ALX-03 進捗 70% くらいか
アレキサンダー型電流帰還アンプ ALX-03基板の進捗です。
まだまだテスト中ですが、途中経過として報告です。
夏の暑い時期ではケース加工などちょっと滞っていましたが、涼しくなってから再開していました。
ケースに入れた状態だと、VFA-01と殆ど見分けがつきません。
あえてこの形にしているためです。
4Ω、8Ω負荷テストとC負荷テストをして発振しないことを確かめたところで、メインスピーカーに接続して音を鳴らしています。
パワートランジスタ、ドライバ、プリドライバなどのトランジスタから、抵抗、コンデンサ、ボリューム、配線材、入出力端子、ケースに至るまでVFA-01を製作したときと同じものを使用して、動作電流も一緒(終段アイドリング電流300mA)にしています。 プリント基板も出力バッファ部など共通な部分は全く一緒です。
つまり、電圧増幅回路・フィードバック形式のみ、違うという状況を作り出しました。
しかし、音はかなり違っていますね。
フルディスクリートではなく初段にオペアンプを使っているためか、良質のプリアンプを通したような、色つきがあって芯の強い音がします。
現在テストしているOPAMPはOPA2604です。 このオペアンプは細かい音の表現が得意で繊細な音がすると評判のものです。 私もけっこう好きです。
アレキサンダー型の電流帰還アンプは、その動作の仕組みからどんなオペアンプでも使用できる訳ではありません。
少なくとも、この基板の回路構成では2ch入りの8ピンDIP品で、電圧は±15Vまで掛けられる必要があります。 CMOS-OPAMPのように消費電流が小さいものや、1ch入りOPAMPは使えません。
とりあえず、秋月電子で安価に買えるものをいくつかテストする予定です。 FET入力とバイポーラ入力どちらでも問題なく使える定数にしています。
全ての種類をテストできる訳ではないのでご了承下さい。
安全そうなものからテストしていき、高速オペアンプなどで発振して、トランジスタなど吹っ飛ばしてしまったらそこで終了となりますね。
もちろん復旧はさせますが、何度も破壊・復旧を繰り返すほどのテストはメーカーでのアブノーマルテスト並みに骨が折れる作業のでやりたくないですねぇ(笑
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コメント
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久々のアレクサンダー記事ですね。^^
オペアンプによるロシアン・ルーレット・・・
あまり試したくないですね・・・ ^^;
いつも人柱、ご苦労様です。m_ _m
完全バランスVFA-01は、その後エージングが進み、今や神ってる音で鳴ってます。^^ シルキートーンといいますか、他のアンプではちょっと味わえない音です。
アレックス君も早く試してみたいですね。
ロシアン・ルーレットの後日談、楽しみにしてます。^^
投稿: kontiki | 2016年11月14日 (月) 21時20分
kontikiさん
ロシアンルーレットは、なかなか良い例えですね(笑
電流リミッターをつけてテストするので、一気にパワトラ一族丸焦げということはないとは思います。
VFA-01をDCアンプ化して、まじめにチューニングしすぎたおかげで、ALX-03の音のレベルが届かず難航しています。
同じトランジスタを使っているので、せめて同列に並ばないとお話にならないですからね。。。
投稿: たかじん | 2016年11月14日 (月) 23時53分
たかじんさんが、「まじめにチューニングしすぎた」と仰る位ですので、VFA-01の音がすんばらしいのは当然ですね。^^ 他のHPでも、素子の違いより、アナログの回路設計や基板設計が遥かに音質に影響するという記事を見ました。
今回のアレックス君は、音質に最も影響する初段がオペアンプなので、完全ディスクリートのVFA-01とは全く違う音造りになるのですね。最も簡単で有名なChuMoy型HPAでは、オペアンプをとっかえひっかえし、音質の違いを楽しむ方が多いようです。オペアンプの数は、兎に角多いので、評価は大変ですねえ。^^; OPA2604は、どちらかと言えばじゃじゃ馬タイプで、うまく使えば素晴らしい音が出ますが、扱いが難しそうです。僕は、LME49720当たりが好きです。安価なオペアンプの代表であるNJM4558と高価な代表のMUSES01を比較するのも面白そうです。^^
