HPA-12 Rev2 テスト
2.2mA狙いのところ、実測で2.4mAほど流れてます。
まだエージングでどうなるのか不明ではありますが、何となく力がなくキレも少ないようです。 負荷抵抗の値を振ってみてもいまひとつなようだったら、電流値を下げるしかないですね。
初段の電流が多いと、何か得することがあるのか?
というと、スルーレートを伸ばしやすいという面があります。
ただ、ヘッドホンアンプでどこまでスルーレートが必要なのかを計算すると、こんな感じでした。 ハイレゾ音源でも 2V/usあれば十分という結果です。
ということで、基本的には好みの音で決めてしまっても良いのだと思います。
また、使う部品についてご質問される方がいらっしゃいますが、部品の選定は非常に難しいものです。
とあるサイトでは、抵抗やコンデンサ、発振器などに明確に順位付け(ランク付け)しています。 しかし試聴条件や視聴者の好みがあるので、どんな使い方をしても、誰がきいても同じ結果になるということはないと思います。 (ちゃんと試聴条件が書いてあるのはさすがです)
「どんな品種がある」 という意味ではとても参考になると思いますし、その中からご自身でいくつか試してみるというのも楽しいと思います。
最近、超強力なネオジウムマグネットが100円ショップでも売っていますね。 これでちょっとした実験をしてみました。
昨年、ビスパで売っている抵抗が評判が良いということで、DACに使ってみたのですが、大音量だと聴きつかれする高域のキツさを感じていました。 その抵抗を磁石に近づけると、かなり強く引きつけられます。
上の写真は、タクマンのREY25です。 こちらは、優しく滑らかな音で私が気に入っているものです。 磁石には全くつきません。
そして、サンケンのパワートランジスタ LAPTもつきません。
その昔、サンスイがNM-LAPTといってノン・マグネティック のLAPTを採用していたのを思い出しますね。
現在、秋月で販売しているLAPTは、非磁性体のNM-LAPTなのでしょうか。
部品が非磁性体 = 音が良い
という式が必ずしも成り立つ訳ではないと思いますが、ひとつの指標(参考)になるような気がしています。 磁性体はヒステリシス特性を持つのと、電流が流れたとき振動を起こします。 また部品が振動を受けた場合に、電流を発生させるのは、フレミングの法則の通りだと思います。
磁性体を含む抵抗を使うと高域にアクセントが付き、それで高域の伸びが良く聴こえるという効果を醸しだしている(他では聴こえない音が聴こえる)のかもしれません。 いづれにしても人の好みのですから、気に入ったものを使うというのが正解だと思います。
まだまだ、これから始まるチューニング作業。
じっくりと楽しんで、好みの音に近づけて行きたいと思います。 私の好みは、おそらく、いや間違いなく偏っています(笑
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コメント
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いつも楽しい話題ありがとうございます。
SONY ESPRITシリーズや高級機のESシリーズでは、端子の
材料からパワートランジスタの固定ビスに至るまで磁性体
を排除していました。
磁性体を含む部品を使うと磁気的な歪が増えるという話
だったと思います。
その後、オーディオ用トランジスタや、電解コンデンサ等は
挙って銅リードを採用するなど磁性体を使わなくなったと
記憶しています。
投稿: 瀬川 | 2016年5月30日 (月) 13時55分
たかじんさん
ちょうど質問させていただきたいと思っていた話題です。
用いる抵抗で随分音が変わるとのことで、Sabreberry32でも推奨されていたタクマンのオーディオ用抵抗ですが、RAYではなくREYでしょうか(製品名が変わったのかな?)。
タクマンのHP(http://www.takman-e.co.jp/product/index.html)では、次のような説明ですね。
「抵抗器を流れる音声信号を含んだ電流はその構造や構成材料からさまざまな影響を受けます。それは磁気的、誘電的、帯電、接触抵抗、振動などです。これが再生音に付帯音となって現れ、音中心が平べったく広がり、混濁気味の音色(「色づく」と表現される)として聞こえてきます。金属質的な付帯音のついた再生音は一見華やかに聞こえますが、よく聞くと音の輪郭はぼやけ立体感が欠落した音、すなわち原音に忠実でない再生音であることが分かります。クリアで実在感のある再生音を得るための絶対条件は、この余計な付帯音の除去にあるといっても過言ではありません。」
たかじんさんの求める音の方向性と同じでしょうか。^^
投稿: kontiki | 2016年5月30日 (月) 21時15分
瀬川さん
おっしゃる通りですね。 アンプ内部にはトランスが居座っているので、磁界が飛び回っています。 その中で部品に磁性体が使われていると誘導される可能性が高くなると思います。
ただ、人それぞれの聴き方があります。 ある程度の高調波は、鋭さが増すという効果があるかもしれないので、全てが悪いというわけではないと思います。
kontikiさん
すみませんREYですね。修正しました。
タクマンの解説ももっともと思いますが、実際にはどんな部品を使ったアンプでも無色透明にはならないと思いますし、歪が少なすぎて、今ひとつツマラナイなんて言われていたアンプもあったようです。
私が求めている音は、どうですかね。
意外と求める音に一貫性がないかもしれません。
聴いていて鳥肌が立つような音
空間にフワっと消えていく残響感
爽やかに澄みきるボーカル
柔らかくしっとりしたボーカル
腹の底まで轟くようなベース音 などなど。。
こまった事に曲によって求めるものが違います。
宇多田ヒカルにはこのパラメータが好み。
Jazzピアノにはこのパラメータが合う。 なんて具合(笑
基本的にはヘッドホンで大音量で聴いても疲れにくいのが良いですね。
それと多少の色付でドラマチックに演出できたら音楽がより楽しくなりますね。
投稿: たかじん | 2016年5月31日 (火) 19時34分
たかじんさん
レスいただき、ありがとうございます。
多分REYと思い、VFA-01とSabreberry32の抵抗は、すべてタクマンREYに統一しました。^^ 現在、ハンダ付け中です。タクマンのオーティ度用抵抗は、金皮のREYとカーボンのREXの2種類がありますね。そのうち、REXに交換して、音の変化を試してみようと思います。
たかじんさんの求めていらっしゃる音、すなわち、聴いていて鳥肌が立つような音、空間にフワっと消えていく残響感、爽やかに澄みきるボーカル、柔らかくしっとりしたボーカル、腹の底まで轟くようなベース音などなどは、すべて僕の求める音色ですよ!
