RaspberryPi 3 のWifiの通信速度を計測してみました
RaspberryPi 3 で追加されたオンボードWifiの実力はどのくらいでしょうか?
気になったので、簡易的に計測してみました。
Pi 3 を単独で計測してもよく分からないので、いくつかのUSB-Wifiドングルと比較してみます。 RaspberryPiと相性のよい IO data WN-G300UA と Planex GW-USNANO2A を比較対象にしました。
下記の方法でNASからデータを読み出したときの時間で計測しました。
dd if=/mnt/nas/MP3-DATA.mp3 of=/dev/null bs=1k
12MBくらいの特定のmp3データを読み出して/dev/null に捨てています。 つまり、一方的にデータを読み出していて、送信データ量が極端に少ない実験であることに注意して下さい。
最後のbs=**はバッファサイズです。 1kバイトから8Mバイトまで色々試してみた結果、大して違いが出なかったのですが、14種類をスクリプトで一気に実行してみました。
(1k/2k/4k/8k/16k/32k/64k/128k/256k/512k/1M/2M/4M/8M)
使用した機器と接続方法は、こんな感じです。 Pi 3は、プラケースの下皿のみを使っているので、ほぼ裸基板の状態です。
Wifi接続は、多分 802.11n になっていると思われます。
pi@raspberrypi:~ $ iwconfig wlan0
wlan0 IEEE 802.11bgn ESSID:"Buffalo-G-A760"
Mode:Managed Frequency:2.437 GHz Access Point: 74:03:**:**:**:**
Bit Rate=72 Mb/s Tx-Power=1496 dBm
Retry short limit:7 RTS thr:off Fragment thr:off
Power Management:on
Link Quality=62/70 Signal level=-48 dBm
Rx invalid nwid:0 Rx invalid crypt:0 Rx invalid frag:0
Tx excessive retries:0 Invalid misc:0 Missed beacon:0
と、リンク速度が 54 Mb/sを超えてますから。
さて、結果はご覧の通り (木造の民家での計測です)
単位はMB/secです。 M bps(bit/sec)に換算するときは8倍して下さい。
この距離は、かなりいいかげんです。 そして壁やドアを越えています。
2mは、同じ部屋の中。
4mは部屋を出て、廊下に置いてます。
5mも同様、少し距離を離してドアを閉めました。
6mは隣の部屋に入ったところ。
7mはさらに距離を離してドアも閉めました。
8mは、さらに奥の方へ移動。
8.2mは8mと同じ場所ですが床に直接置きしました。
2.4GHzともなると、数センチずらしただけで電波の状況が変わると言われていますし、Wifiルーター(AP)の性能(アンテナ形状・本数)にも影響されると思いますので、あくまでも一例として参考程度にとどめてください。
実験の結果は。。。
■第3位 Pi 3 OnBoard Wifi
Pi 3のオンボードWifiは、ちょっと遅い。 そして距離もあまり飛ばない。 上記8.2mの条件では、いつまで待ってもスクリプトが終わらなかったので計測不能としました。
■第2位 Planex GW-USNANO2A
GW-USNANO2A は、小さい割にかなり頑張っていると思いました。 ただし、距離を離すと急激に速度低下していくようです。 Wifiアクセスポイントと同じ部屋で使うのであれば、速度も速くサイズも小さく、そして発熱も少ないのでお薦めできます。
■第1位 IO Data WN-G300UA
WN-G300UAは、世間の評判の通りスバ抜けた受信性能です。 この実験では、どこまでイケるのか把握できないほど良く電波を受信しました。 飛び出たアンテナは伊達ではないですね。 発熱も殆どないので文句の付け所がありません。 amazonのレビューをみると故障が多いようですので、たまたま当たりを引いただけかもしれません。
ロジテック LAN-WH300NU2も同じ製品です。 というか、そちらがOEM供給元?
