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2015年3月 6日 (金)

オーディオ用のミュート回路の種類

近年のオーディオ製品では、電源のON/OFFの「ボツッ」というノイズ(専門用語ではポップノイズといいます)を聞えなくするためにミュート回路が設けられています。 

その昔はあまり気にしなかったのと、アンプのパワーもさほど大きくなく、問題になりにくかったという事もあると思います。 さらに大昔の真空管アンプでは素子の立ち上がりが遅かったので、電源ONポップノイズはあまり発生しませんでした。(回路構成にもよります) 

 

現代のプリアンプ出力やCD等のプレイヤーの出力は、ICに内蔵されている場合も含めて、殆どがミュート回路を搭載しています。 パワーアンプの出力リレーは、ポップノイズのミュートの機能の他に過電流や(故障時の為の)DCオフセット保護、過熱保護の役目もしていますので、また別の機会にいたします。 

ひとくちにミュート回路といってもいくつかの種類がありますので、本日はそのあたりをまとめようと思います。 

Mute01 

 

大別すると「出力ショート型」と「出力オープン型」 の2種類があります。  

 

■出力ショート型

そのままの意味なので、分かりやすいと思いますが、出力をGNDへ落としてしまうというミュート回路です。 

Mute02_2  

GNDへ接続するスイッチ・デバイスはリレーやトランジスタ、MOSFETなどがあります。 高級なオーディオでは殆どがリレーです。 

カップリングコンデンサ(図中ではCC)は有る場合と無い場合があります。 もし後段のパワーアンプがDCアンプだった場合は、プリアンプの出力にDC漏れがあるといけないのでDCカットしてあった方が安全です。 もちろんプリアンプにDCサーボをかけてオフセット電圧が出ない構成の場合には取り除くことが可能です。 

最大の論点は「R」の抵抗値です。 ここで20種類程度のプリアンプの出力インピーダンスを調べてみましたが、かなりマチマチ。  高いものは1kΩ、低いものは2Ω。 多かったのは100から200Ωの間です。 

この「R」の値は、スイッチ・デバイスのON抵抗と必要な減衰量で決定され、音質にも影響するのでとても重要です。 

 

リレーの場合:

 ON抵抗が数十ミリΩと小さいので「R」も小さい値を使うことができます。 大電流用のリレーは接点不良が起こるため向きません。 小信号用のN2封止リレーを使用する必要があります。 

 

ミュートトランジスタの場合: 

 ON抵抗はトランジスタのベース電流に依存し、1~5mA(※)と大量に流してあげることで約1Ωまで下がります。 1ΩのON抵抗で60dBの減衰量(※)を得るには「R」を1kΩ程度と大きくしなければなりません。 「R」の抵抗値を大きくすることは音質的に足かせですので中級以上のオーディオにはあまり採用されません。 

※60dBの減衰量では、まだ音が小さく聞えます。 ベース電流を流しすぎると信号への漏れ電流が大きくなるので実用上は0.1~0.2mA程度にすることが多いです。 

 

出力ショート型のメリットは、信号ラインに直列に入る接点が少ないところと、ミュート時に出力をショートするので不要なノイズ(ハムノイズなど)を出しにくい点があげられます。 

デメリットは、通常時の出力インピーダンスを低くしにくい点ですが、多くのセパレート・プリ・アンプが採用している200Ω以下なら十分なのだと思います。 

 

 

■出力オープン型

こちらは、出力端子をアンプ出力から切り離すタイプです。 

Mute03  

プリアンプやプレーヤーの出力としては、殆ど使われません。 

理由は、後段につながれるパワーアンプはゲインが固定で大きな増幅度を持つため、その入力がオープンになってしまうとノイズを拾ってスピーカーから盛大なノイズ(主にハムノイズ)を発してしまう可能性があるからです。 

ヘッドホンアンプ、パワーアンプなど、直接ボイスコイルなどを駆動する場合にはこの回路の方が「R」をとても小さな抵抗値(0Ωも可能)とすることができるメリットはあります。 HPA-12のミュートはこの方式です。 

スイッチ・デバイスは主にリレーです。 近年では超低ON抵抗のMOSFETを使う場合がありますが、完全に切断することができないためミュート時に-80dBくらいの漏れがあります。(実用上十分です) 

 

 

製作中のミュート基板は、ショート型、オープン型の両方に対応します。  

 

 

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コメント

たかじん様
ミュートは、メカリレーは壊れる?接触不良になる?ので、
フォトモスリレーでGND落としで、やったことあります。
アナログとデジタルが絶縁できるので、精神衛生上よろしいです。
今では、数Ωのフォトモスが簡単に手に入りますから、良い時代です。

イワンさん

リレーは使い方と選定が重要ですね。
N2封止の小信号リレーで、定格を守っていると10~50万回保証するリレーは沢山あります。
オムロンG6A(金接点クロスバツイン)がお奨めです。

上の写真に写っているのは秋月で売っている安いリレーです。交換が簡単に行なえるように半田ランドは片面にしてあります。

フォトモス、MOSFET、ミュートTRなどは、回数制限が無く、動作が速いというのがいいですね。 ON抵抗が50mΩくらいのMOSFETでもいいかなって思います。 

写真のリレーは、実験用なら良いですが、しばらく使うと・・・です。(モゴモゴ・・・過去に痛い目にあいました)
それ以来、値段にひかれた写真のは避けて、無論オムロン!にしています。

イワンさん

おっしゃる通りで、テストはワーストケースで行なってます。
リレーって案外使い方難しいですよね。 ダメな場合だとひと月とか半年で接点不良がでてきますからね。 
HPA-12基板で使用して既に2年半。 検証時期もあったので恐らく2000回以上開閉しているんですが、今のところ大丈夫です。 入力セレクタ基板は2~300回くらいと低頻度ですけど、そちらも今のところ問題でてません。 ただ5年もつかどうかは不明です。

まあ、価格が価格なので当たり外れがあるのかもしれません。
1回交換して3年持つなら許せる範囲じゃないでしょうか。

0dB HyClassAAヘッドフォンアンプの製作に当たり、ヘッドフォン出力のミュート用に組み合わせようと思ったんですが、基板の在庫が現在ゼロなんですね。
ユニバーサル基板を使って組み立てるか、あるいは電源のオン/オフ時にヘッドフォンを接続しなければポップノイズが発生しないとのことなので、音に関係ない余分な回路を付加しない方がいいのか、現在思案中です。
ところで、ミュート基板を製作する予定はあるのでしょうか。

三毛ランジェロさん

ヘッドホンアンプとして使用するのであれば、ミュート基板なしでも大丈夫だと思いますよ。

あのミュート基板は、その出力を(ボリュームがついていない)パワーアンプに直結するときに使用するものです。

とりあえず、そのままHycaaで使ってみて我慢できないレベルでしたらご検討ください。  ミュート基板は2月頃には再開できると思います。

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