2017年1月10日発売のトランジスタ技術2月号に掲載
来週、発売になりますトランジスタ技術にちょっとだけパワーアンプ基板の記事が掲載されます。
VFA-1(ディスクリート電圧帰還パワーアンプ)
VS
CFA-1(ディスクリート電流帰還パワーアンプ)
完結編です。
VFAは、Voltage Feedback Amplifier 、 CFAは、Current Feedback Amplifier の略です。
VFA-1は、その後、初段をJFETに変更してDCアンプ化した「VFA-01」を頒布しております。
ココ だけの話ですが、本当は、2015年9月号の時に、VFA-1の詳細と、CFA-1の詳細、そして対決記事の3部が掲載されるべく、2014年秋頃の打ち合わせからスタートして、アンプ製作から原稿まで共同執筆していたのですが、直前にページ数の関係で泣き別れになってしまいました。 2015年9月号をお持ちの方は、その続きとしてお楽しみ頂けると思います。
電源部、プロテクタ部、電力増幅部、そしてケースから、ボリューム、RCA端子、SP端子など共通化できる部分は徹底して共通化して
電圧増幅部(フィードバック形式含む)のみを差換える実験です
もちろん基板パターンも使用部品も出来る部分は全て共通なので、完全なるアンプ形式比較になっています。
おそらく、これまでに電流帰還・電圧帰還アンプをここまで徹底して比較したものはないのではないでしょうか。
なぜ、このような比較をしたのかという理由は単純明快です。
電圧帰還アンプと電流帰還アンプ
本当に音が良いのは
どちらだ!?
というのが知りたいですよね。
オーディオ製品を作っているメーカーの解説やカタログは、それぞれの特徴(利点)を述べるだけで、本当はどちらが良いのか? という部分は伏せています。 カタログにはプロモーションという目的があるのでデメリットを書かないのは当然です。
また、使用している部品や出力段・電源部などの回路構成も違う製品の比較では、アンプ形式の比較とはいえません。
私が言うのもなんですが、アンプ回路に興味のある方は、立ち読みで結果だけでも読んでいただけると理解が深まり、今後のオーディオライフがより一層楽しめるかもしれません。
ちなみに、読者プレゼントとして下記の基板を提供しております。 ご興味のある方は、ぜひご応募下さい。
CFA-1とは別の形式の電流帰還パワーアンプALX-03は、もうじきスイッチサイエンスさんから頒布開始予定です。
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コメント
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トラ技2015年9月号の記事は、楽しく読ませていただきましたが、実は3部構成だったんですね。次号はπ-duino特集ということであまり興味が沸かなかったのですが、「オーディオ職人の実験ノートから」という記事が載るのであれば、購入します。楽しみです。前回の部品が余っているので、幻のCFA-1と領布予定のALX-03、まとめて製作しようかなっと。^^
投稿: kontiki | 2017年1月 3日 (火) 22時41分
kontiki さん
二転三転していたので、どれが本当かというと最終的に発行したものが完成形とは思いますが、原稿は3部構成で書いていました。
パワーアンプは、製作が大変ですね。 とくに設計途中で定数を検討していたりすると発振する可能性があって、オシロとダミーロード、信号ジェネレータは手放せません。
ただ、この手の電流帰還アンプは増幅部が1段ということもあって、帰還量が少なく発振しにくいというメリットはあるかもしれないです。 その代わり低抵抗な負荷のとき歪率が下がらないです。
投稿: たかじん | 2017年1月 4日 (水) 11時13分
2013年2月24日、25日の記事に電流帰還アンプの詳しい説明がありますね。初段のバッファーに帰還されるので、増幅段は2段目だけということですね。
パワーアンプは、製作も大変ですが、コストも大変ですね。^^; 僕は、アルミの厚板に12Vトランス2個、整流基板、入力部、出力部を固定したテスト用ベースを作製し、いろんなアンプを取っ替えひっかえテストし、気に入った物をケーシングしてます。信号ジェネレータはPCで代替できるとして、オシロは未だありません。でもAmazonとか見ると、数十MHzのデジタルオシロが2万円弱で購入できるようですね。いい時代になりました。
投稿: kontiki | 2017年1月 5日 (木) 21時07分
kontiki さん
そうですね。 前に解説を書いていました。 アレキサンダー式は初段に少しだけゲインを設けていますが、カレントミラーの出力側でかせぐゲインが決定的です。
アルミ板にトランスや基板を乗せて検討するというのは、まさにテストベンチという感じですね。
オシロは、秋月の基板タイプのような簡易的なものもありますが、実用的に使うにはそれなりのモノの方が良いと思います。
特にアンプなどアナログ回路の検討をするときは、10MHz以上で微小発振なども起こりえるので最低でも25~30MHz帯域、できれば50MHz帯域が欲しいところです。
昨年、手放してしまいましたが、owonの安いデジタルオシロはFANレスで、アンプ検討時に便利でした。 今は、RIGOLの4chにしています。 RIGOLはFANの音がうるさいので音楽を聴きながら波形も観測するという使い方には向きません。
投稿: たかじん | 2017年1月 7日 (土) 10時12分
トラ技2015年4月号はUSBオシロ/スペアナ/ネットアナの特集でしたが、多機能なAnalog Discoveryを推薦してましたね。帯域は5MHzですが、別売りコネクタを用いると20MHzまで使用可能とか。ただ、20MHzまで測定できると言っても-3dBなので、実際には10MHz程度までとのこと。オーディオ用途には、ギリギリですね。
