電流帰還アンプ基板 ALX-03 初回分を出荷しました。
資料も年末に作り終えていますので、出荷を待つのみとなっていました。
中断していた時期もあるので、トータルで8~9ヶ月くらいかかってしまいましたが、ようやくここまでたどり着けました。
よろしくお願いいたします。
この回路をブロック化すると、このような構成になっています。
アレキサンダー型は初段バッファに一般のOPAMPを使うことで、初段にもフィードバックが及ぶため電流帰還アンプなのに歪が非常に低くできるという特徴があり、実際に測定した結果でも、2段差動回路を使ったVFA-01に等しい値にまで歪が低いことが判っています。
オペアンプ段にゲインを持たせることで、オーバーオールNFB量をコントロールすることも可能です。 私はアレキサンダー氏の定数を見習って低めなゲインに設定しました。 検討の余地はあると思います。
カレントミラー回路は、ウィルソン型カレントミラー回路を使うことで、伝達特性(直線性)を極限まで向上させています。 電流比は1:1にしてあり、初段バッファの電流がそっくりそのままバイアス回路へ流れることによりバイアス電圧の安定化をはかっています。 そのため、CMOS-OPAMPなど低消費電流なオペアンプは使用することができません。 5mAから10mA程度のオペアンプを使用してください。
そのほか回路の説明はこちらをご覧下さい。
一般の回路と違って回路的に少し面白い部分としては、DCサーボ回路の出力先があげられます。 通常、DCサーボの出力はNFB回路へ高抵抗を通じて微小な電流を加算してDCオフセット分をキャンセルしています。 しかしアレキサンダー氏は、DCサーボの出力をNFB回路へmixするのではなくGNDへと捨てています。 DCオフセットのキャンセル分は、OPAMPの電源端子を通じてカレントミラー回路へと伝達しているのです。
NFB回路の電流加算・分岐の影響を極力避けたかったのかもしれません。 音質検討時に、このあたりの定数を変えることで結構、音へ影響がでました。 カットオフ周波数が2Hzを下回るような領域でも音へ影響が出るというのは大変勉強になりました。 analog回路をあまく見てはいけませんね。
自作アンプとして面白い部分は、OPAMPを交換すると、ちゃんとそれに応えて音が変わってくれる部分です。 音の好み、聴く音楽は人によって異なりますから、好みのオペアンプを見つけることができれば良いですね。
よろしくお願いします。
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完成おめでとうございます。
初荷ですね。
投稿: yosyos | 2017年1月15日 (日) 08時09分
おおお、待ってました!
以前のHPに書かれてましたように、アレキサンダー型電流帰還アンプはたかじんさんのルーツとも言える回路のようですので、今回の開発は特にこだわりを持っておられたようですね。完成おめでとうございます。
早速、入手したいと思います。TIM歪みのない音、とても楽しみです。^^
投稿: kontiki | 2017年1月15日 (日) 09時25分
完成・出荷おめでとうございます!
早々に購入したいと思います。
楽しみ~♪
投稿: 通りすがりのおじさん | 2017年1月15日 (日) 17時53分
yosyosさん
kontikiさん
通りすがりのおじさんさん
ありがとうございます。 秋くらいにはイケるかと思っていましたが、かなり遅れてしまいました。
確かにルーツと言ってもおかしくないかもしれませんね。 20年近く前に自作で作っておきながら寝かし続けていました。
よろしくお願いいたします。
投稿: たかじん | 2017年1月15日 (日) 18時34分
たかじんさん
遂に発売になりましたね。
VFA-01とALX-03のどちらかを作りたいと考えています。
不粋な質問かもしれませんが、この2つの音の違いはどんな感じですかね。
本当は2つとも作って比較したい所ですが、予算の都合もありますので(汗)
投稿: vasovaso | 2017年1月16日 (月) 21時50分
vasovaso さん
この2つを比較すると、VFA-01はベースバート(低音)のリアリティ感が高く、ALX-03は中高域に存在感があります。
OPAMPを交換して音の変化を楽しめるのはALX-03の特権です。
以上、よろしくお願いします。
投稿: たかじん | 2017年1月17日 (火) 08時25分
2wayマルチチャンネルにすると欲張りでいいかも…
投稿: 天 麩羅夫 | 2017年1月17日 (火) 12時50分
たかじんさん
なるほど、ありがとうございます。
オペアンプを交換できるのは楽しめる反面、
自分の耳に自身が無いので、どれを選べば良いか悩みの種にもなったりします。
あと2SC2240の入手性が悪くなったのが痛いです。
少しストックがあるので1台はなんとか作れそうですが、
たかじんさんのアンプには結構登場するトランジスタなので困りますね。
投稿: vasovaso | 2017年1月17日 (火) 20時56分
