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2013年8月27日 (火)

ライントランス追加テスト USB-DAC

この記事は、AKI.DACというUSB-DAC基板と信号トランスを使ったUSBヘッドホンアンプの記事です。
 
Sansui_trans

 

先日のUSB-DAC対決の後日談です。 

 

ST-45とST-48を買ってきました。 先日のはST-45と同等のSD-45?という廉価版の互換トランス(280円)でした。

 

周波数特性は、明確な違いがみられないですし、ぺるけさんがST-71のデータを掲載しておりますのでココでは割愛いたします。

 

St45_1

 

St45_2

 

この2つで違いが出そうな歪率を測ってみました。
トランスのドライブはAKI.DACです。 
トランス入力に直列に抵抗を100Ωいれてあります。 

 

負荷抵抗は33Ωです。  出力レベルはAKI.DACで0dB。 つまりボリュームmaxです。

ついでですから、ST-48とタムラTHS-1も測りました。

出力電圧は、

SD-45(600Ω:10Ω) : 94mV

ST-45(600Ω:10Ω) : 74mV

ST-48(600Ω:8Ω)  : 68mV

THS-1(600Ω:600Ω) : 70mV

 
と、まあ似たり寄ったりです。 THS-1は600Ω:600Ωなので、本来はもっと電圧が高いはずですが、負荷が重くて電圧が落ちているようです。

 

 

Linetrans4  

 

結果は、このようなグラフになりました。  

 

  ただし、グラフの通りの音ではない部分がありましたので補足します。 

 

ST-45は1kHzくらいから低域に向かって直線的に歪が大きくなっていて、なんとSD-45の方が優秀な結果となっています。 なぜでしょうか。 

SD-45の方が巻き線が沢山巻かれていてST-45は巻き線とIEコアの間に隙間が見えるくらい巻き線が少ないです。 このあたりの設計方針の違いもありそうです。 
とはいえ、ST-45とSD-45の音の印象は、グラフから想像するほど違いは大きくなく、むしろSD-45のほうが元気でやかましいです。  ノリが良いと言ったほうがいいかもしれません。
(SDはコストパフォーマンス最高ですね)

 

そして、 
  ST-48は、かなりイケてます。 
 
ST-45に対して価格 +150円。容量は3.5倍。音質は1.5倍 増しといったところでしょうか。
音の余裕度というか、躍動感、高域の抜けの良さなど、全てにおいてSD-45を上回りました。 ただし、出力電圧が少し減って、より感度の高いヘッドホンが必要です。

 

 30Ω 101dB 以上
 50Ω 103dB 以上
 100Ω 106dB 以上

 

 

最後にTAMURAのTHS-1 歪率特性は最も優秀で、さすがとしか言いようがありません。
ところが、音質評価と一致しないのが不思議です。  

 

やはり600Ω出力で30Ωや16Ωのヘッドホンを駆動させるのは無理があるのかもしれません。 この中では最低で、救うべきポイントがない音です。

 

まとめ

ST-48とAKI.DACとの組み合わせでつくるヘッドホンアンプは、少し感度が高めなヘッドホンが必要ではあるものの、適度な色付けと躍動感があって、楽しく音楽が聴けます。
正確な音を求める人、細かい音の表情を重視する人には、おそらく満足いただけないと思うのですが、音楽全体に目を向けると、ボーカルが朗らかに歌い上げ、躍動感のあるリズムセクション、暖かみのある空気感は、なかなかのものです。 聴き疲れ感がないのもいいです。 
 
こういう音の鳴り方は、真空管アンプに通ずるものがあるように感じました。

 

つづきはこちら。
 

 

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USBヘッドホンアンプ」カテゴリの記事

コメント

たかじんさん

引き続きのレポートありがとうございます。

特製と音質評価が一致しないというのはよくあることですが、今回の比較もまさしくその一例といったところですね。

設計思想の違いかもしれないというコメントがとても興味深いです。
設計者がどんな目的で設計したかというのはとても重要な視点で、目的に合致しない用途はその性能を十二分に発揮できないというのは当然のことと思います。