ちなみに、同じ計測方法でのPi 3の有線LANの速度は約 11.5 MB/secでした。
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コメント
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価値ある調査結果の報告、ありがとうございます。
通常、PCのMBに付属しているWifiでは、MB上の端子から外部アンテナへの配線がありますが、Pi3のオンボードWifiはそれが見当たらないので、金属ケースに入れることはできないだろうなと思ってました。
チップアンテナなので、予想通り、電波の飛びが悪いようですね。なんとか、電波を基板の外部へ取り出すことはできないものでしょうかねえ?
投稿: kontiki | 2016年4月 2日 (土) 11時41分
kontiki さん
残念ながら外部アンテナ用の端子は用意されていません。
感度という面もそうですが、APの近くでも速度が上がりません。 CPUとWIFIチップとのインターフェースがボトルネック? なのかなっと疑ったりしています。
投稿: たかじん | 2016年4月 2日 (土) 18時28分
こういうの見つけました
https://blog.adafruit.com/2016/03/25/external-antenna-modifications-for-the-raspberry-pi-3-piday-raspberrypi-raspberry_pi/
効果あるのなら試したいとこですが果たして…
投稿: Neeko | 2016年4月 3日 (日) 02時16分
たかじんさん
レスいただき、ありがとうございます。
確かにAPの近くでも約半分の速度ですね。遅い、飛ばない、(音質が悪い)の三重苦かも・・・
たかじんさんが人柱となって見つけて下さったWN-G300UAは、本当にいいですね。Pi3のWifiと違って、早い、飛ぶ、発熱しないと、いいとこだらけです。僕も当たりを引いたのか、全く問題ありません。^^
Neekoさん
既にPi3に外部アンテナを取り付けた記事があるのですね。^^ ご紹介ありがとうございます。単にチップアンテナを除いた後に同軸ケーブルをハンダ付けするより、U.FL端子を取り付けたほうが、ずっとパフォーマンスがいいとの記述。しかし、この改造をやった時点で技適を犯す行為とのことで・・・。 どれ位良くなるのでしょうね?
投稿: kontiki | 2016年4月 3日 (日) 09時39分
たかじんさん
調査お疲れさまです。
う~~~む・・・な結果ですね。
なんか割りに合わない消費電力アップで、個人的にはPi2が一番バランスがいいんじゃないかと・・・
投稿: 通りすがりのおじさん | 2016年4月 3日 (日) 11時20分
Neeko さん
面白い情報ありがとうございます。
kontiki さん
おっしゃる通り、RF部を改造するのは技適に関する部分でマズイ可能性がありますね。 昔、携帯電話が車載アンテナを接続できたと思うのですが、ああいうのはどうしていたのでしょうか。 純正(?)アンテナも含めた状態で技適テストを行なうのかな? 社外品のアンテナを接続したら違法? この辺はよく分からないですね。
通りすがりのおじさんさん
確かに、必要のないCPUパワーで消費電力・ノイズが増大してしまうなら、Pi 2 もしくはB+ 、A+、ZEROの方が良いという見方もできますね。 Pi 2のCortex-A7は、良い選択だったのかもしれませんね。
投稿: たかじん | 2016年4月 3日 (日) 23時56分
私も物欲に負け、目的もなくPi3を購入してしまいました。(たかじんさんはお仕事で必然的でしょうが、)購入した以上は「使わねば」とVolimi、,Rune、Arch、lightMPD、LMSのどれをインストールしようか迷っておりましたが、まだ、Pi3に対応できるものも限られています。当然ソフトにはSabreberry+対応が必要です。そこで、私が選択したのが、piCorePlayer2.04です。インストールに1時間も掛かりませんでした。このpiCorePlayer2.04は、このサイトでも皆さんやたかじんさんが紹介しているように優れものです。
・LMSとSqueezeliteを同時に1台のPi3に導入できる。
・Sharportが導入できる。
・テザリングでiPhoneからiPengでLMSをコントロールできる。
・テザリングでAppleMusicをSharport出来てSabreberry+から音楽が聴ける。
・肝心の音もSabreberry+のおかげで素晴らしい。
以上、自分がやりたいことが本当に簡単に実行できて、毎日車の中で音楽を楽しんでいます。是非、Pi3を購入された皆様も試してみたら如何でしょうか。
投稿: とんぼのめがね | 2016年4月 6日 (水) 22時55分
とんぼのめがねさん
piCorePlayerは、もうPi3対応しているんですね。 情報ありがとうございます。
便利で良さそうですね。 私も試してみようと思います。
投稿: たかじん | 2016年4月 8日 (金) 21時37分
Home pageでは正式にRsp3対応が謳われておりますが、LMSのインストールはbetaバージョンでWeb interfaceの下にあるbetaタブをクリックすると「dangerous」と警告が出ますし、LMSのインストール画面でも「これはRsp1,2のみ」と言ったアラーとが出ます。最初は「?」と思いましたが、「私の人生もデンジャラス」なので、そのままインストールを続行しました?!
