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2017年4月 8日 (土)

エルナーのブロックコンデンサを入手  電圧印加処理とは?

コンデンサメーカーのエルナーがブロックコンデンサの製造を中止するとアナウンスして業界が震撼したのは約20年前。

それ以後、エルナーのブロックコンデンサは使っていなかったのですが、どうやらLAOというシリーズは続いていたようです。 

https://www.elna.co.jp/capacitor/alumi/catalog/pdf/lao_j.pdf

Elna_01

ただ、今回入手したものがLAOかどうかは、自信がありません。 というのも

上のカタログに書いてある印字は「FOR AUDIO」と書かれていますが、この写真のとおり、入手したコンデンサの印字は「FOR Hi-Fi」と書かれています。 ネットで画像検索してみると、下側にCEWと書いてあって「FOR AUDIO」の印字のものも見つかるので、同一なのかもしれません。 

 

当時からこの手のコンデンサを使っていた人はご存知の方もいらっしゃるかと思います。 実はエルナーのブロックコンデンサは他社の同等クラスのものと比較して音が良かったのです。 特にパワーアンプに使ったとき音のうるささがなくしっとりと艶のある音がしました。 私も、不思議に思って分解してみると、内部の構造(防振対策?)の違いに驚いたことを今でも鮮明に憶えています。 

 

 

さてさて、電解コンデンサが製造からどのくらいたったものなのか不明な場合、どうすれば良いでしょうか? 

とりあえずLCRメーターで容量を測ってみると全く問題ありませんでした。

Elna_02

容量3300uFのもので、3390uFという表示です。 (30%ほど低下すると完全NG)

容量を測っただけでは、本当の傷み具合(寿命)は分からないという話もありますが、容量抜けしているかどうかだけは分かると思います。 

エルナーの資料によると、 

https://www.elna.co.jp/capacitor/alumi/catalog/pdf/al_caution_j.pdf

 

・アルミニウム電解コンデンサは,長時間放置すると漏れ 電流が大きくなる傾向があります。特に周囲温度が高い 程,この傾向は著しくなります。 尚,電圧の印加により漏れ電流は減少します。長期保管品(製造後約2 年以上)は,必要に応じ電圧印加処理を 行って下さい。 

 

と書いてあります。 2年 電圧印加処理 が重要なキーワードです。 

同様に、ニチコンの資料には、 

http://www.nichicon.co.jp/lib/aluminum.pdf 

 

2年以上保管のコンデンサは漏れ電流が増大している場合があります。このとき約1kΩの抵抗器を通して電圧処理してください。 長期間保管した製品を使用する場合は、 電圧処理を行なってください。電圧処理方法につい ては、単品の場合約1kΩの抵抗を通して定格電圧 まで上昇させてから、そのまま30分程度印加してく ださい。 

 

と具体的に電圧処理について書いてあります。 

 

ということで、このコンデンサが2年以上経っているどうか不明ですが、念のため、電圧印加処理をしてみます。 

Chemical_01  

バラック状態ですけども、1kΩ 1Wの抵抗を入れてワニ口ケーブルで12vを印加してみました。 

Chemical_02 

念のためオシロでコンデンサ両端の電圧を監視してみます。 電源投入から約12Vに到達するまで30秒ほどかかっているのが分かります。 その後、3分間くらいはジワリジワリと電圧が上がってるのもわかりました。 

電圧が上がるというのは1kΩ抵抗に流れる電流が減っているということで、コンデンサの漏れ電流が時間と共に減ってきている様子がうかがえます。

 

つまり、電圧印加処理は、漏れ電流がドバっと流れてしまうのを防いで、コンデンサの自己修復機能で漏れ電流が収まるまでを待つということなのでしょう。 

このあと、24V電源につないで30分くらい電圧処理をして完了としました。 

 

次回は、このコンデンサを使っていこうと思います。 

 


  追記  電解コンデンサの印加電圧のディレーティング


Chemical_03

とニチコンの資料に書いてありました。 

定格電圧に対して2割くらいは余裕をみる(ディレーティング)必要があると先輩に教えて頂いたのですが、この資料を見る限りでは、殆ど影響がないらしいです。 

印加電圧よりもリップル電流の方が寿命への影響力が大きいと。

ちょっと勉強になりました。

 

 

 

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

ラ王ですね。
美味しいです

yosyos さん

???

