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2015年10月 3日 (土)

新プロジェクト開始してます

いつもこのブログをご覧になってくださっている方々への恩返しの意味も含めて、例のプロジェクトは、更なるチューニングを行なって準備をしています。

今日は、ほんのちょっとだけ報告したいと思います。  

 

Vfa1020 

お気づきの人も多いと思うのですが、ここ1~2年でディスクリートのトランジスタが急速に入手しにくくなってきています。 

特に、オーディオアンプとして、初段のトランジスタは、特性や音質を決定付ける大事な要素のひとつです。 

先日とある所に掲載させていただいた回路には、2SC2240という東芝の低ノイズトランジスタを使用していました。 初段に使えるトランジスタの種類は、あまり多くはなく、いくつかのTRの中から2SC2240を選択して、おおよそ8万台ほどのアンプを市場に出してしまった私には特別な思いいれがあります。 

しかし、このトランジスタも例外ではなく入手が難しくなりつつあるようです。 とても残念なことではあります。

 が、

せっかくですから 現在も入手可能なJFETに対応して、基板をバージョンアップしちゃおう! 

と密かに考えました。 (すみません。ここに書くと密かではなくなりますが。。。)

 

 

じつは、初段にJFETを使うメリットが幾つかあります。 

 

1.入力バイアス電流がとても小いためカップリングコンデンサを廃することができること 

この入力というのは差動の両方の入力にいえることで、ACアンプのNFBに挿入する電解コンデンサも同様です。  また完全にカップリングレス(DCアンプ)にしないまでも、音質に優れるフィルムコンデンサを使うことができます。 

 

2.初段の電流を増やしてもS/N比が悪化しない

バイポーラトランジスタは、IC(コレクタ電流)と入力抵抗(信号源抵抗)の間に密接な関係があり、一般的な入力抵抗値(500~5kΩ)の場合、0.1~0.5mA程度がもっともノイズが少なくなり、それ以上でもそれ以下でもノイズが増えます。 JFETでは入力抵抗のみに依存し、動作電流に対して殆ど影響をうけません。  一方、初段の電流を増やすとスルーレートを増やすことができます。  つまり、初段をJFETにして動作電流を増やすと、S/N比を悪化させずにスルーレートをあげられるのです。 高S/Nと高スルーレートを両立できるわけです。 (前提条件として低ノイズなJFETを使うという部分はハズせません) 

 

ということで、上の写真に載せた小さなICのようなものは、今も入手可能、かつ、超低ノイズなDual JFETの2SK2145  です。 

当然、ペア(Dual)なので熱結合がされていて、DCバランスに優れています。 ばらつきも完全なディスクリート品と違って、わざわざ選別してペア取りするとか、DCオフセット調整をしなくても安心して初段に使うことができます。 

 

とりあず、この状態でしばらくエージングして様子をみてみます。 

今のところの感想としては、2SC2240よりも大人しく、細部の表現が高級なオーディオに近いと思います。 どこかに偏った音色がなく、ナチュラルな雰囲気です。 そのため音楽ジャンルを選ばないような気がします。 

これは初段交換だけの変化ということではなく、カップリングコンデンサレスとした回路構成も含めたトータルとしての違いです。 部品点数が減って、さらに音質も向上するというのは、隠れたJFETのメリットなのかもしれません。 

この後、 2SK2145で最も気持ちよく聴ける動作電流、負荷抵抗値の決定、動作安定性の確保など、いわゆるチューニング作業を行なっていきたいと考えています。 残念ながら、数値だけを追ったハイスペック・アンプに仕上げようとは思っていません。 (某誌への掲載時は、技術誌なのである程度スペックを追いました。) 

 

早速、明日は2SK2145の特性(データシート)を見ていきましょう。

 

 

 

 

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コメント

JFETのお神輿配線が難しそうです

待ってました、久しぶりのディスクリートねた!
今後の更新、楽しみにしてます。^^
しかし、累計8万台売ったアンプって、市販にないのでは?
すごいですね。ハイレゾの波によって電子工作が再ブームなのかな。
ペアのJFETが未だ市販しているとは全然知りませんでした。今後は、表面実装パーツに目を向けていかないとダメですね。
基板領布は何時になるのかなあ、楽しみです。^^

yosyos さん

ご察しの通り、この配線、大変でした(汗  
こうならないように基板にダイレクトにハンダ付けできるようにしたいです。

kontiki さん
8万台は、1モデルではなく、ほぼ同じ回路を展開した4~5モデル合計です。 もう16~17年前の設計の業務用機でかなり酷使されるはずですから、さすがに市場で活躍し続けてはいないと思います。 
HPA-12もかなりヒットですが、700枚を超えたくらいです。