天 麩羅夫さん
マルチチャンネルにするにはちょうど良いかもしれませんね。
vasovaso さん
そう思って、推薦品をご用意いたしました。 まずは推薦品で良いと思います。
2SC2240は、よいトランジスタでした。 生産中止は残念ですね。
音質的には海外製のものでも良いものがあると思います。 ただし、pin配置が違うのがネックです。
投稿: たかじん | 2017年1月20日 (金) 20時26分
たかじんさん
2sc2240は偽物も出回っているようです。
10個200円で売っているネットショップがあったので、
試しに買ってみましたが、秋月の物とは明らかに印字が違いました。
投稿: vasovaso | 2017年1月21日 (土) 16時48分
vasovasoさん
なんと、C2240まで偽物が出てきているのですか。 C1815の偽物は有名ですね。 最近ではセカンドソース(?)として秋月電子でもあつかうようになってきましたが。。
印字は、製造された時代によって多少は違う可能性があります。
私が持っている古いものは、レーザーマーキングのように刻印が掘られていて文字が少し茶色い。 新しいものは、銀色に近い白文字が印刷されています。
投稿: たかじん | 2017年1月22日 (日) 00時26分
たかじんさん
hycaaの電源を作るときに、手持ちストックが見つからなかったので、仕方なく中国製C1815を買ったことがありますが、びっくりするくらいhFEがそろっているのが印象的でした。155~160くらいに収まっていたと思います。
C2240は秋月の物は銀色のような白で少し太字ですね。
私が買った偽物っぽい物は、たかじんさんがお持ちの古いタイプに似ていて茶色っぽい刻印で細字です。ただし20個以上調べてすべてhFEが230~250に収まっているのが怪しいです。
投稿: vasovaso | 2017年1月22日 (日) 21時30分
vasovaso さん
なるほど。 確かにあやしい。
東芝のhfeランク選別は、そのなかで結構ばらついているのが通常でした。 ただ、最後の方で登場したC1815L(低ノイズ品)は、ばらつきが少なかったという話も聞いたことがあります。
1チップが1000円を超えるようなICであれば偽物を作る価値がある(?)とは思うのですが、1個、数円というトランジスタをわざわざコピーするというのは、にわかに信じがたい行為ですね。 でもC1815は確かに偽物が出回っていました。
C1815の偽物は、半田付けするとき酸っぱい匂いがするということをおっしゃっている方もいました。 本物と偽物を判別する決定的な手段がないというのが難しいですね。
投稿: たかじん | 2017年1月23日 (月) 08時26分
たかじんさん
恐らく中国でトランジスタを数種類生産していて、その中でスペックが近いものに、日本のトランジスタの名前を印字しているのではないかと思います。
ネットで調べると裏面の丸い窪みに、アルファベットが書かれているものもあるようです。
レーザー刻印のものは鉛フリーという情報もありました。
とりあえず秋月のストックが無くなるまでは、怪しい方は寝かしておきたいと思います(笑)
投稿: vasovaso | 2017年1月23日 (月) 18時03分
vasovaso さん
海外のTRは、ピン配置が日本のものと異なりますので、そこも変更する必要がありますね。 (日本が独特)
近いうちに、手持ちの新旧TRの写真をUPしようと思います。
私が持っている古いC2240はRoHS指令が存在していなかった97~99年ころのものです。 それがレーザーマーキングされたものですから、鉛フリーではないと思います。
差し替えて音の違いからC2240かどうかを判断できたらトランジスタ・ソムリエになりそうですね(笑
怪しいTRも使ってみて、音の違いを楽しむというのも面白いかもしれません。
投稿: たかじん | 2017年1月24日 (火) 08時16分
たかじんさん
中国なら、どんな偽物を作っていても驚かないです(笑)
鉛フリーは間違いみたいですね、すみません。
トランジスタ・ソムリエいいですね(笑)
実際のところ簡単に判別する方法があれば、いいんですけど。
怪しくても、変に発振とかしなければ、別にいいです。
ただし仮に音質が良くても、恐らく2度と同じものは手に入らないでしょうね(笑)
投稿: vasovaso | 2017年1月24日 (火) 20時00分
vasovaso さん
そうとう特性が違わない限りは発振しないとは思いますが、偽物だけに何が起こるかは全く予想がつかないですね。
最悪の場合、火を吹くなども考えられなくはないです。 十分に気をつけてください。
投稿: たかじん | 2017年1月28日 (土) 21時31分
たかじんさん
こんにちは。
0dB HyCAA, HPA-12 rev.IIと組立て、愛用しております。
今回ALX-03も購入し、ちびちびとハンダ付け作業に勤しんでいます。今から完成時の音出しが楽しみで仕方ありません。
質問です。
電源に以下の物の出力を2コ取りするのは邪道でしょうか?