タムラのトランスであればどれも優秀かというと、必ずしもそうではない。
ただし、元々想定された用途かどうかによってその評価も異なる。

そんな結論のような印象を受けました。
ということは、他のモデルでは結果が異なるということは十分想定できますね。

SD-45、ST-45は健闘していますね、意外でした。


「オーディオ都市伝説」という言葉があるそうですが、
「ウソようなホント」「ホントのようなウソ」は身近なところに多くあると思います。

最後は自らの実証と感覚を信じるしかないと思いますね。

興味深いリポートありがとうございます。

偽サンスイトランス? SD-45は、通販でいくらかと調べると
なんと、どこも550円くらいの値段になっていました。

どうなっているのでしょうね

値段は、もしかしたら間違っていたかな? ST-48が売っていれば、その方が良いとおもいます。
私はサトー電気で購入しました。 

>SD-45、ST-45は健闘していますね、意外でした。
低域の歪がとても多く、このグラフからは使用したくなと思われる方が多いと思います。
音楽信号だと、信号が複雑で、ここまで酷い歪(磁気飽和?)にはならないという話もありますが
実際の所はどうなのでしょうか。

初めて信号トランスを使ってみましたが、案外わるくないという印象ですね。

たかじんさん
こんにちは。

私も前の記事を参考にST-45を購入しここ2日ばかり試していました。

入力はAKIDACではないのですが手持ちのFN1242から藤原さんのバッファ付のMUSES72320へ繋いで聴いてみました。

以前より「トランスを使った変換」にはとても興味があったのですがなかなかちょうどいい「実験」がなかったのですが今回紹介して頂いたので、これは!ということで試させて頂きました。

結果的にはかなり驚いています。

無理なく鳴っている感じです。

たかじんさんも仰っているようにしっかりとした躍動感があり、意外と細かな音までしっかりと拾っています。 色付けが少ない様に感じます。 低音のひずみは余り感じませんでした。 ただ若干低音域の情報量は少ない様に感じます。

HPA-12のような聴いていて楽しいという感じではないのですが、耳を傾けて聴きたくなります。
そして聴き疲れのない感じです。 まだ2日なのでこれからも音は変わっていくでしょうが今は良い感じです。 

私はトランスをこのように使ったのは初めてですがやはり質の良いトランスは音が良いのでしょうか? 記事にもありますが、値段や特性が全てではないでしょうがトランスの特性が合った時はきっとこれよりも良い音なのかと妄想してしまいます。 何かほかにこのように使えるトランスに候補はあるのでしょうか?? 気になります。

ところで今更ですが念のため、線の繋ぎ方(極性?)を教えて頂けますか? 一応調べてみて、音が出ているので大丈夫だとは思うのですが…

よろしくお願いします。

私も使ったことが無かったので、あまり詳しい事はしりません。
極性は、白、白をGNDへ接続でOKかと思います。

http://www.tritech.tv/product/transformers.html
このあたりが、最高峰の信号トランスらしいですが、とても価格が高いです。
http://www.tritech.tv/column/trans3.html
ここには、参考になることが沢山書いてあります。

日本製としてはやはりTAMURAですかね。

http://youtu.be/SBlyzcgfjKQ

この曲の冒頭40秒を聴いて、低音の表現力勝負をしました。 違いがはっきり判ります。
YoutubeではなくCDをリッピングしたMP3です。

たかじんさん

こんばんは。

>違いがはっきり判ります。

ST-48はそんなに違いますか。

ST-45でもそれなりに良いと思っていました。

今度、ST-48も手に入れて聴き比べしてみたいと思います。

このT-SQUARE の曲も良いですね。

この音源も手に入れて聴いてみたいです。

トランスの音、奥深いです。

ありがとうございました。

aizzakさん こんばんは。

ST-45とST-48は、全体的に余裕度みたいのが違います。 低音に関してはわかり易い
曲とそうではない曲があり、上の楽曲はわかりやすいものの代表としてあげました。

トランスはDCをカットするだけじゃなく、電圧も変更、インピーダンス変換、絶縁。 など
結構多機能ですね。 カップリングコンデンサ1つを省くのに色々努力してきたのに
結局、ここでDCをカットしていると思われてしまうかもしれません。 が、この場合は電圧
変更とインピーダンス変換が主な仕事と思います。  
 