あ、勘違いしてました。すみません。^^;
しかし、自分の設計した回路が8万台実使用されてきたというのは、すごいことですね。たかじんさんのディスクリート設計に対する深い知見もここから来てるのですねえ。プロフェッショナルだ~。

待っていました。K2145ペア取りの必要ないので必要な分購入すればよいので、買い占め・争奪戦にはならないですね・・・こちらに掲載されても。価格は上がるかも(笑)

今改めて過去ログ設計編読み返すと、電流・電圧の支配権とか勉強になります。読むだけでなく作ってイジってみると分かってくるんですね。。

連投すみません。
たかじんさんの逆で、とあるSNが悪いアンプのデュアルTRを剥がして、C2240、A970をペア取りして換装しようと思ってペア取りしています。でも、もしC2240、A970スペックのデュアルTRご存知でしたら教えてください。よろしくお願いいたします。(チップサイズのパターンにTO220はきついので。。)

kontiki さん

昔、そういう仕事をしていたというだけです。 

@相模原さん

そもそも選別をしないと成り立たないというのは、設計として、あるべき姿ではありません。 まあ、趣味の世界として、そういう部分、こだわりみたいのがあっても良いとは思いますが。

K2145で、行ける見込みが立てば、基板に付録することを考えてます。 このチップ2個をわざわざネット注文すると、送料や振込み手数料の方が高くなって馬鹿馬鹿しいじゃないですか。 さすがに全部のTRや抵抗を付録させるだけの体力はないので、、 そこはご了承願いたいところです。

デュアルトランジスタは、そんなにシビアな使い方をしていないと思います。 熱結合だけしっかりしてあげれば大丈夫な気がします。 もしこだわるのであれば、hfeを近いものにしてあげると良いと思います。 例えば10~20個中、最も近いもの同士をペアにしてあげる。というぐらいで。

SN比は、アンプの初段でほぼ決まるので、初段だけでも低ノイズなものを使いたいですね。 残留ノイズという意味では、アンプのゲインも関わってくるのでデバイスだけ交換してもノイズは減りにくいかもしれません。 

たかじんさん

待ってましたーっ

面実装部品化なんて、生唾止まらなくなりそうですね。
面実装部品ならまだ入手できるのでとても嬉しいです。

面実装部品で小型化…ゴクリ

田名フクロウさん

お待たせしていますが、もうしばらくお待ち下さい。

みかんさん

チップ部品を使うと実装面積は減るので良い面もあります。 
ただ、どうしても許容電力が小さくなるため、流せる電流が減ってしまうのと、パワーアンプは、最終的に放熱が必要ですから、ヒートシンクなども小型化できないので、小さくできるメリットは限定的かもしれないです。 

小型化にはICを使ったDクラスアンプが一番適しているように思います。

たかじんさん

2SC2240 が手に入りにくくなっているとは知りませんでした。
確かにマルツで応相談になってました。
私のように地方在住だと、手に入らないです。
通販で買えるうちに確保します。
2SK170のときに、買えると思い込んでいて、難儀しました。

チップ部品だと老眼の私にはつらいので。まだ50代ですが...

取り急ぎ御礼まで。

n’Guin さん

2SC2240/2SA970 は、まだ秋月で売っていますが、東芝は製造を中止しているので、在庫限りです。 いまのうちに50~100個くらい確保しておくのがいいかもしれません。 JFETのように選別する必要はないので、100個買ったら、100個全部、普通につかえます。

おっしゃる通り、2SK2145のハンダ付けは、約1mmピッチのPINのハンダ付けになるので、それなりに道具が必要です。  目視確認にはルーペは必須です。

時計屋のおじさんのように、拡大メガネ? をかけてハンダ付けする必要があるかもしれないですね。
http://san-web.co-sansyo.co.jp/SanOutWeb/detail/n_detail_48-1525.html

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