実は、最近LMSを使うようになったのは、他のスレでも投稿しましたが、これもまた物欲で送料込みで2000円のH3プロセッサーが載ったOrange Pi PCを購入してしまい、最初は同じ「Pi」と言うことなので、Raspberryと同じに使用できるだろうと安易に考えておりました。しかし、互換性は少なくハイレゾオーディオ用では使えないことが判りがっかりしておりましたが、piCorePlayerと同じように、LMSとSqueezeliteを導入することが出来ました。ただ問題は、GPIOピン配列がRaspberryと異なるためSabreberry+を直接刺すことが出来ずに、たまたま、たかじんさんがタイミング良くSabreberry+のピン配列を解説頂いたのでジャンパーケーブルで接続しました。
こちらもPi3と同様にSabreberry+の特徴である解像度の高さとたかじんさんが作り出した低音から高音にかけての絶妙なバランスの良さが際立っております。ちなみに、AP-modeで立ち上げていますが、爆足の30~40秒で立ち上がります。1.6MHzのCPUのおかげでしょうか?音の輪郭もPi3よりも良い印象を受けています。
Pi3については、消費電力が高くなったせいか、今までバスパワーで駆動していたポータブルHDDが補助電源なしには動かなくなりました。config.txtにsafe_mode_gpio=4とかmax_usb_current=1を追加すれば良いのかもしれませんが、piCoreのlinuxは?なので、何方か対応方法をご存じないでしょうか?
また、Pi3は電源を選ぶ必要があるかもしれません。「suaoki」と言う2,4V対応6連USB電源の音はダメダメでした。車内では、大容量のポータブル電源を使用していますがこちらの方が段違いに音が良いです。宅内のPi3電源を検討中です。
話が長くなって恐縮ですが、Orange Pi PCにジャンパーケーブルで接続しているSabreberry+をケースに入れることを計画しています。今はSabreberry+の電源はOrange Pi PCのGPIO 5vから供給していますが、別電源から供給することを考えています。
この時の音への影響は良い方向になるでしょうか?
また、Sabreberry+に直接電源供給する上での注意点はありますでしょうか?
投稿: とんぼのめがね | 2016年4月 8日 (金) 23時38分
上のスレで、「2,4V対応6連USB電源」は、「2,4A対応6連USB電源」の間違えでした。最近、英語のスペルを間違うようになりました。年のせいでしょうか?失礼しました。
投稿: とんぼのめがね | 2016年4月 8日 (金) 23時54分
とんぼのめがねさん
デンジャラスですか。 そう言われたら突き進むしかないですね(笑
MAX2PLAYもLMSとSqueezeliteの両方を入れられるものでしたが、piCoerPlayerでも可能になったのは嬉しいですね。
sabreberry+に直接電源を入れるのは特に問題ありません。 RaspberryPi(OrangePi)と同時に電源を投入してください。 音に関しては不明ですが、Piからの電源ノイズの影響が減る可能性は高いと思います。
投稿: たかじん | 2016年4月 9日 (土) 22時39分