おっしゃるように、アルバムそれぞれに求める音が違いますよね。さらに言えば、使うスピーカーやヘッドフォンによってもアンプの相性がありますし・・・ 一つに絞って、これだ!とは決め付けられないです。個人が使用しているそれぞれのハードで、「求める音」を出すための組み合わせを探すのが楽しいのでしょうか。それが、トランジスタ、流す電流、負荷抵抗やコンデンサでいろいろと変わるのが、自作の醍醐味ですね。
たかじんさんの「理想への道のり」、楽しみにしてます。
投稿: kontiki | 2016年5月31日 (火) 21時58分
ここ最近HPA-12関連の記事がアップされており、ワクワクしながら楽しく拝見させて頂いています。
しかし各部品の磁性が音に影響を与えるとは驚きです。
試しに手持ちのKOA(千石)と利久(秋月)にネオジウム磁石を近づけてみましたが、共にリード線は磁性がないものの、抵抗器本体は磁性がありました。
ところでHPA-12 Rev2は前バージョンのようにいくつかの派生(例えば純A級)も出てくるのでしょうか!?続報を楽しみにしています。
投稿: anni | 2016年5月31日 (火) 23時42分
kontiki さん
すべてREYにするとは、さすがです。 音響用カーボン抵抗も評判よいようですね。
おっしゃるように、曲というよりアルバムですね。 録音やミキシングが違うので、それにぴったりなアンプ、スピーカーというのが出てきてしまいますし、好みも人によってちがうのは仕方がないと思います。
買ってきたオーディオとは違って、色々と部品や定数を変えて楽しめるのがDIYの面白い部分だと思います。
anni さん
確かに利久抵抗、磁石につきますね。ご指摘ありがとうございます。修正しました。
Rev2は、初段に2SK2145が使えるようになったのと、初段の位相補償を基板に押し込んだ点は違いますが、その他はあまり変わりません。
ですので、バイポーラトランジスタを使ったときは、今までと同じバリエーションを楽しむことが出来ます。
リード品のFETは、すでに入手困難ですので、2SK2145に絞ってチューニングをしていきたいと思っています。
終段側は、どうしようか迷っています。 今、手に入る部品で、良いものが見つかれば発表していきます。
投稿: たかじん | 2016年6月 1日 (水) 20時49分
いつも楽しく記事を読ませていただいています。
先月、秋月様へ2SK2145のBLランクのリクエストは出してみました。(笑)
いよいよ新ver基盤の最終試作ですね。
初段電流を多くすると「音」はいまいちですか?そのへんがアナログ
回路の難しいところですね。電流を多くするとgmが上がりノイズも
減るし2段目の駆動力も増えるし一見よいことが多いと素人目には
思うのですが、微妙に不安定になるのでしょうか?難しいですね。
そういえば秋月の金皮1/4wが利久のROからKOAのMFに切り替わって
きましたね。在庫無くなったんでしょうか?ちょっと個人的には
残念です。
投稿: maki | 2016年6月 7日 (火) 00時30分
maki さん
通常の使い方だとGRとBLの違いは現われないと思います。
Yだと2mAくらい流すときには足りなくなるケースがでてきますね。
電流を増やすためには、負荷抵抗の値を下げないと、Vdsが下がってしまいます。 そして、負荷抵抗が低いとひずみが増えてしまう。
それを解決するには電源電圧を上げるしかないのですが、今度は消費電力が増えてくるという問題に直面します。
特に出力段は、多めに電流を流した方が音が良いので、電源電圧は低めの方が有利になる。 ということで、アナログ回路はバランスの上に成り立っています。
KOAの金属皮膜もそんなに悪くはないと思いますが、利久の方が静かでキレイですね。 利久に戻してくれってリクエストをしたい気分です。
そういえば、0.1~0.47Ωの金属板抵抗がラインナップされましたね。 秋月電子もなかなかヤリますね。
投稿: たかじん | 2016年6月11日 (土) 16時48分
初めましてHPA-12でバランスアンプを組もうと思案しています。どちらの販売先も在庫補充されていないようなので、そろそろ次のrevisionまたはマイナーチェンジがあるかとアナウンスを待っています。もし改版があるようでしたら、おおよその予定など教えて頂けると嬉しいです。
投稿: 街ビット | 2018年3月19日 (月) 19時06分
街ビットさん
https://www.switch-science.com/catalog/2234/
こちらにあと3枚在庫があるようです。
手元に在庫がありますので、近いうちに補充いたします。
改版は今のところ考えておりません。
おそらく、つぎにこの基板を改版するときは、日本製のトランジスタが入手できなくなり、海外製のトランジスタ配置(センターがベース)にするときと思います。
よろしくお願いいたします。
投稿: たかじん | 2018年3月19日 (月) 20時29分