投稿: kontiki | 2016年11月16日 (水) 22時31分
kontiki さん
アンプのように、複数のトランジスタを使った回路の場合は、音を決定する要素がたくさんあって難しいですね。 トランジスタやFET、真空管という能動素子の影響もあるし、同じ素子でも動作電流や印加電圧でも変わる要素があります。
受動素子である抵抗・コンデンサでも音に違いが出る。 そして、回路構成、基板パターン(部品配置)でも影響がありますね。
OPAMPも、使い方次第で良くも悪くもなりますから、結局は聴いて確かめるしかありません。 特性が良いと音も必ず良いという訳でもないですよね。
実、LME49860も試していました。 とても落ち着いていて安心感のある良い響きでしたよ。
こうやって交換できるのは思っていた以上に楽しいです。
投稿: たかじん | 2016年11月17日 (木) 22時33分
レスいただき、ありがとうございます。
オーディオ用のオペアンプは、どれも甲乙付けがたい優れた特性ですが、音は随分違いますね。例えば、HiFi用としてよく使用されるOPA2134は、どうも音が硬くて僕は好きになれません。「音が硬い」という感覚が、どういった特性から来るのか、オペアンプの個性がどこから来るのか、知りたい所です。
LME49860(49720の高電圧版)は、良い音でしたかあ。ローノイズで有名なLME49990も試してみたいですね。今回の回路では、1回路のオペアンプであるLT1028、1115とかは使えないのでしょうね。
投稿: kontiki | 2016年11月19日 (土) 22時40分
kontiki さん
おっしゃる通りOPAMPのノイズや歪率は十分に小さいので、数値的には多くの品種でまったく問題ないですね。
それでもなお音が違って聴こえるというのは、数値以外の要素が絡んでいるのではないかと思います。
スペックシートに書かれている数値は、正弦波での計測ですが、鳴らす音楽は正弦波ではないという部分かなとは思っていますが、じゃあ、それを数値化しようとしてもなかなか難しい面がありますね。
1回路入りOPAMPを2つ使って2回路入りのピンアサインへ合わせこむ小さい基板を使うと可能だとは思いますが、そこまではテストしていません。
色々と試してみるというのも面白いですね。
ただ、帯域が30MHz以上あるオシロを持っていないと微小発振などが起きていても見つけられないので注意が必要です。
投稿: たかじん | 2016年11月20日 (日) 08時54分
たかじんさん
プロテクト基板の2SC2240が秋月で現在取り扱いが無いようです。
因みに、代替品として2SC1815を使用しても問題ないでしょうか?
投稿: bunta | 2016年12月 1日 (木) 09時43分
bunta さん
ついに2SC2240も無くなってきましたね。 電源電圧が±20V程度までなら2SC1815で大丈夫です。
電源が±25Vを超える場合は、耐圧(Vce)が100Vくらいの物を使って下さい。
投稿: たかじん | 2016年12月 1日 (木) 21時29分
たかじんさん
了解しました。
レス、ありがとうございます。
良いトランジスタが無くなっていくのは残念で仕方ありませんね。
大事に使っていこうと思います。
投稿: bunta | 2016年12月 4日 (日) 14時22分
bunta さん
2SC2240はGRランクはまだ売っているようです。 部品表を更新しました。 たしかに2SC2240は非常に低ノイズで音質も優れているので大切に使っていきたいですね。
海外製トランジスタでも音がよい物(BC550C等)がございます。 ただし、センターがベースなので足を曲げて実装しないといけません。
投稿: たかじん | 2016年12月 5日 (月) 20時51分
たかじんさん
情報ありがとうございます!
売り切れてなかったんですね。失礼しました。
投稿: bunta | 2016年12月 7日 (水) 13時04分