Dual FETのメリットとは
トランジスタやFETにはDual トランジスタ、Dual FETという、ひとつのパッケージに2つのデバイスが入ったものが存在します。
この写真はNECのuPA61Aです。 わりと古い製品で、期待したほど特性が揃っていません。 DCアンプにすると、250mVほどDCオフセットが出てしまいます。 CANケース入りの時代では、さほど特性を揃えられなかったのかもしれません。 しかし、熱結合はしっかりしていますので、DCドリフトはほとんどないに等しい。
データシートには、「モノリシック1チップ化されているため、順伝達アドミタンス比、ゲート電圧差などの2個のFETの電気的・熱的平衡が非常に優れており・・・」 と書いてあります。
TO-92モールドパッケージに入れたFETを選別して、アルミケースに入れたモノもありました。
2SK146はその例です。 選別した2SK147が2つ入っているとされています。 急場しのぎでDual FETを作ったのでは? と思うくらいの製品です。 2SK97(Sony)も同様です。
こちらは、私が持っているデッドストック? 東芝 2SK389です。
私は持っていませんが、その他にも、2SK150、2SK270、uPA63Hなど、モールドパッケージに入ったDual JFETは一時期沢山ありました。 いまではヤフオクなどで入手するしかないかもしれません。
半導体は、特定のパラメータにバラつきがでてしまう製品ですが、同じウエハーのすぐ隣同士の特性は似ている確率が高いという特徴があります。 つまり隣同士で2つFETを切り出すと特性が近いペア品にすることができます。 またシリコンウエハーの熱伝導率は高く、2つのFETの温度はほぼ等しく保たれます。 TO-92(モールドパッケージ)にいれた2つのFETを外でボンド付けや銅箔を巻きつけた熱結合とは比較にならないほど瞬時に熱が伝わります。
<<ネット上から拝借したイメージ画像です>>
ということで、アンプの初段にDual FETを使うと、DCオフセットはわずかな調整、もしくは無調整で済み、そして熱結合が強力なためDCドリフトしにくいという恩恵を得ることができます。
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