https://www.aandd.co.jp/adhome/products/sp/ad8724d.html
投稿: ひるね | 2017年4月14日 (金) 11時08分
ひるねさん
DC電源は、実験用としてはよいと思います。 過電流保護もあるでしょうから、安全ですね。
電源ON/OFFは+と-、同時に行なう必要がありますので気をつけて下さい。
投稿: たかじん | 2017年4月14日 (金) 22時12分
たかじんさん
お返事ありがとうございます。
同時ON/OFFに留意して試運転に臨みたいと思います。
いずれは専用トランス電源BOX作ろうと画策中です。
また疑問がわいた際にはよろしくお願いします。
投稿: ひるね | 2017年4月15日 (土) 08時28分
ひるねさん
はい。 ほぼ同時でお願いします。
もし、電源投入タイミングがずれる可能性があるのでしたら、PRT-01の電源入力端子の横にある、空き端子(抵抗を入れられるようなところ)にダイオードを入れてください。 逆電圧保護になります。
投稿: たかじん | 2017年4月18日 (火) 21時53分
たかじんさん
補足情報ありがとうございます。
とりあえず2回路ON/OFFスイッチで火入れ開始しました。
ボリュームを極力絞って音が出てるのは確認できました。
じっくりアイドリング電流を調整してから、鳴らしてみたいと思います!
投稿: ひるね | 2017年4月20日 (木) 21時17分
ひるね さん
無事に動作しているようでよかったです。 アイドリング調整は、ヒートシンクの放熱容量とのバランスをみて調整してみてください。
市販DC電源なら電圧を可変できるので、電圧を下げ気味で、沢山アイドリングを流すか、電圧を上げて、アイドリングを小さくするかで、発熱は一緒だけと音はどちらが好みか、聴くことができると思います。
投稿: たかじん | 2017年4月22日 (土) 11時00分
たかじんさん
またもやTIPS頂戴し、感謝します。
来週中野にいらっしゃるのでしょうか。でしたら御礼がてら馳せ参じます。(その実はセッティングのヒントをもらうため。。。)
投稿: ひるね | 2017年4月22日 (土) 22時08分
ひるねさん
中野サンプラザへは行こうと思っていますが、まだ時間はわかりません。 30日は用事があって無理なので、29日になります。
よろしくお願いします。
投稿: たかじん | 2017年4月23日 (日) 22時21分
たかじんさん
そうでしたか...。私は29が都合悪く30ならと思っていたのです。
残念ですが仕方ありませんね。いつかお会いできる日もあるでしょう。
投稿: ひるね | 2017年4月24日 (月) 20時16分
ひるねさん
そうですか、残念です。 またの機会に、よろしくお願いいたします。
投稿: たかじん | 2017年4月25日 (火) 23時40分
ALX-03も完成しました。 PRT-01の部品を買い忘れて、仕方なくすでに稼動しているVFA-01とアンプ基板を入れ替えて調整、試聴しました。
が、午前1時だったので音量上げられず。 それでもなかなかいい音出てます。
投稿: 天 麩羅夫 | 2017年6月16日 (金) 18時15分
天 麩羅夫さん
ありがとうございます。 ALX-03はOPAMPを交換でるという楽しみもありますね。 VFA-01とサイズがコンパチなので簡単に入替えられるメリットがありますね。
エージングで音が変わってくるので、本格試聴は1週間後くらいでしょうか。 MUSES 01用チューニング、全然進んでいません。
DAC ZEROの資料準備が終わったら取り掛かろうと思います。
投稿: たかじん | 2017年6月16日 (金) 23時29分
今のところOPAMPは推奨品が入ってますが、これは数ヶ月ヘッドフォンアンプで使用してたものです。 FET入力のものはいくつかありますが、回路をいじらず交換できるものとなると…
これから毎日数時間鳴らすことにしています。
投稿: 天 麩羅夫 | 2017年6月17日 (土) 20時08分
天 麩羅夫さん
なるほど。 FET入力は品種が限られてくるので、特に推奨している訳ではありませんが、入力のDCカットするコンデンサを省けるメリットはあります。
ただフィルムコンデンサは、音への悪影響は極小ですので、あまり気にしなくても良いかもしれませんね。
投稿: たかじん | 2017年6月18日 (日) 07時41分