SEPPとは
OTL回路やOCL回路で使われるのがSEPPと呼ばれる回路です。
Single Ended Push-Pull の略です。
一体、どこがシングルなのか?
と疑問に思うかもしれません。 またシングル以外には何かあるのでしょうか。
実はSEPP以前にDEPP(Double Ended Push-Pull)という回路がありました。
DEPPという表現は、あまり使わず、単にプッシュプル回路、プッシュプルアンプと呼ぶことが多いように思います。
これも、真空管時代のアンプのことです。 シングルアンプとは、最終段の真空管を1本使用して、片側動作させています。 歪なく信号を伝えるには当然A級動作が必要になります。
それに対して、プッシュプルアンプとは、最終段に真空管を2本使用して、プッシュプル動作させています。 出力は、トランスで合成しています。 A級、AB級、B級動作させることができます。
このようなプッシュプル回路を、正確にはDEPP(Double Ended Push-Pull)というのです。
この回路図はLeak TL/12という昔のプッシュプルアンプのものです。 ムラード型位相反転回路により、反転信号を作って最終段をドライブしています。
この回路図はLeak TL/12という昔のプッシュプルアンプのものです。 ムラード型位相反転回路により、反転信号を作って最終段をドライブしています。
DEPPは、それぞれ片側駆動している真空管の2次歪がトランスで合成したときに打ち消されるため、音質が優れていると言われています。 高級な真空管アンプの殆どがプッシュプルアンプなのはそういった理由と大きなパワーを出しやすいからだと思います。
さてさて、DEPPの説明に逸れてしまいましたが、SEPP回路とはどんな回路なのでしょうか。
あまり説明することはありませんが、このようにトランジスタや真空管が、上下についた回路がSEPPです。 勘違いしやすいですが、並列にパラっていてもSEPPです。 2パラとか3パラとかは関係ありません。
SEPPは、±電源とすることでDCカットする出力コンデンサを排除することが可能で、OCLアンプの殆どがSEPP構成をとっています。
SEPPには「純コンプリメンタリ」と「準コンプリメンタリ」がありますが、それはまたの機会に説明しようと思います。

あまり説明することはありませんが、このようにトランジスタや真空管が、上下についた回路がSEPPです。 勘違いしやすいですが、並列にパラっていてもSEPPです。 2パラとか3パラとかは関係ありません。
SEPPは、±電源とすることでDCカットする出力コンデンサを排除することが可能で、OCLアンプの殆どがSEPP構成をとっています。
SEPPには「純コンプリメンタリ」と「準コンプリメンタリ」がありますが、それはまたの機会に説明しようと思います。
SEPPとDEPPの決定的な違いは、SEPPはデバイスの出力の位相は同じで、DEPPは逆位相な点です。
DEPPは逆位相出力のため2次歪を打ち消しますが、トランスが必要で周波数特性は上下とも制限されます。 また、トランスの位相回転がつきまとうためNFBを深くかけられません。
歪率もトランスの出来に左右されます。
SEPPはOTL、OCL構成とすることが可能で、周波数特性に優れます。 そしてNFBも多量にかける事が可能です。
コスト的にもトランスがない分、安価にすることができますし、サイズ的なメリットも見逃せません。
オペアンプICの出力は、殆どすべてがSEPPであることからも、優秀で非の打ち所がない回路であることが想像に難くありません。
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