OwonはVDS10221(2ch, 25MHz、2万円程度)、RIGOLはDS1054Z(4ch, 50MHz, 5万円程度)でしょうか。RIGOLは、どうみてもプロフェッショナル向けですね。
うーむ、安物買いの何とかにはなりたくないし、迷うところですねえ。^^;
投稿: kontiki | 2017年1月 9日 (月) 21時01分
kontiki さん
前に使っていたのは、OwonのSDS5032Eというモデルでした。 秋月でも売っています。 いま考えると、使い勝手もよく画面も綺麗で、FANレス仕様で、よい選択と思います。
RIGOLは、4chではダントツで安かったので選択しましたが、多機能すぎてちょっと使いにくさがあります。 また時間レンジを遅くしていっても、自動でスクロールモードに切り換ってくれません。
VDS10221は25MHz帯域といいつつ、サンプリング周波数が100Mspsしかないので、実質10~15MHz程度の実力と思います。 サンプリング周波数の1/10程度が目安です。 アナログアンプの波形観測には最低で250Mspsくらい欲しいところです。
Analog Discoveryに3.6万出すなら、SDS5032Eの方がオシロとしては明らかに使いやすく、本来の測定という意味で良い相棒になってくれると思います。 それに、Analog DiscoveryにプローブやBNC変換基板を追加すると4万円を超えてきます。
USB接続タイプで使い勝手も良いものには出会っていませんが、ソフトウェア次第でしょうね。 picoシリーズは、そんなに悪くなかった印象ですが、10年以上前なので忘れてしまいました。
ちなみに、アンプで発振させた(してしまった)最高周波数は80MHzくらいでした。 100MHz帯域のアナログオシロでも波形を捉えるのは至難の業です。
投稿: たかじん | 2017年1月 9日 (月) 22時08分
たかじんさん
お忙しい中、丁寧なレスをいただき、ありがとうございます。m_ _m
OwonはUSBオシロかと思い込んでましたが、スタンドアロンの製品なのですね。機能も重要ですが、道具は使い易さも大事ですね。実際に使用された方の感想はとても貴重で、参考になります。お金を貯めて、Owonにしようかな。
80MHzでの発振はオーディオ帯域には影響ないのでしょうが、Trがあっちっちになるので、やはりマズイのでしょうね。プロ仕様のオシロじゃないと捉えられないとなりますと困りものですが、触ってあっちっち(或いは火を吹く)なら発振と判りますか。^^ Trが熱くなる程ではない微小な発振もマズイのでしょうか?
投稿: kontiki | 2017年1月10日 (火) 21時06分
kontiki さん
すみません。 勘違いしやすい書き方でした。 やはり使い勝手が良いのは、スタンドアロンタイプです。
TRが発振するということは、不安定な回路定数であるという証拠ですので発振周波数によらず、止めなければいけません。 AF帯域のTRを使っているぶんには50MHz以上で発振するというのは稀だと思います。
VFA-01では、検討中に12~15MHzくらいで発振したことはあります。 ALX-03は帰還量が少ないので、思いっきり発振することはありませんでした。
kontikiさんのようにテストベンチで動作を確認して、アンプを製作される方なら、オシロを購入されても宝の持ち腐れにならないので良いと思います。
私が決定した定数よりもアグレッシブに攻めて、kontikiさんお気に入りの回路定数にすることもできると思います。
プロ仕様というと、計測した値が信頼(保証)できるかどうか、また、雑に扱っても壊れにくいという部分になってくると思います。 メーカーでいうとテクトロニクス、横河、レクロイ、キーサイトあたりのものでしょうね。 個人で買うには高すぎますし、ホビーユースとしてならそこまでは要らないと私は思っています。
3万円で新品のデジタルオシロが買えるなんて、想像もしていませんでしたね。 良い時代になったというべきか。。。
投稿: たかじん | 2017年1月11日 (水) 19時42分
たかじんさん
再度丁寧なレスをいただき、感謝致します。
成る程、とにかく発振する回路はダメと言う事ですね。
やはりお金を貯めて、スタンドアロンのオシロを購入しようと思います。^^
ようやくトラ技2月号を購入してきました。電圧帰還vs電流帰還の記事、大変楽しく読ませていただきました。非常に勉強になります。CFA-1は、たかじんさん設計と思い込んでましたが、矢野目氏の設計なのですね。写真の基板パターンもぱっと見、たかじんさん設計の基板と全然違います。
CFA-1の回路図を拝見しましたが、大変面白い回路ですね。初段ダイヤモンドバッファの電源にツェナーを使用するのは初めて見ました。僕は、初段電源には低雑音レギュレータを使いたいです。ウィルソンカレントミラーの使用はいいですね。歪み率では電圧帰還、スルーレートでは電流帰還の勝利ということですが、電流帰還の歪みも十分小さいと思います。さらに、電流帰還では、TIM歪みが発生しないとのこと、是非、作製したくなりました。^^
ところで、掲載の回路図中、帰還抵抗とダイヤモンドバッファ出力の交点が抜けているようですが、印刷ミスでしょうね。^^;
投稿: kontiki | 2017年1月14日 (土) 12時04分
kontiki さん
おっしゃる通り、p150、151の図4のNFBはミスってますね。 交点が必要です。 p144の図3(b)のカレントミラーの枠も足りていないです。 あと5mmほど左に枠を伸ばすと正しくなります。
今回、編集部は年末にかかっていたためか大変多忙だったようで、図が入った確認用の原稿がこなくて校正できませんでした。 申し訳ござません。
TIMひずみは、本来は図を示して説明した方がわかりやすいですね。 どこかで紹介できたらと思います。
投稿: たかじん | 2017年1月14日 (土) 20時11分