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2013年10月 8日 (火)

DAC 考察(1)

 

私が使っているCDプレーヤーにはフィリップスのTDA1541AというマルチビットDACが入っています。 もう20年以上昔のもので、さすがに現在では入手できないですが、マルチビットを好むオーディオ愛好家の中では、現在でも好んで使うような結構有名なDAC-ICです。  

 

   どうしてマルチビットDACが好きな人が存在するのでしょうか。

 

Tda1541a_2

 

とても大雑把に言うと、DACは2種類に分類出来ます。

 

 ■マルチビット系DAC

 

 ■ワンビット系DAC

 

 

メリット・デメリットを挙げると、

マルチビットは、変換の直線性を保つのが難しく誤差を生じやすい。

その為DAC-ICを量産するという意味では難しい部分があり、価格が高めになってしまう。

サンプリング毎に、その瞬間の電圧や電流を表現可能で、時間的なズレ(遅延)が発生しないので、アタック音などが明確。 ガツンとくる音が表現できる。 音が太い、厚いと表現することもある。

対する1bit系は、⊿Σ変調(ノイズ・シェーピング)により1と0のみのPWMもしくは、PDMに変換しているので静特性において誤差が少なく直線性が良い。 量子化で発生する誤差の蓄積を次のサンプリングへと加算して行く。 その積み重なった誤差が量子化器の敷居を超えた時に初めて出力へと現れるという原理から、どうしても遅延が発生する。

 

 

サンプリング周期のその瞬間、瞬間を表現した信号ではなという点でマルチビットとの音の差が発生すると考えられる。 綺麗で優しい音になる傾向がある。

 

 

最近の流行りのPCM-DSD変換もこのワンビットDACの低速版と考えることが出来る。

 


詳しくは、こちらが参考になると思います。

http://www.tij.co.jp/jp/lit/ml/jajt042/jajt042.pdf

 

 

DACのビット数について

CDフォーマットの量子化は16bitです。 これは信号の振幅を16bitで表現しているということです。 1bitは、「1」と「0」の2値、16bitでは65536値です。 
理論上のダイナミックレンジは 98dB です。

 

ハイレゾ音源の多くで採用されている24bitでは 146dBとなります。
ちなみに20bitでは122dB
また32bitでは194dB

ちょっとしたアンプ。例えば0dB HyCAAでも110dBを超えるs/nなので、16bitでは少し足りていないことが分かります。

20bitくらいあれば、実用上(測定上)問題にならなくなってきます。

信号の電圧が2Vとして、s/n比120dBを得ようとすると、ノイズは1.0uVという低い値が必要です。

抵抗の熱雑音を計算すると、1kΩ、帯域20kHz、温度25℃で、0.57uVであることから、120dBを大きく超えるのは簡単ではない事が分かりますね。


これは個人的な見積もりですが、現在の電子回路・半導体技術の範疇ではs/n比130dBくらいが限界値。(基準信号レベルを2Vrmsとして)

これは、もはや物理現象的に24bitデータ完全に表現することが難しいことを意味しています。

 あくまでも数値上のお話です。


 

 



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DAコンバータ」カテゴリの記事

コメント

人間の耳のダイナミックレンジは120dbくらいだと聞いたことがあります。
HyCAAもすごいレンジですね、あくまで数値の上なのでしょうけど。

HyCAAのs/nは実測値。 デジタルデータ16bitや24bitのDレンジは理論値。 
明確に書かなかったので、ちょっと分かりにくかったでしょうか。

s/nが60dBや70dBで満足された時代は終わったのかもしれません。 Digifi付録のUSB-ヘッドホンアンプでは
ノイズが普通に聴こえてしまうという事が、問題視されるようになりました。 私も同感でした。

たかが数値、されど数値。 って感じでしょうか。

0dB HyCAAでもヘッドホンによってノイズは聴こえます。 人の耳って妙に敏感な部分がありますね。

Dear mr_osamin
たかじんさん

>人の耳って妙に敏感な部分がありますね。

一番困るのは、一度聞こえると、若しくは気になると、慣れるということがないことです。

例えば、何か中域が薄いな、と思うと、ずーっと気になります。
ノイズが聞こえると、何故か浮きだってそれだけ聞こえます。

困ったものです・・・。

>一番困るのは、一度聞こえると、若しくは気になると、慣れるということがないことです。

そう言われると、そうかもしれませんね。 不思議なものです。

たかじんさん、お久しぶりです。
DAC関係ないけど、DIPのICだとデカップリングがフィルム?でもすごく馴染んでる。ちっちゃいパッケージだと悔しいけど…積セラが…

