余裕のある石を探したほうが良いのでしょうか。
ちなみに,私が入手した段階ではIRF540とIRF9541が使われていました(オリジナルは東芝だったらしいので,既に前のオーナーさんが修理されていたようです)。

度々で申し訳ありませんが,お力をいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

ADNF さん

VA-150に使っている終段がTO-220なのでしょうか?
鈴木正臣さんの本の許容損失について本を読み返していないのですが、デバイスの許容損失に対して20%使用にとどめておくという意味ではないでしょうか。

ディレーティングという余裕度の尺度があり、100%使用すると、壊れてしまうので実用するのであれば余裕を持たせた設計にします。
ドレイン損失Pd=100Wのデバイスをディレーティング50%で使うなら50Wの損失にとどめておく。という意味になります。

ヒートシンクのサイズにもよりますが、パワトラのPc=125Wの場合でB級シングルPPなら、出力70W~75Wあたりで限界になります。

また、ディレーティングは、発熱(損失)に関してだけではなく、電圧や電流に対しても行います。
8Ω100Wクラスなら電源電圧が±50Vほど必要ですが、信号が振幅するので、FETの耐圧は100V品ならディレーティングZEROになり、故障率が高くなります。
最低でも120V品。 できれば150Vくらいのデバイスが欲しいところです。

もし、TO-3PやTO-247が物理的に取り付けられるのでしたら、TO-220に拘らず安心して使えるデバイスを選択するのが良いかと思います。

もうひとつ注意点としては、終段デバイスが破損すると、その前段やゲート抵抗なども道連れにすることが多いので、最終段だけ交換しても治らない可能性があります。
スライダックを使って電圧を徐々に印加していくのがお勧めです。

たかじんさん

たびたびのお返事ありがとうございます。

ディレーティングの考え方について,勉強になります。
どのくらいの余裕をもたせればいいのかというのが今回最も悩んでいることでしたので,詳しくお教えいただけてよかったです。

サイズ的にはTO-3PやTO-247も取り付けできそうな気がしますので,お教えいただいたIRFP240PBFとIRFP9240PBFを軸に,幅広く使えそうなものを探して行こうと思います。

周囲の部品についてもしっかり調べていく必要がありそうですね。実際ゲート抵抗は一つダメになっているものがありました。先に気づけてよかったです。

個人的なご相談にご親切にアドバイスいただき,大変ありがとうございました。
これからも素敵な基板や記事などを楽しみにしております。

ADNFさん

コンプリで揃ったMOS-FETは、入手困難になりつつあるので、少し余分に仕入れておくのが良いかもしれません。

VA-150は、デザインがとても良いので、治るといいですね。
こんなに薄いのに100W出るとは驚きです。
終段がTO-220だったとすると、ちょっと余裕の少ない設計だったのかもしれません。

初めまして、愛知の酒井と申します。小生MJ誌の窪田先生のFETアンプを製作し楽しんでおります。20年以上前のものでFETは当時出始めのUHCMOS 2SK1297/2SJ215を出力段に使っています。今はディスコンで手に入らなくなりましたが若松通商で唯一2SJ554/2SK2955が販売されているようです。特性も似ているようですが代替品として使えるでしょうか。今現在正常に動作しておりますが故障した時のためにストックしておこうかなと考えておりますので。アドバイス等頂けるとうれしいです。MJ1998年12月号の窪田登司氏製作のUHCMOS-FETAB級20Wパワーアンプをコピーしたもので作品は私のブログ記事に載っています。興味があれば覗いてみていただければ幸いです。
https://ameblo.jp/micssakai/entry-12518444279.html

サカイさん

2SJ215は樫木総業さん(https://www.kashinoki.shop/?pid=117784151)、2SK1297は若松通商さん(https://wakamatsu.co.jp/biz/products/detail.php?product_id=11030234)に在庫がある模様です。

早速のご回答ありがとうございました。まだ在庫があるんですね。ただペア取りが必要なので若松通商さんで販売されている2SJ554/2SK2955を予備にストックしておこうと思います。

サカイ さん

ブログ記事、拝見させていただきました。 とても丁寧に製作されていて素晴らしいです。
窪田式のオールFETアンプは作りやすいのですか。自作アンプの定番のひとつとして多くの人に迎え入れられているのがわかるような気がしました。
あと、NFB量の少なさにも驚きました。

MOSFETの方ですが、Ising さんが調べてくれたようにそのままのデバイスの方が良いかと思います。
UHCMOS系は、バイアス電圧がちょっと変わるだけで動作電流が大きく変わるからです。

窪田式のバイアス可変範囲がどの程度あるかは、ちょっとわかりませんが、ある程度の範囲で調整できるのでしたら、デバイス変更もできると思います。

音質に関しては終段デバイスの依存性が大きいので、2SJ554/2SK2955では完全に同じ音にはならない可能性が高いです。

UHCMOSではありませんが、いま個人的に気に入っているMOSFETは以下のペアです。好みの音探しで終段MOSFETを変えてみるというのであれば、そのひとつとしてお勧めです。

IRFP240PBF: 200V 20A
IRFP9240PBF:-200V 12A

デジキーなどで販売しています。


Ising さん  ナイスフォロー、ありがとうございます。

丁寧なコメントありがとうございます。私は真空管アンプは何台か作ったことはあったのですが半導体アンプは窪田アンプが初めてでした。当時MJ誌には窪田氏の他に金田氏や安井氏の製作記事が紙面を賑わしていましたが金田アンプは配線材の向きだとか被覆を剥いて銅線を7本よって使うとか初心者には敷居が高くて二の足を踏む状況でした。その点窪田アンプは制約がなく調整も詳しく書かれていたので無事に製作出来ました。調整か所は2つで出力端の0V調整とバイアス可変です。シャーシ―を裏返してテスターを当てるのも面倒なので出力端とアース間、出力段のソース抵抗0.2Ωの両端をシャーシ―上面で測定できるように4つのピンチップに繋げたのでテスター棒を挿しこんで調整できるのでとても楽です。0.2Ωですから40mVならアイドリング電流200mAという訳です。温度補正はサーミスター1本という単純さです。終段FETを固定した放熱器の裏側をドリルで座繰り(穴は開けません)そこにサーミスターを突っ込みシリコン材を充填することで熱結合させました。ここでは200Ωのサーミスターを使っていますが使うFETによって変える必要はあるかもしれません。
作りっぱなしで10年以上経過してますが無事に鳴ってくれていますのでまあいいかなと思っています。以前過渡特性を測定しましたのでご興味がございましたらご覧ください。
https://ameblo.jp/micssakai/entry-12518444539.html

サカイ さん

自作アンプで10年以上、不具合なく動作しているのは素晴らしいと思います。 元の設計の良さもさることながら、半田付けや配線処理なぢ製作の腕前も良いのだと思います。

過渡応答も拝見させていただきました。 テクトロのオシロも良いですね。100kHz波形から見ても非常に安定していて素晴らしい出来栄えと思います。

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