AKI.DACとの組み合わせだと、ヘッドホンアンプ部としてはオペアンプも電源もいらない。
超シンプル。  なのに、この音。  びっくりですね。

TAMURA、安く売っているお店ないんでしょうか。 ヤフオクは、壮絶なバトルが展開されているようで。

たかじんさん

>TAMURA、安く売っているお店ないんでしょうか。 

ないです!(きっぱり)


>ヤフオクは、壮絶なバトルが展開されているようで。

結局地道に探すしかないですねぇ。

タムラのトランスはNHKの御用達だったらしく、地方では局の近くの電気屋に話を持ちかけて
補修部品として在庫を持ってもらっていた時代があったそうです。

これのデッドストックが地方では見つかるケースがあるんですってね。

mr_osaminさん

>これのデッドストックが地方では見つかるケースがあるんですってね。
なるほど。 そういうのがあるんですね。

平衡-不平衡 変換も簡単にできるから、バランスアンプの入力で、XLR端子のときは直結、
RCA入力はトランスでバランス化してアンプへとつなぐことで、両方に対応できますね。

アンプのバランス化(BTL)を考えている人は、ひとつ持っていると良いかもしれません。

やはり、性能・特性はTAMURAです。  上の評価では、本来の使い方から大きく外れたところで
使ったので可哀そうです。

TAMURAリベンジ やります! 

たかじんさん

おっしゃる通り、ライントランスはいろいろと用途がありますよね。


>平衡-不平衡 変換も簡単にできるから、バランスアンプの入力で、XLR端子のときは直結、

はい、

私も平衡接続を意識していろいろと構想を練っていますが、そもそも平衡は一般家庭での使用で
どんなメリットがあるのか?

と自問自答しながらの日々です。


平衡とは?みたいなw

確かに、一般家庭で、バランス構成にするメリットというのは、かかるコスト(単純に回路が2倍)に
対してどうなんだろうと思うところはあります。

ただ、DACでバランス出力がついているタイプのものを、アンバランスに変換してから増幅していく
よりは、そのままバランスで転送し、バランスアンプで増幅。 最後のスピーカーのボイスコイルで
音圧に変換することで、最高の性能が得られるとは思います。

バランス転送が外来ノイズに強いのはよく言われることですが、1~2m程度配線をRCAケーブルで
引いただけでノイズが混入してしまうという(強電界環境)なら、まず、その環境を改善すべき
かもしれません。 バランスうんぬんの以前にです。

スタジオやホールなどで、マイクなどの配線を引き出すとすぐに100m超えになってしまいますが、
そういう場合はXLRバランス転送のメリットはありますね。

たかじんさん

>確かに、一般家庭で、バランス構成にするメリットというのは、かかるコスト(単純に回路が2倍)に
対してどうなんだろうと思うところはあります。

そうなんですよ。

家庭用であっても録音機材を買い込んでいる人にとっては再生時、アンバランス環境との整合性を取る必要があるのですが、
私のように単にリスニングだけの用途の場合は、未知数ですね。

回路までバランス化すると、とても冗長で手間とコストがかかるだけで、
その割には大きな違いが見いだせない。


実際、アンバランス回路のアンプでも良い音がするものは沢山ありますし、それに平衡化の意味は
ご飯のふりかけ程度じゃないかと思うんですね。


けれど、その「ふりかけ」に興味をもって少しだけこだわってみたい心境なのです。


>それに平衡化の意味は ご飯のふりかけ程度じゃないかと思うんですね。
なるほど。 その表現は、正しいかもしれませんね。

アンバランス入力でBTLアンプにする場合は、バランス変換をするのですが、そこがいやらしい部分
です。 アンバランスのまま増幅すれば、そんな余計な回路がいらないですからね。

平衡駆動、不平衡駆動を聴き比べして、劇的に音が変わったって話は、実はこの変換回路の音
だったりして、本当の意味での評価は難しいと思っています。

差動回路タスキがけで直接バランス変換もできる回路は、信号
ラインに22k~47kと高めの抵抗を入れなければ
ならない宿命があって、その抵抗値の高さがネックで音の勢いが
遮断されるように思います。 ダイレクトで生々しい音がしないんです。
 
トランスでの平衡変換は試したことは無いですが、きっとトランスの音の傾向が色濃く
でるように思います。

結局は、出てくる音が好きか嫌いかです。ね。

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