エリーさん

このTDA1541AというDAC-ICは、構造上、外付けでコンデンサが沢山必要なんです。
デカップリングではありません。 そして、データシートでは0.1uFと書いてあるのにも
関わらず、1uFをいれた方が音がいいとかで、大きめの容量を盛っていることもあります。
そして、そのコンデンサで音が変わるので、みな高級なコンデンサを使っています。

googleでTDA1541Aを画像検索すると、いろいろ出てきて楽しいです。

音質で、DAC IC はマルチビットが良いとは、常識です。 今やそれより、 16ビットTDA1541、PCM58より、その前の14ビットの TDA 1540、PCM56の方が、締まった、胸にしむ音がする、ゆえに、わかる人はそちらを求めています。 この常識ゆえ、そこからスタートされたし。例えば、深い感性のテクノロジー研究会で、きちんと議論されtきました。http://niz237gt.sakura.ne.jp/hmlab/

宮原 誠さん

私もマルチビットDACの方が好みで、マランツのCD34というTDA1540を積んだCDプレイヤーも以前は所有していました。芯があって熱い演奏を奏でていて、14bitDACというのは全く意識しませんでした。

スペック重視で、1dBでもS/Nが良い方へ。。。と流れていく業界の動向は、いかがなものかと思うこともありますね。

ある程度の高級機になると、スペックではなく「音」で選ばれている傾向はあるのですが、世間一般の方々や、理系をかじちゃった人に理解を求めるのは案外難しいものです。 まあ、私も数値が命と思っていた時期がありました。。。

一方、アナログレコードが流行ってきているので、スペックだけを追い求めている人達とは違う流れも今はあるように思います。

最近、マランツのSA-8400の読み込みが悪くなったのが、今更金をかけることもないか、でもないと困ると言うことで、DENONのDCD-715の中古を買ってみました。最初は失敗したかなと思ったのですが、3日位してから俄然調子が良くなり、何でこんなに聴き入ってしまうのだろうと不思議に思いました。
よく考えてみると、この時代の物はマルチビットだったんですね。それが今では1ビットが当然のようになってしまって。
私もやはり体質的にマルチビットしか受け付けないようです。

冒頭にある挿絵の TDA1541A は残念ながらニセモノですね。
S1 には王冠がスタンプされるので。

クラウンの有無が正偽の根拠であるのか不明ですが、フォント(Aと4)で判断すると本物のように見えます。メーカーサイドの資料は何処??

すぽさん

ネットで拾ってきた写真なので、なんとも。。。不明です。


onajinn さん

クラウンマークは後からとってつけた感がスゴイですよね。 

たかじん さん

>クラウンマークは後からとってつけた感がスゴイですよね。

画像検索でベタベタと7個もスタンプされたS7?をみて吹きました。
本物だとしてもどんな基準で選別してるんだろう?

良かった。たかじんさん保有基板の実写だったらどうしようと思ってましたw

王冠が無かった時期もあるので、どこかに本物も実在するとは思いますが、

こちらの写真は数字のフォントも違うのでニセモノです。

onajinn さん

S7はセンスがいい偽物ですね。 私も初めてみたとき吹きました!


すぽさん

フォントから見分けるとはさすがですね。

しつこいですが、再度考察してみました。
ネイムオーディオ CD3 の基板だと思うので、王冠が無いのはやはり変です。96年にナイメーヘンでチップ生産というのもギリギリ矛盾していません。
私の結論としては、クラウンのついたものは取り外し、規格外の R1 で文字を 無理やり S1 に書換し換装したものと推測しました。

すぽさん

選別しはじめた当初はクラウンマークは無かったみたいですね。
あと、後工程の工場も複数あったみたいで、なかなか判別が厄介です。

|当初はクラウンマークは無かった
ごめんなさい。知っていました。

ニセモノの横行を減らすため、選別品はクラウンマークが付いていると思っていた方が無難です。3つ以上ついた正規品はありません。

2つのはロットや搭載する製品が限定されるため、中古機器でニセモノを掴む可能性は低くなりますが、ニセモノに換装された製品もあるし、高額なのに残念な出来の製品もあります。

#いま、Single Crown を搭載した日本製の機器を開け、異臭を放つ電解液をふき取って不良パーツを外したところでした。

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