はじめまして。
IrBerryDACを購入させていただいたものです。
とても興味深く読ませていただ来ました。
エージングで音が変わるというのは、
スピーカーについてはエッジを柔らかくするために必要だと理解していましたが、アンプなどについてはこういったことがあるので必要なんですかね。

私もVFA-01用に63V10000µF(FOR AUDIO/DENON記載)ebayで仕入れて用意したけど、LAOは明記してないなあ。
本体記載無いけど出品タイトルにLAOあるのブロックコンデサだけで80V10000µFまで確認できるけど如何でしょう、RA3はリード品までのようですね。
よく見るNOVERのはなんか不安で、ビジュアルと信頼性それに耐圧/容量/サイズの選択肢の幅が広いのでELNA選びましたけど(LAOだとしたら)音も定評があるようで嬉しいですわ。

new_yorker さん

そうですね。 電解コンデンサなどは電圧を印加して、ある程度馴染むまでの時間があると思います。 トランジスタでも試しましたが、多少は変化がありました。 

何がどう変化するのが、私自身わかっていない抵抗のエージングですが、これも電解コンデンサと同じくらい音が変化するように感じます。 
音質的な評価をするとき、時間がかかってしまうのはこういう部品のエージングです。 抵抗1つ、定数や種類を変えると1週間くらいは電源を入れっぱなしで、初めて音質の評価ができます。 

CR-Xさん

そうそう、どこにもLAOの表示がないのですよね。。 どうなっているのだろう。
エルナーはブロックコンデンサにお金をかけて、他社と同じ価格で売っていたので利益がでなかったのかもしれません。

音は確かによくて、おすすめできます。 

とは言っても、ニチコンなどもその後、オーディオ用のコンデンサに力を入れているので、今現在、どのくらい違うのかは不明です。 スーパースルーの方が良かったりして。。。

使ってみたかったのは、松下の竹コンデンサですね。

ELNAのLAOブロックコンデンサですか、
Degi-keyでELNA AmericaのLAO/LOB(TONEREX)とSILMICの取り扱いが会ったはずです。(ELAN Americaですが製造はタイです。)
私の持ってるLAOもTONEREXの表記はありますが、LAOと言う型番表記やForAudioと言う表示はありません。

ELNAのコンデンサですがニチコンのKG・KZなんかに比べれば繊細・クリアな感じがしますが、ソースによっては繊細すぎて軽い、線が細いっていう意見も聞きます。
ウチではV-FETアンプの出力V-FET回路にニチコンのSuper Through 63V22000uFをそれ以外の回路にTONEREX 80V4700uFを使ってます。
本音を言いますと高めの電圧(45Vと65V)に対応出来る大容量コンデンサが他に無かったんですが、できあがってみるととても良い感じに仕上がってます。
繊細かつパワフルという少し不思議な音に仕上がってます。

>電圧印加処理
一応大容量品に関してはアルミ箔に包んで端子間を短絡させて保管してるんですが・・・・
ヤバいです、ウチ結構在庫してるんで2年おきになんてとても出来ません。
それでも暇が出来たらやってみます。

耐圧が高いほうが周波数特性が良いと聞きますし、信頼感はありますね。環境温度もそうですが、平滑時のリップル電流での自己発熱が寿命への影響が大きいのは納得です。昔の大きいブロックコンデンサの頃は熱は感じませんでしたけど小型化した現行品はそこそこ温かいです。

こっちも共立さんなんですね

yosyosさん

よく気が付きましたね。 さすがです。
共立電子さんは、オーディオ系の電子工作にも積極的ですね。 興味深い部品が沢山ころがっていました。 

ふぇいさん

V-FETとは、マニアックですね。 V-FETにしか鳴らせない音があるといいますね。 製造するメーカーが無くなってしまったのが惜しいです。

onajinn さん

おっしゃる通り、耐圧が高いと電解コンデンサの中のアルミ箔の処理がことなって、結果、特性が変わるようです。 外形sizeが小さいのに大容量というコンデンサより、同じ外形で容量を小さいもの(品種)を選ぶというのも同様の理由です。

重さが重いコンデンサ(の品種)を選ぶという話も聞いたことがあります。

アンプの出力を計測しても違いが出ない電源のコンデンサですが、明らかに音質へは影響があると思います。 色々試したなかで、好みのものを見つけていく楽しみもあって良いですね。

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